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プロゴルフトーナメントでホール上部を白くペイントする理由とは?!

2017年06月03日 11:06

 テレビ中継されているプロゴルフトーナメントを観戦しているとき、普段プレーしているときよりもホールカップが白く際立っていると感じた方もいるかと思います。

 これはけっして気のせいではありません。

 ゴルフ規則で決められているとおり、規定のサイズでグリーン上にホール用の穴が開けられます。

 ルールでは直径4.25inch(108mm)、深さ4 inch(101.6mm)以上の穴となっています。

 この穴の中にピンフラッグを立てるためのカップが埋め込まれるのですが、そのカップはグリーン面よりも1inch(25.4mm)以上は下になくてはならないとも決められています。

 グリーン面とカップの間には1inch(25.4mm)以上の切り取られた地面が露出しているわけです。

 当然のことながら、露出した地面の色は土色です。

 広いグリーンで遠く離れて、この土色の穴を見た場合、少し見えにくくなりますよね。

 そのため、プロのトーナメントでは、この露出した土の部分を塗料のスプレーで白くペイントして、遠くからでも視認しやすくしています。

 でも、本当に理由はそれだけなのか?

 実は見落としがちな効果がもう一つあります。

 それは乾燥による収縮の防止という側面です。

 日本とは違い、米国PGAトーナメントでは広い国土で、なおかつ数か国にも渡って、様々な場所でトーナメントが開催されるため、気候が温暖な地域もあれば、寒冷な地域、湿潤な地域、乾燥した地域など変化に富んでいます。

 また、数多くのプレーヤーがラウンドし、早朝から日没近くまで長時間に渡って、プレーが続けられることも少なくありません。

 高緯度の地域では、夏場には日没までの時間が長く、日没サスペンデットが午後8時を過ぎることだってあるくらいです。

 グリーン面に切り抜かれたホールの断面は、その長い時間、空気に晒され、時間とともに乾燥していきます。

 そして土は乾燥すると縮む性質があります。

 芝の育成用にグリーンの下には砂を中心とした土壌で作られているため、乾燥によって、縮むイメージは無いかもしれません。

 ただし、砂を主体とするUAGA方式のグリーンであっても、一定の割合でシルトや粘土も含まれています。

 また、日常の芝草管理として、芝刈りで生じた芝かすは取り除かれるのですが、完全には取りきることはできないので、サッチとして地面に溜まってきます。

 サッチなどの有機物が微生物に分解される際には、多糖類が生成され、土の粒子を粘着させる効果も。

 グリーン面の表層近くでは、時間が経つにつれ、こうした土壌の団粒構造が形成されていき、砂よりも土としての性質が顕著になってきます。

 こうした粘性が高い土では粒子が層状に張り付いた状態になっており、乾燥すると端が反り上がるように縮む性質があります。

 グリーン面に切り抜かれたホールの断面が乾燥して縮むと、少なからず、パッティングにも影響してくるというわけです。

 ホールの大きさが幾分大きくなる反面、反りかえって縮むため、均一にはならず、弱いタッチのパットはホールの縁の手前で左右に弾かれることもあるでしょう。

 日本のような湿潤な地域では、目に見えて誰でも違いがわかるほどの乾燥はしないはずですが、乾燥地帯でかつ日没までの時間が長い場合には、スタート時間が早い組と遅い組ではかなりの違いが生じるはずです。

 そうした変化を最小限に抑えるためにも、露出した土の部分を白くペイントし、表面からの乾燥を防ぐとともに、白色は日光に含まれる赤外線の波長域を反射して、土壌への熱の蓄積を抑えることにもなるので、更に乾燥を和らげる効果も期待できるというわけです。

 気象条件などの日内変化は自然なものですから、どんなに変化したとしても神の所業ゆえに不公平だと詰ってもしかたがなく、ゴルフの中では許容されてもいます。

 ただし、ホール自体は人が切り取って作ったものだけに、不公平とならないように、こうした配慮もときには必要となるかもしれません。


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