2017年02月12日 11:00
動き回って逃げることのできない植物は、進化の過程で、動物に食べ尽されないように身を守る化学物質を自ら生成することができるようになったものがいます。
生姜もそんな植物のひとつ。
熱帯アジアが原産地の多年生草本で、インドや中国では紀元前300~500年頃というかなり古くから薬として利用されています。
生の生姜をそのまま乾燥させただけの『生姜(しょうきょう)』、生姜の皮を剥いて蒸した後、乾燥させたものが『乾姜(かんきょう)』という漢方薬の形で処方されています。
冬になる度に健康番組で何度も取り上げられているとおり、生姜の有効成分として、ジンゲロール(gingerol)とショウガオール(shogaol)の二つがよく知られているところです。
ジンゲロール(gingerol)は英語の生姜に該当する『ginger(ジンジャー)』に由来し、ショウガオール(shogaol)の方は、日本語の『生姜(しょうが)』に由来 しています。
ジンゲロールは生の生姜に含まれる辛み成分ですが、酸素に弱いので酸化しやすく、加熱・乾燥することで、より刺激の強いショウガオールに変化します。
どちらも血管を拡張する機能では共通しています。
生の生姜を食べると、汗ばんで身体が温まると感じますが、身体がすぐ温まる反面、その後、発汗作用によって身体を冷やす効果があるため、ジンゲロールの身体を温める機能は一時的なものとなります。
身体を温める効果としては、漢方薬の『乾姜(かんきょう)』が処方されるように、加熱・乾燥でジンゲロールから変化したショウガオールの方が適しています。
ショウガオールは胃腸の血管を拡張するため、内部から身体を温める効果があり、その持続時間も3~4時間と長く続きます。
平均体温が1℃下がると免疫機能は約30%下がると言われていますし、まさに免疫機能の大部分を担う小腸を温めることからも、風邪予防にもなります。
ゴルフのストロークはある意味全てがコントロールショットであり、力任せに振って終わりといった類のものはひとつもありません。
デリケートなゴルフで一番の問題となるのは、手足の指先がかじかむといった末梢部分の冷え。
手先・足先の冷えというのは、免疫機能の大部分を担っている腸内温度を維持するため、末端の血流を抑えた結果とも言われています。
ショウガオールによって胃腸が温められると、深部体温を上げるため、結果的に末梢への血流抑制も解消されて、冷え性の改善にも繋がるというわけです。
こうした血管拡張効果は、プロスタグランジンの働きを抑えることによるもの。
プロスタグランジンは、体内に細菌が侵入した際に炎症・発熱を引き起こすホルモン様物質ですが、血管を収縮させたり、血小板の粘性を高めたりする働きもあります。
プロスタグランジンが過度に働くと、血行不良の原因となると考えられており、この作用を抑えることによって、血管を拡張し、血流を改善することができるわけです。
この血行の改善は、緊張しやすい首や肩の筋肉にも好影響を与えます。
ショットの力みは首や肩の筋肉の緊張から生まれますからね。
また、首・肩の緊張を和らげる効果から、自律神経の興奮を抑え、中枢神経の興奮状態やストレスを軽減してくれる効果も期待できます。
普段のストレスを解消するためにゴルフ場に来ている方が多いのでしょうが、自身や他者のプレーからストレスを感じてしまうのもゴルフ。
そんなストレスの緩和にも生姜は役立ってくれるというわけです。
ゴルフでの生姜のデメリットと言えば、体重減少効果の部分。
ゴルフツアーで活躍し出した太った選手は露出が多くなるにつれて、見た目を気にしてダイエットする人がいます。
ダイエットに成功しても、成績不振に陥ってしまうため、体重を戻すケースが多々見受けられます。
ゴルファーにとって体重減少は、地面反力が低下することから飛距離が落ちるだけでなく、捻転系の怪我予防の観点で、かなりのマイナスとなるからです。
ただ、生姜のダイエット効果は、代謝の促進によって、エネルギー消費量が増加することですが、反面、脂肪の吸収も高める効果があるのが救いです。
これはジンゲロールが胆汁の分泌を促進するためです。
胆汁酸は消化管での脂肪を乳化して、脂肪と脂溶性ビタミンの吸収を高める働きがあるので、ここまでのダイエット効果はプラスマイゼロといったところ。
胆汁は、肝臓で生成されて胆のうで蓄えられている消化液で、コレステロールを材料として作られます。
胆汁が分泌された分を補うために、新たに胆汁が生成される際には、体内のコレステロールが消費され、一時的に血中のコレステロール値を低下させますが、コレステロールは小腸で再吸収されリサイクルされているので、ここでも往って来いです。
ただし、先に述べたようにジンゲロールには抗炎症作用があります。
脂肪細胞が炎症を起こすことによって、インシュリンの効きに関与するアディポサイトカインの分泌が異常をきたし、その結果として肥満に繋がるという研究があります。
炎症そのものを抑えるジンゲロールは、現に太り過ぎている人にとっては、この点でダイエット効果がありそうです。
皮下脂肪が有利に働くゴルフにとっては、ここが若干のデメリットになるかもしれませんが・・・。
それでも、寒い冬、代謝による発熱量を増やし、健康的な程度の脂肪の吸収によって保温効果も高めてくれるので、生姜が冬ゴルフには欠かせないことは間違いありません。
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【ガッテン流ウルトラしょうがの作り方】
