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飛距離アップテクニック カテゴリ 〔サイトマップ〕

2001年01月02日 00:01

シャフト打ちとナイスショット
   ・・・ ナイスショットの感覚を味わう方法

捻転とナイスショット
   ・・・ 身体を痛めない股関節捻転

シャフトのしなり戻りはリリースのタイミングでナイスショット
   ・・・ 上級者の高打ち出し角と飛距離の秘密

てこの原理でナイスショット
   ・・・ 第1、第3種”てこ”を利用したスイング加速

慣性モーメン的に有利なスイングのタメでナイスショット
   ・・・ スイングを慣性モーメントでみてみよう!

ヘッドスピードはアドレス次第で変化する?!
   ・・・ あごを上げてスピードアップ!!

ヘッドスピードを上げるために、最初に覚えることは?
   ・・・ スピードアップはどんなタイミングで?どの方向に?

ゴルフのスポーツオノマトペで飛距離アップ!距離感アップ!
   ・・・ 声を発するだけで飛距離を伸ばす!パターの距離感も合う!

ドライバーの飛距離を伸ばすティーアップの高さとは?
   ・・・ ドライバーのフェース厚を測って、自分に最適なティーアップを!

ヘッドスピードを上げる感覚・コツを掴むには?
   ・・・ 手首のスピードアップのタイミング・コツが勝手に身につく方法

女性・飛距離が出ない人が陥りやすいハンドレートの原因とは?
   ・・・ アルファベットの『Y』字ではなく、『y』字がポイント

満振りしても飛距離が伸びない理由とは?
   ・・・ リズム勝るスピード無し

バックスイングがその機能を発揮するためには?
   ・・・ 弾性エネルギー&伸張反射&サイズの原理 3つの働き

中指と薬指中心でグリップしなさいと言われる理由とは?
   ・・・ キネティックチェーンの基礎!慣性モーメント変換による加速

ゴルフではなぜ片手にしかグローブをしないのか?
   ・・・ 道具としての鈍感さ、動力としての器用さ

バックスイングを活かすも殺すもダウンスイングの張り次第
   ・・・ リリースまで続く一連の反動動作

ヘッドスピードを上げようとする練習に伴う危険とは?
   ・・・ 筋トレがスピード低下、ミスショットを引き起こさないために

上半身だけ鍛えても飛距離が伸びない理由とは?
   ・・・ 全ての力は『作用・反作用の法則』から

フォローの風では思ったほど飛距離が出ない理由とは?
   ・・・ 風の影響で揚力に消費されるエネルギー量が変化する

何かと誤解の多い『左の壁をつくる』とは?
   ・・・ 遠心力に耐えうる求心加速度を得るためにも

ローリー・マキロイ選手に代表されるツイスト動作とは?
   ・・・ 回旋を追い越してしまうほど速すぎる踏み込み動作

脇が締まったスイングとは?
   ・・・ ボディターンスイングの秘訣のひとつ

スイングアークを大きくするとヘッドスピードは上がる?落ちる?
   ・・・ 小さくするサイドと大きくなるサイド

オーバースピードトレーニングを行う際の注意点とは?
   ・・・ 鍛え上げられた肉体 & 疲れていない状態 & 最大スピード+5%

ゴルフでの臍下丹田の使い方
   ・・・ スイングバイできるかどうかが分かれ目

『舌を出すと手が伸びる』裏技でスイングスピードが速くなる!
   ・・・ タイミング良く、スイングアークを大きくする裏技

ヘッドスピードアップには腕の運動量を下げること
   ・・・ 運動連鎖と関節の滑らかさがあってこそ

ヘッドスピードの裏に隠れる±α的要素
   ・・・ ヘッドスピードを損しないために

インパクト前にタメが解けてしまうのは?
   ・・・ フィンガーグリップの基節押しがポイント

これが無いから飛ばない!?形よりも大事なグリップワーク
   ・・・ 大事なのに間違いと感じてしまう曲者的技術

下半身と上半身を別々に動かすのは?タメのキーポイント!
   ・・・ 肩を動かした瞬間からリリースは始まる

最初から丸く振ろうとしてはいけない理由とは?
   ・・・ 直線の数を増やしてスイングを加速する

捻転差の大きさよりも飛距離アップに貢献してくれるものとは?
   ・・・ クラブの慣性と身体の自然落下で引っ張り合う

スイングの美味しいところを利用しないのは損!?
   ・・・ リリースの瞬間は誰でもワープするほど速い

飛ばし要素となる前傾姿勢とは?!
   ・・・ 前傾姿勢は保つのではなく、積極的に変化させる

素振りは実際に打つときよりもヘッドスピードが速いのが正解!
   ・・・ 素振りと実打の値を比較してこそわかること


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シャフト打ちとナイスショット

2010年01月23日 20:42

 前回、スイングリズムが安定しないうちは、ボールを芯で捉えることが難しいと説明しました。

 現在、自分のスイングがどの程度のレベルなのかを確認してみましょう!!

 一般的な確認方法ですが、ショットマーカーを利用する方法が簡単です。

 練習場などの安全な場所で、市販のショットマーカーをクラブフェースに貼って、普段どおり、ゴルフボールを打ってみて下さい。

 ショットマーカーに付いたボールの跡がクラブフェースのどこに付いたかを見て、インパクトでボールをどこで捉えているかを判定します。

 まず、普段どおりのスイングでショットマーカーの跡を確認せずに5回程度繰り返しゴルフボールを打ってから、ボールの跡を確認してみましょう!!

 いかがでしたか?

 自分の想像していたよりは、ずっとボールの跡が似た様な場所に集中していると思いませんか?

