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対戦相手の失敗を望む心が引き起こす結末

2017年08月26日 08:04

 世界的な主要大会で日本人選手が優勝争いに絡んでいるような状況では、必ずと言っていいほど、テレビ中継の解説者やアナウンサーが優位に立っている外国人選手の失敗を望むかのような発言するのをよく耳にしますよね。

 発した当人も「こんなことを言ってはいけないとは思うけれども」と弁解しつつ発言されていることが多いので、マナー違反であることは重々承知の上のことのようです。

 だったら尚更、公の場で口にするべきではないと感じる次第ですが・・・。

 ルールブックでも先ず第1章でエチケットの項目を設けているゴルフにあっては、こうした精神性の問題が一番大切であるはずなのですが、こういった苦言は、必要な人には届かず、充分理解して聞く必要のない人の耳にしか届かないのが世の常であることも理解しているつもりです。

 少し目線を変えて、スコアの悪化というゴルファーが最も興味を示す弊害について、話を進めてみましょう。

 もし、仮に優勝争いしている最中に選手自身が同様の感情を抱いたとします。

 「ここで相手がミスしてくれたらなぁ!」と想うと同時に、その選手の頭の中には過去に本人が経験した失敗か、もしくは誰かしらの失敗のシーンが想起されることになります。

 この失敗のイメージを対戦相手の頭の中に生じさせることができるのであれば、思惑通り、相手を陥れることができるかもしれませんが、実際にイメージしているのは当のご本人です。

 人間の脳は、ある意味、優秀であるため、自分の頭の中でのイメージされたものを実現するための最善の方策を無意識で練り上げてくれます。

 ある意味としたのには理由があり、その効果の対象を理解する機能を持ち合わせていないからです。

 普通の人間には人の行動を操るという機能など備えていません。

 頭の中でイメージしたことは自分がすべきことがその中心なわけですから、脳は自分の行動において実現可能な方法を模索することになります。

 つまり、相手の失敗をイメージすれば、その対象は抜け落ち、過去の経験から自分が失敗するための最善策を的確に選び出してくれるというわけです。

 これが平時であれば、比較的冷静でいられるため、自身のショットを打つ前までに、プレショットルーティンなどを通じて、成功イメージに上書きすることも可能です。

 ですが、如何せん、そこは熾烈を極める緊迫した優勝争いの場。

 普段は何気ない当たり前のことが当たり前でなくなってしまう場面です。

 ショットの技術と同様、イメージトレーニングも長年に渡って日頃から続けている人でなければ通用せず、付け焼刃が通ずる状況ではありません。

 更に、脳の機能としては、負の感情であれ、正の感情であれ、想いが強ければ強いほど、明確なイメージになるため、その実現に向けた明確な答えが用意されることになります。

 相手の失敗を強く望めば望むほど、自分の失敗となって還ってくることが確実になるだけです。

 また、それ以前に、相手の失敗を望んだ結果、相手が好プレーをした場合、自分の期待に反した結果となり、少なからずがっかりするものです。

 そもそも対戦相手の行動というものは、自分がコントロールできる範疇のものではありません。

 自分の能力が及ばない範囲外のことであるにもかかわらず、それをコントロールしようとすれば、期待通りにならず、ストレスが増すだけです。

 ストレスに押し潰されてしまう人は、こうした人の手の届かない範疇のことをコントロールしようとする傾向が強く、当然の帰結として、相当運の良い人であっても、最終的には必ず失敗するというわけです。

 一流選手と言われる選手の中には、こうした負のスパイラルに陥らないために、あらゆる失敗のイメージを日頃から払拭しようと努力している人もいます。

 全盛期のタイガー・ウッズがそうであったように、たとえ対戦相手の動向に関しても、失敗を望むようなことはせず、むしろ対戦相手の好プレーを心の底から望んでイメージする訓練がされているほどです。

 加えて、相手の好プレーに負けないように、自身がそれを超えるファインプレーを明確にイメージできるようにも訓練しているというわけです。

 これは他人の失敗を望むのとは違って、良心の呵責がなく、心の重しとはならないので、精神衛生上も好ましいと言えます。

 ストレスがスコアに影響するゴルフにあっては、存外に大事なことです。

 ツアーとしても、互いにミスを重ねて、ミスの少ない人が優勝者となるよりも、好プレーの応酬の末、より見事なプレーをした人が優勝の栄冠に輝く方が盛り上がることは言うまでもない話。

 大してゴルフに興味がなかった人をも巻き込むほどの魅力がなければ、ツアー人気の活性化には繋がりません。

 しょぼい結末では、下世話な話、スポンサーからの賞金も期待できないというものです。

 さて、日本の女子ツアー人気が高いのは、選手・解説者を通じて、常日頃から細心の注意が払われ、こうした不適切なコメントが少ないことも要因として考えられます。

 こうしたメンタル面での取り組みは、すぐに効果が現れることはありませんから、長い年月をかけて、指導する側・される側の双方が精神面での教育に取り組んできた成果と言えるでしょう。

 是非とも、心の底から相手の好プレーを望むスタイルを真似て、精神面とスコア面の両面において、上級ゴルファーの仲間入りを目指したいところであります。


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