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生姜もそんな植物のひとつ。
熱帯アジアが原産地の多年生草本で、インドや中国では紀元前300~500年頃というかなり古くから薬として利用されています。
生の生姜をそのまま乾燥させただけの『生姜(しょうきょう)』、生姜の皮を剥いて蒸した後、乾燥させたものが『乾姜(かんきょう)』という漢方薬の形で処方されています。
冬になる度に健康番組で何度も取り上げられているとおり、生姜の有効成分として、ジンゲロール(gingerol)とショウガオール(shogaol)の二つがよく知られているところです。
ジンゲロール(gingerol)は英語の生姜に該当する『ginger(ジンジャー)』に由来し、ショウガオール(shogaol)の方は、日本語の『生姜(しょうが)』に由来 しています。
ジンゲロールは生の生姜に含まれる辛み成分ですが、酸素に弱いので酸化しやすく、加熱・乾燥することで、より刺激の強いショウガオールに変化します。
どちらも血管を拡張する機能では共通しています。
生の生姜を食べると、汗ばんで身体が温まると感じますが、身体がすぐ温まる反面、その後、発汗作用によって身体を冷やす効果があるため、ジンゲロールの身体を温める機能は一時的なものとなります。
身体を温める効果としては、漢方薬の『乾姜(かんきょう)』が処方されるように、加熱・乾燥でジンゲロールから変化したショウガオールの方が適しています。
ショウガオールは胃腸の血管を拡張するため、内部から身体を温める効果があり、その持続時間も3~4時間と長く続きます。
平均体温が1℃下がると免疫機能は約30%下がると言われていますし、まさに免疫機能の大部分を担う小腸を温めることからも、風邪予防にもなります。
ゴルフのストロークはある意味全てがコントロールショットであり、力任せに振って終わりといった類のものはひとつもありません。
デリケートなゴルフで一番の問題となるのは、手足の指先がかじかむといった末梢部分の冷え。
手先・足先の冷えというのは、免疫機能の大部分を担っている腸内温度を維持するため、末端の血流を抑えた結果とも言われています。
ショウガオールによって胃腸が温められると、深部体温を上げるため、結果的に末梢への血流抑制も解消されて、冷え性の改善にも繋がるというわけです。
こうした血管拡張効果は、プロスタグランジンの働きを抑えることによるもの。
プロスタグランジンは、体内に細菌が侵入した際に炎症・発熱を引き起こすホルモン様物質ですが、血管を収縮させたり、血小板の粘性を高めたりする働きもあります。
プロスタグランジンが過度に働くと、血行不良の原因となると考えられており、この作用を抑えることによって、血管を拡張し、血流を改善することができるわけです。
この血行の改善は、緊張しやすい首や肩の筋肉にも好影響を与えます。
ショットの力みは首や肩の筋肉の緊張から生まれますからね。
また、首・肩の緊張を和らげる効果から、自律神経の興奮を抑え、中枢神経の興奮状態やストレスを軽減してくれる効果も期待できます。
普段のストレスを解消するためにゴルフ場に来ている方が多いのでしょうが、自身や他者のプレーからストレスを感じてしまうのもゴルフ。
そんなストレスの緩和にも生姜は役立ってくれるというわけです。
ゴルフでの生姜のデメリットと言えば、体重減少効果の部分。
ゴルフツアーで活躍し出した太った選手は露出が多くなるにつれて、見た目を気にしてダイエットする人がいます。
ダイエットに成功しても、成績不振に陥ってしまうため、体重を戻すケースが多々見受けられます。
ゴルファーにとって体重減少は、地面反力が低下することから飛距離が落ちるだけでなく、捻転系の怪我予防の観点で、かなりのマイナスとなるからです。
ただ、生姜のダイエット効果は、代謝の促進によって、エネルギー消費量が増加することですが、反面、脂肪の吸収も高める効果があるのが救いです。
これはジンゲロールが胆汁の分泌を促進するためです。
胆汁酸は消化管での脂肪を乳化して、脂肪と脂溶性ビタミンの吸収を高める働きがあるので、ここまでのダイエット効果はプラスマイゼロといったところ。
胆汁は、肝臓で生成されて胆のうで蓄えられている消化液で、コレステロールを材料として作られます。
胆汁が分泌された分を補うために、新たに胆汁が生成される際には、体内のコレステロールが消費され、一時的に血中のコレステロール値を低下させますが、コレステロールは小腸で再吸収されリサイクルされているので、ここでも往って来いです。
ただし、先に述べたようにジンゲロールには抗炎症作用があります。
脂肪細胞が炎症を起こすことによって、インシュリンの効きに関与するアディポサイトカインの分泌が異常をきたし、その結果として肥満に繋がるという研究があります。
炎症そのものを抑えるジンゲロールは、現に太り過ぎている人にとっては、この点でダイエット効果がありそうです。
皮下脂肪が有利に働くゴルフにとっては、ここが若干のデメリットになるかもしれませんが・・・。
それでも、寒い冬、代謝による発熱量を増やし、健康的な程度の脂肪の吸収によって保温効果も高めてくれるので、生姜が冬ゴルフには欠かせないことは間違いありません。
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