 ゴルフスコアに関わらず、ある程度の年数ゴルフを練習してきた方なら、スイングにある一定の癖がついているはずです。それが良い癖か、悪い癖かは別として。

 クラブフェースのトウ側にボールの跡がコンスタントに付いた場合は、スライスボールばかりの人にこの傾向が強いと思います。

 スイング軌道が少なからずアウトサイドインのカット打ちになって、腹切スイング状態になっている可能性があります。

 トウ側にボールが集中した方でスライスを持ち球にしていて、今更スイングを変えるつもりがないとお思いの方には、シャフト打ち(私が勝手に命名)をお薦めしています。

 人間の感覚に正直な道具は、バットやテニスクラブなどグリップの延長線上に重心がある道具だと前回説明しました。

 この感覚を利用して、いっその事、アドレスする時からボールに対してクラブソケット部分をセットして構えます。

 シャフトを刀に見立てて、シャフトでゴルフボールの中心を切る つもりでスイングしてみて下さい。

 ソケットに当たってシャンクしてしまいそうで怖いかもしれませんが、勇気を持って試してください。

 普段からトウ側にしか当たらない人は、ソケットに当てようとしても当たらず、クラブの芯でジャストミートしてしまいます。

 図らずもストレートボールを打てたのではないでしょうか?

 少し邪道な方法ですが、芯でボールを捉えた感触をよく味わってストレートボールの気持ち良さを再認識していただきたいための提案です。

 ※この練習は、コンスタントにトウ側でボールを捉えており、且つゴルフ保険に入っている方限定で、万が一のため安全な状況を確認した上で行って下さい。


 シャフト打ちで ナイスショット!!


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捻転とナイスショット

2010年06月28日 18:53

 タイガー・ウッズの登場以来、圧倒的な飛距離を目の当たりにして、それに対抗するため、他のプロゴルファーも彼に習って筋トレに励み、プロゴルフは日増しにアスリート競技としての性質が強くなってきました。

 タイガー・ウッズトップオブスイングにおける写真を見ると、あまりにも立派な広背筋に目を惹かれて、体を鍛えあげて自分もあんなスイングがしてみたいと憧れてしまいます。

 タイガー・ウッズの驚異的飛距離の要因として、上半身と下半身の捻転差によるパワーがよく挙げられています。

 捻転差がパワーを生むと聞くと、捻転差が大きければ大きいほどより飛距離アップに繋がると単純に考えて、下半身を止めて一所懸命に腰だけを捻って飛ばそうとしている光景をよく目にします。

 結局、求める飛距離は得られずに、ギックリ腰などの腰痛だけが残ってしまう事の方が多いようですが・・・。

 腰痛はゴルファーの持病とも言えるので、ある程度は仕方ないとしても、飛距離を求める余り、ゴルフそのものができなくなっては悲しすぎます。

 背骨は頚椎(首の部分)、胸椎(胸の後ろ部分)、腰椎(腰の部分)、仙骨、尾骨の骨で構成されており、胸椎は12個、腰椎は5個の骨が椎間板をはさんで積み上がる形状なので、それぞれが少しずつ回旋することができますが、腰だけを極端に素早く捻る動きは故障の原因となります。

 それでも飛距離アップを諦めたくはありませんよね。

 どうすればよいでしょうか?

 飛距離を追求しつつ腰を痛めないためには、股関節を積極的に利用した動きで腰を高速回転させるのが体に負担をかけずに済む方法です。

 飛距離アップのドリルでよく知られる『普段どおり前傾姿勢アドレスをして、ズボンの左右のポケットをそれぞれ掴み、バックスイングでは右のポケットを引き、ダウンスイングからは左のポケットを思いっきり引いて腰を切る。』などは、股関節を入れて骨盤を高速回転させる意図のものです。

 トップオブスイングの時には、ズボンの右股関節の部分にボールペンを挟んでも落ちない程度の斜めの深い皺ができるように骨盤を捻り、インパクト以降はズボンの左股関節の部分に深い斜めの皺ができるように骨盤を捻ります。
 フィニッシュでは骨盤が飛球線方向に正対するまで、右太ももを左太ももに寄せていきましょう。

 骨盤と大腿骨の付け根である股関節を基点として、骨盤の回転を意識すれば、極端に腰椎を捻ることがなく自然な腰の回旋となります。

 とは言っても、いきなり無理をして今度は股関節を痛めては元も子もないので、股関節ストレッチを行なって、少しずつ柔軟性を高めながら徐々に高速回転を目指しましょう!!

 また、股関節を意識した回旋には飛距離がのびるという利点の他に、重心の移動が左右の股関節の間で行なわれるため、必要以上の体重移動によるスウェイを防ぎ、回転運動と体重移動の均整がとれたスイングになる効果もあります。


 股関節捻転で ナイスショット!!


