FC2ブログ
                           人気ブログランキングへ 

熟達志向とは?〔ゴルフ用語説明〕

2018年09月21日 09:02

  熟達志向(mastery orientation) とは ・・・

 試合に勝ちたいとか、名声を得たいとか、賞金を得たいなどという利己主義的な目標ではなく、純粋に技術を極めることを目的とした目標にこそ興味を抱く考え方のことを言います。

 将棋やチェスなどの様に、自己の戦略が他人の戦略に直接的な影響を及ぼす対戦ゲームとは違って、ゴルフという競技においては、他者を蹴落とす戦略よりも、自己のプレーに集中することが何よりも求められます。

 ライバルの失敗を望めば、その思い描いた悪いイメージに反応するのは、自分の脳に直結した自身の身体だということです。

 脳はイメージしたことに対して、目的を達成できる手段を瞬時に検索するという優秀さを示すとともに、その行為の主体を理解したり、否定語を理解したりするのは酷く苦手で、融通が利かないものだということを理解してください。

 他人に向けた「ミスをしろ!」であっても、自分への命令としてイメージ処理されます。

 「池に入れたくない!」と考えれば、その否定語を無視して、「池に入れる方法を探れ!」という意味に脳には判断されてしまうというわけです。

 ですから、自分自身がやるべきことだけに集中し、その際、否定語で考えるのではなく、肯定語で思考し直すことがゴルフでは必須とされています。

 名声を得たいという想いもまた、自分を苦しめることになります。

 他人から称賛されたいと望めば、望むほど、自分に完璧さを求めるあまり、失敗が許されない状況を自らが作り出す結果となります。

 常に完璧を求めてしまえば、どんなに技術的に高いレベルにあったとしても、小さなミスでもボディーブローのように蓄積し、いずれは自信も意欲も失われていきます。

 人が生物である以上、生命維持の必要性から派生した生理的な反応が生じるため、ストレスやプレッシャーを無くしたり、全く感じなくするというのには無理があります。

 家族を養わなければならないという理由で賞金が欲しい場合などには、それこそ切実な問題ですし・・・。

 それでも、心拍数や血圧の上昇といった生理的反応をプレッシャーと感じつつも、恐怖という感情とは結び付けずに、切り離して捉えることも可能であり、冷静なプレーにはそれが必要となります。

 競技の種類によっては、逆にこうした生理的反応を最高の身体的パフォーマンスを引き出すために必要だとする考え方もできるくらいです。

 確かに、大人が人前で失敗すれば、恥ずかしいと感じるのはごく自然な反応ですが、そもそも、人は生まれた時から死ぬまでの間、失敗せずに過ごすことなんてできないのも事実。

 全知全能の神様が失敗したのであれば、力の衰えに愕然として肩と落とすかもしれませんが、人がゴルフで一つミスを犯したからといって、落ち込む理由が見つかりません。

 それこそ赤ちゃんの頃から失敗の連続、試行錯誤の過程そのものが人生のはずですから。

 幼い頃は、誰しも無意識に熟達志向が働き、失敗から全てを学んでおり、そこには失敗に対するプレッシャーというものは存在しません。

 プレッシャーというものは、自分の考え方次第ということです。

 ゴルフをプレーすること自体が大好きで、純粋に技術を高めるとか、ゴルフに関するどんな些細なことも知りたいと望む心さえあれば、失敗を失敗と認識することすらなく、成功するまでの過程の一部と見なしてやり過ごすことができるわけです。

 失敗にショックを受けて立ち止まるどころか、失敗を更に先へ進むための糧としてしまうわけですから、熟達志向者の上達スピードが如何に凄まじいかがわかります。

 普通なら子供の上達スピードに敵わないのが道理ですが、幸いにしてゴルフにはそれこそ、大人を虜にして子供の頃に戻してくれるほどの面白さがあります。

 心の底からプレーを楽しみ、何よりも上手になりたいという願望を持ち続けるだけで、絶えざる向上心が芽生え、改善に次ぐ改善に対する一切の歯止めが無くなります。

 それこそ、あらゆる困難や不運すらも、自分を試す絶好の機会と捉えるようになってきます。

 競争する相手が過去の自分やコースとなるため、次第に周囲の目が気にならなくなり、他人のスコアも気にならなくなるばかりか、見栄や欲とも無縁になって、究極的には自分のスコアすらも忘れてプレー自体に没頭できる『ゾーン』まで行き着きます。

 熟達志向の考え方は、外的要因に晒されて複雑に考えてしまうあまりに難しくなりがちなゴルフを、よりシンプルなものに戻してくれるというわけです。

 ゴルフ最強の武器である『ゾーン』の存在が、才能を必要とせずとも、ただただゴルフが好きという想いの先だけにあるというのは、ゴルファーにとって唯一の救いなのかもしれませんね。


 ゴルフ用語説明 さ行 カテゴリ〔サイトマップ〕へ戻る
 サイトマップ〔トップ〕へ戻る
スポンサーサイト



最新記事