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上達してもスコアが良くならない最大の理由は?!

2012年10月22日 18:57

 時代を経る毎に、クラブばかりでなく、ゴルフ関連の用具はどんどん進化して、性能がアップしてきていますね。

 ゴルフ創世記のクラブと現代の最新クラブでは雲泥の差。

 それにもかかわらず、昔と比べてもアマチュアのスコアが、さほど向上していないという記事をよく目にします。

 その一方で、プロは道具の進化を十分に発揮して成果を上げてきています。

 どうしてでしょうか?

 また、ゴルフスクールで打ち方を習い、ショットの精度が上がっているのに、スコアは大して変わらないという経験はありませんか?

 どうしてなのでしょうか?

 その答えのひとつになりそうなのが、交通心理学者であるジェラルド・J.S.ワイルド氏の『リスク・ホメオスタシス理論』にあります。

 掻い摘んで内容を紹介します。

 「ホメオスタシス」という言葉自体は、元々は生物学用語で、恒温動物の体温維持の仕組みなど、恒常性維持の説明するときに従来から使用されていますので、生物の教科書などで目にしたことがある方が多いと思います。

 「ホメオスタシス」の概念をリスクに当てはめて、事故の安全対策に対する人間心理と行動を分析したものが、『リスク・ホメオスタシス理論』です。

 人は利益に結びつかないような危険には近寄らず、回避することができます。

 ただし、リスクをとることがなんらかの利益に結びつくような場合、人はある程度のリスクを受け入れてしまいます。

 人によって個人差はあるものの、個人としてのリスク許容水準はほぼ一定のようです。

 このことは、リスク水準が高いほど、利益も大きくなるような場合に問題となります。

 安全装置の開発や訓練による技術向上が一定の効果を上げると、人はリスクが低下したと感じますが、そのとき最大利益を得ようと行動を変化させ、リスクを自分の許容できる水準まで引き上げてしまう傾向があるそうです。

 本来の目的である安全性の向上の方向ではなく、効率性・快適性の向上という方向に転用されてしまうというわけです。

 その結果、危険な行為は変わらず、事故率は減少しないと結論づけています。

 また、この状況を打開するには、リスクの許容水準を引き下げるような方策をとるべきだとも言っています。

 ジェラルド・ワイルドの著書を翻訳し、日本で紹介している芳賀繁氏は、著書『事故がなくならない理由』の中で、リスクの許容水準を引き下げる方策として、安全への動機づけを高めることを勧めています。

 具体的には、仕事への誇りと将来に希望をもつことが安全への動機づけの鍵となるとも言っています。

 ここでゴルフに話を戻します。

 ゴルフにおける事故とは、OBゾーンや池に打ち込んだり、直接グリーンを狙えない林の中に打ち込んだりすることなどが該当します。

 クラブヘッドの芯で球を捉えられない人のために、クラブヘッドやネック軸の慣性モーメントが高いクラブで、オフセンターヒットに対応することなどは、事故の安全装置・対策と置き換えることができます。
 
 簡単なクラブになった場合、リスクは低下したと感じるでしょう。

 その結果、以前より飛距離を求めたり、より良いスコアを期待して、より危険な攻略ルートを選択したのでは、一時的に成功することはあっても、長期的な視野でみた場合、事故のリスクが低下しない研究と同様に、スコアもあまり改善しません。

 ゴルフ練習で上達した場合でも、同様の選択をすれば、同じことが言えます。

 先の理論の結論から、せっかくの道具の進化や腕前の上達をスコアに繋げるには、リスクの許容水準を引き下げる方策が必要だとわかりました。

 プロゴルファーと同じように、将来の明るいヴィジョンを明確に描けるとか、プロ意識が持てれば、いいのでしょうが、意識改革の分野に当たるため、アマチュアにとってはなかなか継続して実践するのは難しい課題です。

 それでも、リスクの許容水準を引き下げが、安全に繋がることを知っただけでも、多少は効果があるかもしれません。

 まず、すぐにできそうなことから考えてみましょう。

 ハザードなどの危険なエリアを確認するばかりでなく、次打が打ちにくいアングルになるエリアに注意を払うなど、危機意識を高めるのもいいでしょう。

 以前に、人は自分の技量を高く見積もり過ぎる傾向があるとお伝えしました。

 プロゴルファーであっても、パットの成功率を15%以上も高く誤認しているという内容でした。

 この15%を一つの目安として、コースマネジメントにおける安全マージンを増やしてみてはいかがでしょうか?

 自分が感じているよりも、方向・距離の誤差が15%以上抑えられるようなクラブ選択やエイミングを試してみてください。

 きっと、いいことが起こりますよ。

 道具の進化と練習成果をスコアに反映させるには、リスクの許容水準を引き下げる方向にコースマネジメントする必要があるというお話でした。


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