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シャフトのしなり戻りはリリースのタイミングでナイスショット

2011年07月30日 10:25

 プロや上級者のショットをハイスピードカメラで撮影すると、インパクトの直前にシャフトが飛球線方向にしなることが観察できます。

 上級者のスイングでは、ダウンスイングの時、リストコックによって腕とシャフトの間にかなりの角度ができることはよく知られています。

 一般的に言うところのタメですね。
 
 このタメをリリースすると、腕の振りが遅くなる替わりに腕の力がクラブに伝わって、クラブヘッドが加速して腕を追い越していきます。

 リリースのタイミングがうまく合った時、クラブと腕の振りの速度差から、シャフトはインパクト前に前方にしなる現象が起こる訳です。

 ドライバーで飛距離を得るには、ヘッドスピードが速く、低スピンで、高い打ち出し角度が求められます。

 上級者の場合、リストコックをタイミングよく解くことによって、クラブヘッドを効率よく加速しつつ、前方へのしなり効果で、ドライバーのロフト以上の打ち出し角を達成しています。

 前方へのシャフトのしなりと聞くと、シャフトが一度後方にしなったものがシャフト自身の弾性でしなり戻って、ヘッドスピードを加速すると誤解しやすいのですが、このしなり戻りはヘッドスピードの加速には寄与しません。

 ここでのシャフトのしなり戻りは、インパクトの時ではなく、インパクトの前には既にしなっている状態のことです。

 そもそも、インパクトでクラブヘッドがボールに接触している時間は、1万分の数秒という世界ですから、インパクトのタイミングに合わせて、しなり戻りを利用することは至難の業、普通の人間には。

 また、このしなり戻りの現象は、初心者のスイングではほとんど観察することができません。

 初心者の場合には、スイングの早い段階でリストコックが解けてしまうことが多いので、シャフトも早い段階で飛球線方向とは違う方向にしなり、インパクトではシャフトのしなり戻りも無くなってしまいます。

 ゴルフクラブの性能を活かすには、正しいリストコックとリリースのタイミングを身につけることが第一です。

 それでも、なかなかうまくいかない人は、先調子のシャフトが装着されたクラブに換えるか、先調子のシャフトにリシャフトすれば、ヘッドスピードとロフト角の不足を少しは補うことができるので、試してみてください。

 ちなみに、リストコックをリリースしないで打つ技術もあります。

 タイガー・ウッズが風の強い状況でよく利用するスティンガーショットがこれに当ります。

 打ち出し角をかなり低く抑えるために、インパクト前にリリースしないことでシャフトのしなり戻りを極力押さえることを利用した打ち方です。

 スティンガーショットはほとんどプロ限定のテクニックですから、まずは正しいリストコックとリリースのタイミングを掴む練習を積んでみてください。


 シャフトのしなり戻りリリースのタイミングで ナイスショット!!

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てこの原理でナイスショット

2011年10月22日 16:20

 今回はスイングを "てこの原理"に当てはめて考えてみたいと思います。

 "てこ"は、第1種、第2種、第3種という3種類の"てこ"に分類されます。

 まず、"てこの原理"と言うと多くの人が連想するのは、木の棒と石を使って大きな岩を動かすシーンあたりでしょうか?

 これは支点が力点と作用点の間にある"第1種てこ"と呼ばれているタイプのものです。

第1種てこ

 この"第1種てこ"では、力点が支点から遠く、作用点が支点に近い場合、力点に加えた小さな力が作用点で大きな力として働いて、大きな岩をも動かせるというわけです。

 ただし、ゴルフスイングで"てこの原理"を利用するには、"第1種てこ"を別の使い方で利用します。

 それは、力点を支点に近くして、作用点を支点から遠ざける方法です。

 この場合には、力点に加えた力が作用点で大きな『可動域』と『速さ』として働きます。

"てこの原理"を利用する場合の注意点として、ヘッドスピード(速さ)を上げたり、可動域を広げたいと考えるのなら、基本的に『力』は損することを受け入れなくてはなりません。 

 "てこの原理"を上手く利用できて、可動域が広がり、ヘッドスピードが加速している場合には、以前よりも重く感じ、力が必要になるのが正解です。

 『力』と『速さ・可動域』のどちらも得する方法は、自然法則にはありません。

 もし、軽く感じるようなら、スピード・可動域を得するタイプの"てこの原理"は利用できていないと考えてくださいね。


 スイングで"第1種てこ"を利用する場合、クラブが腰の高さに上がったバックスイングの中盤以降で行うと有効に機能します。

 グリップしている右手が支点となり、左手を伸ばす動作によって、左手のグリップが力点になるようにクラブを操作することで、右手の力によらずに必要なコックが得られます。
 
 ダウンスイングに入って、クラブを加速する意図で、"第1種てこ"を戻して反対方向に操作しようとすると、左肘が引けるスイングになるだけでなく、コックも早めに解けてしまい、インパクト時にクラブを加速することができません。

 ただし、ダウンスイングに入ってもしばらくの間、コックを維持するために、"第1種てこ"をそのまま使用し続けます。

 ダウンスイングでのスイングの加速には、"第3種てこ"の利用が適しています。

 第3種てこ とは、力点が支点と作用点の間にあるタイプのものですが、運動の速さに有利に働き、物体を速く動かすことができる特徴があります。

第3種てこ

 この"第3種てこ"は、身体の部分でも多く見られます。

 例えば、腕の曲げ伸ばし動作では、骨格筋が動力として働きます。

 骨格筋は文字通り、両端が骨に接続した筋肉で、骨と筋肉の付け根である腱の部分が力点となります。

 骨と骨を繋ぐ関節が支点となり、筋収縮による力によって、骨を動かすといった具合です。

 身体の素早い動作の多くがこの"第3種てこ"に支えられています。

 ダウンスイングの"第3種てこ"の利用に話を戻すと、左手首が支点として機能するように、左手首も柔らかい状態に保つことに加え、"第1種てこ"でバックスイングした時の左肘を真直ぐな状態に保つことがポイントです。

 力を加える部分である力点が支点と作用点の間になるように、右手のグリップ、特にクラブと接触している指の部分でクラブを押すように力を加えます。

 以前にお話した右手が外肘になっているので、フックグリップは押す力が強いは、ここで力を発揮します。

 右腕を伸ばす動作で生じる力がクラブを加速させていきます。

 インパクトの時でも、右肘は完全に伸びきらず、インパクト直後に真直ぐになるように右腕を伸ばしていくとよいでしょう!

