人気ブログランキングへ 

捻転差の大きさよりも飛距離アップに貢献してくれるものとは?

2017年03月01日 09:19

 飛ばし屋のスイング解説をする場合、必ずと言っていいほど取り上げられるのが下半身と上半身の捻転差。

 実際のところ、捻転差がゴルフスイングにとって大事であろうことは、誰しも漠然と認めるところでしょう。

 でも、捻転差に関しては誤解が多いものです。

 そのひとつが下半身と上半身の捻転差が大きいほど飛ぶと勘違いされている点。

 一般的に捻転差と云った場合、トップポジションで、ヒップターンによって腰が右に約45度回転した状態とソラックスターンによって肩が右に約90度回転した状態との約45度の角度差のことを思い浮かべることでしょう。

 これはこれで意味のあることなのですが、飛ばし屋に共通する捻転差とは別物です。

 もし、捻転差を大きくして飛ばそうとする意図で、ショットをする前にストレッチを行っているとしたら、大問題です。

 運動する1時間以内に可動域を広げる静的ストレッチをしてしまうと、一般的にスピードに関するパフォーマンスは低下してしまうことが、運動生理学の分野では常識となっています。

 こういう急性的な可動域の拡大は、飛距離アップには貢献してくれないばかりか、害にすらなります。

 それでは飛ばしに貢献してくれる捻転差とは何なのか?

 そもそも下半身と上半身の捻転差とは、下半身が上半身よりも先行する下半身リードによって生じるものです。

 ただし、スイング軌道の再現性を目的とするものとスイング加速のためのものとでは、下半身リードの性質も異なります。

 どちらも『引く』ことのメリットを主眼としたものですが、スイング軌道の再現性のための下半身リードでは、スイング中終始、捻転差が維持され続けるのに対し、スイング加速のための下半身リードでは、一時的に捻転差に小さな変化が生じます。

 この変化する捻転差は、左腕から左広背筋にかけての部分の伸びによるものです。

 模範的とされる切り返しの動作では、トップに至る前、クラブがバックスイング側に動いている最中に、下半身はクラブの運動方向とは反対側に先行して動き出します。

 この時、バックスイング側にまだ慣性移動しているクラブとは反対方向へ動きを下半身が導くことによって、主に身体の左腕と左広背筋の部分が両方向へ引き伸ばされることになります。

 これがいわゆる切り返しの『間(ま)』というものです。

 『間』と言うと、トップポジションで1拍待ってから打ちに行くイメージを持つかもしれませんが、仮に1拍待てば、その間もクラブは慣性で進み続けるので、トップポジションを通り越してクロスオーバーしてしまいます。

 『間』と云うのは、待つ際にできるものではなく、はたまた同時に動くどころか、バックスイングの最中に下半身が動き出す際にできるものとイメージし直してくださいね。

 クラブがまだバックスイング中に下半身が動きだしても、身体が引き伸ばされるので、傍から見ると、一瞬止まったように見える『間』が生じるだけです。

 とはいえ、引き伸ばされる伸び代部分は腱の部位だけですから、捻転差と呼ぶには余りにも小さな変化ではあります。

 それでも、上半身と下半身を同時に切り返した場合とは比べ物にならないくらいの威力を発揮してくれます。

 以前にストレッチ・ショートニング・サイクルとして紹介したとおり、筋肉は単に収縮するよりも、引き伸ばされた後に収縮した方が大きな筋力を発揮できます。

 それは筋出力と発動レベルが反比例する7つの筋肉の種類に着目し、遅筋よりも発動しにくいが、収縮速度の速い速筋を稼働させるための方策でした。

 ここで重要なのは筋出力の違いだけでなく、力の働く方向も大事です。

 単に下半身と上半身の捻転差を大きくしようとして、無理やり身体の力で捻りあげても、それが戻る際に、その力は飛球線とは正反対の方向に向い、遠回りの軌道を描き過ぎるため、ダウンスイング側へ加速させることは方向的に難しくなります。

 これに対して、慣性移動しているクラブの運動を利用すれば、クラブの慣性エネルギーが消費された瞬間に、左広背筋に引かれて、身体の近くを腕が内回り軌道で下りてくるため、ダウンスイング側へ加速させることが方向的にも容易になります。

 下半身リードの感覚を掴むのには、上下で引っ張り合いをするイメージで動作を開始することが大切です。

 上半身と下半身が同時に動いてしまっている人は、開始のタイミングが遅過ぎます。

 クラブが真上に上昇しているイメージの時に、膝から力を抜いて身体全体が落ちる自然落下するイメージで、身体が上下に引っ張られる感覚を掴むくらいで丁度良いかもしれません。

 これができると、次の行程のクラブが自然落下させることもできるようになり、ハーフウェイダウンのポジションまで上半身が打ちにいかずに済むため、そこまでタメを深く維持することができるメリットもあります。

 もし、飛距離を伸ばしたいと考えているのなら、捻転差を大きくしようとするよりも、クラブの慣性力を利用した下半身リードを身につけてみてくださいね。


 飛距離アップテクニック カテゴリ 〔サイトマップ〕
 サイトマップ〔トップ〕へ戻る
スポンサーサイト



最新記事