 クラブは長ければ長いクラブほど、クラブヘッドが加速するように、左手首が支点になることで、クラブの長さを充分活かしたスイングにもなっています。

 また、この"第3種てこ"のイメージでスイングすることで、フェースの開き過ぎも防ぎ、ボールを包み込んで捉まえる感覚の助けとなります。

 フォロースルーで左肘が引ける癖のある人は、"第3種てこ"をうまく利用できていません。

 肘に意識を置くよりも、むしろ左手首が支点になるイメージでスイングしてみてください。

 一番の難しいポイントは、支点には力点と作用点双方にかかる力を受け止められる位、しっかりと支える必要がありながら、力が作用する方向を妨げないように関節の向きに気を配りつつ、柔らかく保たなければならないこと。

 グリップ圧を下げ、腕の力に頼るのではなく、体幹の力を利用し、慣性を活かしたスイングを心がけましょう!!

 てこの原理で ナイスショット!!


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慣性モーメント的に有利なスイングのタメでナイスショット

2011年10月25日 12:06

 ゴルフレッスンでも、ゴルフスクールでも、スイングのタメが重要視されています。

 なぜ、タメがこんなにも重視されるのでしょうか?

 その理由はタメの有無がヘッドスピードと深い関係があるからです。

 ミート率やスイング軌道等の他の条件が同じであれば、ヘッドスピードが速いほど、飛距離は伸びます。

 飛距離アップには、まずヘッドスピードアップと言われるので、体力づくりに励んだり、クラブを軽量化したり、いろいろと努力を重ねている人も多いことでしょう。

 スイングのタメは、テクニックでヘッドスピードを上げる方法です。

 

【慣性モーメントの観点から見たスイングのタメ】


 慣性モーメントは、ゴルフではクラブヘッドの返りやすさやクラブの振りやすさなどを比較する指標として使われ、回転運動における回転のしにくさを意味します。

 スイング自体も回転運動として捉えることができるので、慣性モーメントで表すことができます。

 スイングの慣性モーメントが小さいほど、高速回転に適したスイングであることを意味します。

 昔読んだ、"とある本"では、仮にタメができている状態を左腕とクラブのなす角度で90°とし、タメの無い状態を150°とすると、両者の慣性モーメントの比は約1.5倍になるとしています。(この本では確かグリップやシャフトの重さを無視して、クラブヘッドと回転軸との距離で慣性モーメントを計算していたと記憶しています。)

 回転速度の比は慣性モーメントの平方根にあたるので、タメのあるスイングはタメの無いスイングよりもヘッドスピードは約1.22倍も速くなります。

 まったく同じ体力であっても、タメ次第でこんなにも差がでてしまうのは驚きでした。

 フィギュアスケートの選手もスピンで速く回転する時には、手の位置を中心に寄せて、重心を回転軸にできるだけ近づけているのは理にかなっています。

 ゴルフの場合では、長いクラブを持った状態で回転しなければなりません。

 クラブとクラブを持った腕の両方の重心をスイング軸に近づけて慣性モーメントを小さくする必要があります。

 "脇を締める"という教えも、脇が空いた状態では腕と体が離れ過ぎて、慣性モーメントが大きくなり、回転には不利な体勢を戒めていると言い換えることができます。

 また、"切りかえしは左サイドから"という教えも、慣性モーメント的に有利な教えと言えます。

これは、切りかえし以降に左肩が先行して回ると、肩が左腕を引っ張ることによって、左腕が体の近くを通りやすくなる利点を言っています。

 ダウンスイング中、右腕をたたんでいるのも、左腕が体の近くを通りやすくするのを助け、右腕をたたんでいること自体も慣性モーメントを小さくする動作となっています。

 アドレスの時、自然にクラブを構えると、ライ角との関係でクラブと腕のなす角度は150°程度です。

 ダウンスイングでクラブを加速させてやるのに、この状態のままては不利なので、クラブと腕のなす角度をできるだけ小さくする工夫が必要となります。

 手首などを使ってコックし、クラブと腕のなす角度を小さくし、直角を超えて鋭角になるのが、いわゆるタメという工夫。

 手首のところが蝶番のように、伸ばした腕とクラブがきれいに二つ折りになればよいのですが、人の体の構造上、道具のようにはいきません。

 また、ゴルフでは正確にボールをヒットすることが第一条件なので、その邪魔にならない範囲内で、速く回転する工夫を模索しなければならない点が難しいところでもありますです。

 ダウンスイングでは腕を体に近いところを通し、腕が腰の高さに降りてくるまではクラブヘッドが頭の近くにあるイメージで、慣性モーメントの小さいスイングを模索してみてるのはいかがでしょうか?

  関連記事 『中指と薬指中心でグリップしなさいと言われる理由とは?
           『何かと誤解の多い『左の壁をつくる』とは?

 慣性モーメントの小さいスイングで ナイスショット!!


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ヘッドスピードはアドレス次第で変化する?!

2012年11月19日 23:07

 誰よりも飛ぶというのはゴルファーにとって非常に魅力的です。

 飛距離を伸ばすための要因はいろいろ考えられますが、今回は一番注目されることの多い、ヘッドスピードに関係のあることをお伝えしたいと思います。

 ヘッドスピードを測定する器具には、シャフトの先端に取り付けるバネばかり式のものに始まり、クラブヘッドにマグネットを貼り付けて測定する磁気式を経て、最新ではレーダーを利用した測定器が主流になっています。

 いろいろ買い換えてきましたが、使いやすさと手頃な値段のため、今はアトラスのGST(ゴルフスイングトレーナー)を測定に使っています。

 GSTの利用法として紹介しようと思っていたのに、すっかり忘れていたのが今回の記事です。

 それでは本題に入ります。

 自分が振りやすいリズムとテンポでスイングしたとき、どの程度のヘッドスピードかを知るのに、ヘッドスピード測定器を使っていた時の話です。

 鏡に映った自分の姿を見て、そのときアドレスの姿勢が悪いのに気がつきました。

 背筋を伸ばし、股関節から前傾姿勢でアドレスをとり直し、スイングするとヘッドスピードの数値が上がっていました。

 何度か繰り返した結果、姿勢を意識する前に比べて、2~3m/s程度はヘッドスピードが上がるようでした。

 なぜなのか?

 少し調べてみると、頸反射を運動に利用するという考え方を見つけました。

 想定した手足の動作に合わせて、首の動きを自発的に操作し、動きやすさを増す方法だそうです。

 頸反射とは、姿勢反射の一種で、あごの上げ・下げ・左右の捻れといった刺激に応じて、意思とは関係なく無意識に起こる手足の曲げ伸ばし反応のこと。

 非対称性緊張性頸反射と対称性緊張性頸反射があり、いずれも原始反射で、生後4週間から8週間に最も顕著に見られ、中枢神経系の発達に伴い、生後6ヶ月で抑制されて出現しにくくなるようです。

 非対称性緊張性頸反射は、胎児が産道を通るときに必要な反射で、顔を右に向けると右手と右脚が伸び、逆に左手と左脚は曲がります。

 対称性緊張性頸反射は、四つん這いの赤ちゃんが『はいはい』をするための準備に必要な反射で、あごを上げると、腕が伸びて足が曲がり、背中の筋肉が緊張します。また、あごを引くと、腕が曲がって足が伸び、背中の筋肉が弛緩します。

 当然のことながら、成人の場合、通常、頸反射は大脳によって抑制されています。

 あごを上げるたびに、無意識に腕が伸びたり、足が曲がったりしていたら、日常生活に支障がありますからね。

 それでも、睡眠不足・酸素欠乏などのストレス下においては出現しやすくなるようです。

 アドレスの姿勢との関係からすると、対称性緊張性頸反射がヘッドスピードを上げる説明になるかもしれないと思い、検索してみると、ちょうどいい論文が見つかりました。

 四肢の伸展運動における頸反射の影響 : 伸展速度・力・パワーの力学量を比較対象として

 腕と脚のそれぞれの伸展運動において、あごを上げた状態とあごを下げた状態の運動パフォーマンスを比較した実験のようです。

 あごを下げた状態と比較して、あごを上げた状態の方が、腕の伸展速度が8.0%も向上しています。

 脚の伸展速度も6.63%向上する結果となったとあります。

 この論文の序文で、「対称性頸反射は、同じ哺乳動物でもその発現様相が異なり、犬や猫では ~ 省略 ~ しかし、ヒトまたはウサギの場合、顔を上に向ける背屈頭位においては四肢すべてが伸展し、腹屈頭位においては四肢すべてが屈曲することが知られている。」とあります。

 対称性頸反射の背屈頭位では、腕は伸びるが、脚が曲がると書かれているサイトが多く、どちらが正しいのか気になるところではありますが・・・。

 ゴルフのスイング動作を考えた場合、腕を曲げる動作はあるものの、ダウンスイングからフォロースルーにかけて、腕を伸ばす動作が主体なので、ヘッドスピードにも効果が期待できそうです。

 もちろん、スイングにおいて腕の力は補助的なものですが、脚の伸展速度も向上するのであれば、なおさらです。

 論文にあるような背屈頭位は、ゴルフでは少し無理がありますが、あごが下がらないようにスイングするだけでも、効果があるかもしれません。

 この論文では、背筋についての実験はなされていないようですが、他のサイトでは対称性頸反射の背屈頭位における背筋は緊張するとあります。

 あごを上げた状態が背筋の収縮を促し、背筋が左肩を、左肩が左腕を引っ張る動作ができていれば、こうした形でもヘッドスピードに貢献してくれるかもしれません。

 私の場合、実体験の裏づけを探していただけなので、概ね満足な内容でした。

 あなたはアドレスを習ったことがありますか?

 ティーチングプロやゴルフスクールなどで定期的にゴルフを学んだことがない人は、アドレスの姿勢が悪いことが共通した特徴です。

 ゴルフスクールに通って、アドレスの大切さを指摘されて知っている人でも、毎回、姿勢を注意されることが多いのではないでしょうか?

 ヘッドスピードを上げようと意識しなくても、正しいアドレスをとるだけで、これほどヘッドスピードが上がるのですから、是非とも実践してみてくださいね。


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ヘッドスピードを上げるために、最初に覚えることは?

2013年02月27日 14:23

 ヘッドスピードを上げるには、貴方ならどのように力を加えますか?

 ゴルフを始めたばかりの頃は、スイング軌道が楕円を描くため、その軌道に沿って力を加えようとしがちです。

 確かにクラブヘッドは円運動に近い軌道を描きますが、人間の骨格は電気モーターのように、軸が回転するような構造ではありませんよね。

 どちらかと言うと、レシプロエンジンのように、クランク機構の働きで、ピストンの直線的な往復運動を回転運動に変換する構造に見立てて考えた方が、人のスイングを考える上で適しています。

 もっと身近なことで例えるなら、子供の頃に遊んだブランコ遊び(立ちこぎ)を思い出してみてください。

 誰に教えられたわけでもないのに、感覚的にブランコを小さく揺すりながら、膝の曲げ延ばしをタイミングよく繰り返していくと、ブランコの揺れは段々大きくなっていきます。

 ブランコの上に乗っている状態では、外部から得られる力は重力以外にないため、自然とこうした動作になります。

 揺れ始めは別として、常に働いている重力と同じ方向へ、直線的に力を加えていった方が効率の良いことを子供も経験的に掴んでいます。

 自転車も同じ原理で、ペダルに乗せた足を回転させているのではなく、同じように下方向に直線的な力を加えています。

 ところで、ブランコが停止している位置から、地面を蹴ったり、誰かの助けを借りたりせずに、動き出すのはなかなか大変ですよね。

 それは、クランク機構には加えた力がうまく回転運動に変換されない点(死点)が存在するためです。

 時計の文字盤に例えた場合、6時と12時の位置が死点となります。

 もちろん、ブランコでは12時の死点は無視しますが。
 
 こうした視点でゴルフスイングを捉えると、腕の力を使う方向とタイミングが見えてきます。

 理科で習った力のベクトルで、力の合成を思い浮かべてみれば、同じ方向の力を合わせるのと、方向のずれた力を合わせるのでは、前者の方が合力は大きくなりますよね。

 腕の力も、重力を利用するため、できるだけ”真下の方向”に力が発揮できるように扱うのが効率的です。

 ゴルフでは飛距離だけを追求するだけでなく、方向性がより大事ですから、より小さい動作でスイングを加速できれば、スイングプレーンのズレも少なくて済むのが利点でもあります。

 腕の力を使うタイミングは、12時のトップの位置、そして6時のインパクト付近では、力の無駄遣いになります。

 下向きの力が最大限に発揮される3時の前後付近が、ベストなタイミングです。

 これでハンドスピードが上がります。

 これに伴ってヘッドスピードも上がりますが、言うまでもなくヘッドスピードを上げる要因のすべてではありません。

 ヘッドスピードは一箇所でトップスピードにもっていくものではなく、ショットの軌道の安定性を考えて、別の方法も合わせて多段階に加速させていくものだと考えています。

 ヘッドスピードが上がったからといって、それだけでは飛距離はたいして伸びないのも事実です。

 そもそも飛距離を伸ばす目的も、本来はスコアを良くするためのものだったはずです。

 このことも忘れず、心の片隅に置きながら、飛距離アップの方法を楽しみたいですね。

 まずは、腕の力を下向きの方向へタイミングよく扱えるように!


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ゴルフのスポーツオノマトペで飛距離アップ!距離感アップ!

2013年11月16日 21:50

 最近、テレビでもよく目にするようになった『スポーツオノマトペ』。

 わたしが最初に目にしたのは、藤野良孝の著書『スポーツオノマトペ なぜ一流選手は「声」を出すのか』。

 最近、スポーツオノマトペの認知が上がってきたのは、この藤野先生のかなり積極的なメディア露出によるところ大。

 さすがにテレビの影響はいまだ大きいですね。

 『オノマトペ』自体はフランス語で、擬音語、擬声語、擬態語などを意味しており、スポーツにおける擬態語の効果を研究したのが、この『スポーツオノマトペ』という分野になります。

 スポーツ選手がプレー中に発する声とも叫びともつかない音声。

 有名どころで例を挙げれば、ハンマー投げの室伏広治選手の「ンガァー」やテニスのシャラポア選手の「ンアー」など。

 こうした発声による記録の向上は『シャウト効果』と言われ、昔から知られていますが、単なる発声の効果というだけでなく、耳から入ってくるリズムやテンポがプレーに及ぼす影響などに着目している点が興味深いところです。

 残念ながら、冒頭で挙げた本には、ゴルフに関するスポーツオノマトペは確か載っていなかったと記憶しています。

 ゴルフに関係するスポーツオノマトペの研究成果は、ためしてガッテン「リズムで脳を刺激せよ!」(2012年06月27日放送)の回で伝えられました。

 ゴルファーなら誰もが気になる飛距離を伸ばすオノマトペ。

  「スーッ」   &  「ガァァァー」
(テイクバック時)  (ダウンスイング時)

 テイクバックとダウンスイングの1・2リズムでドライバーの飛距離が20ヤードアップするそうです。

 藤野良孝先生のブログに、番組の補足説明が載っています。

 記憶が定かであれば、著書の中で「スー」というサ行の発音は動きをスムーズにする効果、「ガー」のような濁音にはパワーを発揮する効果を紹介していたと思います。

 ためしてガッテンの中では、このオノマトペの秘密を次のように説明しています。

 体を動かそうとするとき、大脳から筋肉に対し命令が下される運動指令。

 チェックポイントなども含め、何かものを考えながらスイングすると、この運動指令と混ざって、本来持っている運動能力を阻害してしまうことがあります。

 ものを考えるという機能を担っている中心部分は、大脳の前頭前野ですが。

 オノマトペを声にしたとき、この大脳の前頭前野の活動が低下している画像を示しています。

 声を出すことによって、余計なことを考えずにすむため、本来その人が持っている能力が発揮され、その結果、ドライバーの飛距離が伸びたと解説しています。
(当ブログで以前紹介したワーキングメモリーを強化するジョギングの効能とも似ていますね)

 さらに、小脳の機能にも触れています。

 運動上達のカギは、運動を自動化(無意識化)すること。

 最初は大脳で考えながら行っていた運動が、反復練習することによって、小脳中心の活動に移り、考えなくても無心で体が動かせるようになります。

 意識をつかさどる大脳に対し、無意識の運動を担う小脳。

 音のリズムといった耳から得た聴覚情報には、小脳に直結して処理されるルートがあり、そのため、音のリズムにあわせて無意識に体を動かすことができたと説明しています。

 この他、ためしてガッテンのホームページでは、番組内で紹介されなかったパターのスポーツオノマトペ「スー・スー」も紹介されています。

 パターを引くときに「スー」、打つ動作のときに、テイクバックのときと同じ長さ・強さで「スー 」と声を出すと、距離感がつかみやすく、安定感が増すそうです。

 ただし、大声を出す行為は、ゴルフの第1原則であるエチケットに反する行為とみなされかねないので、他人のことも配慮しながら練習してくださいね。


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ドライバーの飛距離を伸ばすティーアップの高さとは?

2015年10月17日 14:51

 誰でもすぐにできるドライバーの飛距離アップ方法として、ティーアップの高さを変えるのが一番簡単な方法です。

 ティーアップの高さは球筋とも関係しており、ティーアップは低ければ、クラブは自然と上から入ってくるためにダウンブロー気味になりやすく、バックスピン量は多くなります。

 バックスピン量が増えることによってボールのコントロール性が高まることが低いティーアップのメリット と言えます。

 その反面、バックスピン量が多いということはフェースが開きやすいということでもあり、スピンの軸が傾いてスライス回転の要素が増えやすいため、球を捉まえる技術が乏しい人だと右に曲がる度合いが増し、かえって方向性が悪くなってしまいます。

 男子プロや韓国人女子プロのティーアップが低いのには、球をしっかりと捉まえる技術があるからで、飛距離を多少犠牲にしてでも方向性をより重視している表れです。

 プロ・アマ、ハンデを問わず、ヘッド厚の高さから出ないように低くティーアップした場合とヘッド厚の高さからボールが見えるくらいに高くティーアップした場合では、飛距離に違いが出ます。

 概ね、高いティーアップの方が10ヤード程度は飛距離が伸びます

 これはアッパーブローによる高い打ち出し角とスピン量の減少がマッチして、弾道の理想的な状態に近づくためです。

 ティーアップが高ければ、クラブが下から入る領域が広がるため、よりアッパーブローで打ちやすくなりますよね。

 また、有効打点距離(スイートスポットよりも上のフェース部分)でボールを捉えるとスピン量が減り、スイートスポットよりも飛距離的に有利に働くことが知られています。

 アッパーブローのスイング軌道で、有効打点距離というスイートスポットよりも上の部分でボールを捉えるには、高いティーアップが絶対条件となってしまうというわけです。

 飛距離的には高いティーアップが有利ですが、最近の慣性モーメントの高いドライバーの場合、フェースが閉じにくい性質があるため、アッパーブローのスイング軌道では打ち出しが始めから右に出るプッシュになりやすい傾向もあります。

 低いティーアップにしろ、高いティーアップにしろ、どちらにしても球を捉まえる技術が必要になることに違いはありません。


 さて、ティーアップの高さと言って、あなたはどの高さを意識していますか?

 一般的には地上からリフトアップされた分の高さですかね。

 ただし、ゴルフ雑誌の特集記事などで、プロのティーアップの高さが何cmと紹介されたとしても、そのまま真似しちゃだめですよ。

 それぞれ使用しているドライバーが違うことを忘れてはいけません。

 ディープフェース(ヘッドが厚い)とシャローフェース(ヘッドが薄い)ではティーアップの高さは違って当然。

 ティーアップの高さが同じであっても、使用するドライバーのヘッドの厚さが違うと、効果が変わってしまうことに注意してください。

 一般的に理想的なティーアップの高さは、フェース面よりもボールの直径の3分の1の長さ分、上に飛び出している位と言われています。

  ティーアップの高さ + ボール直径 = フェース厚 + ボール直径の1/3
                  (約42mm)                (約14mm)

  ということです。この式からティーアップの高さは、

  ティーアップの高さ = フェース厚 + ボール直径の1/3 - ボール直径
               = フェース厚 - ボール直径の2/3
                            (約28mm)


 自分が使用しているドライバーのフェース厚から28mm引いた数値が理想的なティーアップの高さだということがわかります。

 ティーチングプロによっては、フェース面よりもボールの直径の半分の長さ分、上に飛び出している位が良いとも言いますから、この場合なら自分が使用しているドライバーのフェース厚から21mm引いた数値が目標とするティーアップの高さとなるわけです。

 ご自分のドライバーのフェース厚を測って、そのドライバーに合った高さにしやすいティーを選んでくださいね。  ティーアップしたい高さで選べるティーペグ 一覧表


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ヘッドスピードを上げる感覚・コツを掴むには?

2015年10月25日 10:27

 以前、ヘッドスピードを上げるために最初に覚えることは重力を効率よく利用するイメージについて書きましたが、今回は手首における加速感覚についてです。

 ドラコン競技の上位入賞の常連者達も語るように、ヘッドスピードを効率良く上げるには、手首のような関節部の柔軟性は欠かせません。

 ゴルフ史に残る歴代最多優勝として名高いサム・スニードも「ゴルフクラブは小鳥を握り潰さないように柔らかく握れ」と言っているのも、手首の関節を柔らかく保つために必要だからでもあります。

 ここで誤解しやすいのは強い握力を身につけてはだめということではなく、握力を全開近くまで使用してはだめということです。

 全力で握った握力を10とすると、1から3程度を目安とした強さで握るのが良いとよく言われていますよね。

 絶対的な握力の数値が高いほど、必要な握力の強さに対する割合が下がるので、握力は強い方が幾分有利に働きます。

 サム・スニードも山奥育ちで手の指は熊のように太かったにもかかわらず、身体の部位は違えど、立ったまま片足を上げて、その上げた足が天井に付いてしまうほどの身体の柔軟性が高かったことが知られています。

 もっとも、ゴルフクラブのグリップ部分はグリップの下側に行くほど先が細くなるテーパー構造になっていますから、軽く握っていてもゴルフクラブがすっぽ抜けにくい構造になっているので、マッチョな握力を身につけなくても大丈夫です。

 それよりも柔軟性の部分が大事。

 握力を鍛えつつも柔軟性を損なわずに、なおかつスイング加速の要領を掴むのに最適なおもちゃがあります。

 ジャイロを利用したトレーニング器具であるパワーボールです。

 握力を鍛えるのには速く回して重さを増す必要がありますが、タイミングや感覚を覚えるのには何も速く回す必要はなく、パワーボールの回転を加速させる感覚を手首に記憶させるのに、できるだけ丁寧に長い時間回転させ続けることが大切。

 普段、クラブの重さを感じられなかった人でも、パワーボールのような重心の変化の感じやすい道具を使うことによって、重心の移動を指先で感じる感覚が次第に養われてきます。

 回転運動に対してどんな感じで、どんなタイミングで力を加えて上げればいいのかといった感覚的なコツをただただパワーボールを回すだけで、自然に身体で覚えられるのがこの道具の優れたところです。

 ゴルフスイングの軌道も同じ回転運動ですから、こうした感覚的なコツをスイング時にも活かしてあげることがゴルフの上達に役立ちます。

 加えて、ゴルフに必要な程度の握力を鍛えるとともに、足や体幹からのスイングのエネルギーの伝達を損なわない手首の柔軟性のコツが身につき、握力を使いつつもスイングの軌道をずらさずに、スイング軌道の安定と加速の両立を図れるので、一石二鳥ならぬ一石三鳥、四鳥といったところ。

 ゴルフスイングの手首の動きはパワーボールで自然に身につけましょうね。


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女性・飛距離が出ない人が陥りやすいハンドレートの原因とは?

2015年12月07日 14:20

 ゴルフはボールを高く打ち出して目標に運ぶスポーツゆえに、ゴルフクラブの性能を理解できていない場合にはボールをすくい上げるような動作になりがちです。

 すくい打ちではインパントの位置で手元よりもクラブヘッドが前に出るハンドレートと呼ばれる状態になっています。

 ゴルフでこうした動作を意識的に使うのはロブショットを打つときくらいです。

 ハンドレートではフェースが開きやすいのでボールを高く上げやすく、飛距離を抑えられるという特徴がありますが、その反面、ダフリやすい上にトップのミスを出やすいというデメリットもあるため、ロブを打てるライの状態は限られています。

 初心者がしがちのすくい打ちも同様な性質があり、ダフリやすい上にトップもしやすく、フェースが開いてスライスしやすく、飛距離も出ないなど、様々な初心者特有のミスを誘発してしまいます。

 ゴルフクラブは打てば自然にボールが高く舞い上がるようにロフト角が設けられているので、自分でボールを高く打ち出してあげようとする動作は必要ないことを早い段階で理解する必要があります。

 変な癖が付いてしまう前に。

 こうしたすくい打ちスイングの原因となっているのがクラブの構え方です。

 ボールを置く位置を真ん中とする場合、どのように構えているでしょうか?

 身体の正面から見た場合、両手の前腕とクラブのシャフトがつくる形がアルファベットの大文字の『Y』字のようになっている人は要注意!

 ハンドレート傾向のスイングをする人がこうした構えをすれば、より一層すくい打ちが酷くなります。

 アドレスの時、ゴルフクラブは左腕で持つ意識が大切です。

 身体の正面から見た場合、左肩から左手の前腕とクラブのシャフトが一直線になるようにボールに対して構えます。

 右手は握る意識よりも左グリップに添えるだけ。

 アドレスを身体の正面側から見た場合、両手の前腕とクラブのシャフトがつくる形がアルファベットの小文字の『y』字のように構えてみてください。


 ひとつ注意していただきたいのは、左手の前腕とクラブのシャフトが一直線と言っても、これは身体の正面から見た場合であって、ターゲットラインの後方から見れば、実際にはクラブのライ角に応じた手首のコックは必要です。

 以前、指摘したように、ターゲットラインの後方から見た場合に、左手の前腕とクラブのシャフトが一直線になるような構えは絶対にしてはいけません。


 『y』字状のアドレスで構えると、身体の中央付近にボールを置くアイアンの場合であれば、シャフトがターゲット側に傾くわけですから、クラブのロフト角どおりに構えられないので、変だと感じるかもしれません。

 でも、大丈夫。

 本来のアイアンの球筋は、ロフト角よりも低い角度で打ち出され、ダウンブローのスイング軌道によりバックスピンが余分にかかってボールが浮き上がる弾道になります。

 最近のクラブは、払うようにレベルブローで打ってもある程度はボールが上がるように設計されてきてはいますが、将来的にミスの確率を減らすにはダウンブローの方がより確実です。

 そして、ダウンブローの準備として、この『y』字状のアドレスが欠かせないものとなっています。

 また、ドライバーなどウッド系の長いクラブでは、ボール位置は左足に寄ってきますが、この『y』字状を保ったまま、ボールに対して構えるだけで自然と飛距離が出る構えになります。

 すくい打ちはロブショットですから、距離を出さないときにだけ使いましょうね。


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満振りしても飛距離が伸びない理由とは?

2015年12月15日 10:36

 ショットの飛距離を決定する要因は、主にボールスピード、打ち出し角、スピン量などによって決まるとされています。

 一番単純で理解しやすいのはボールスピードでしょうか?

 打ち出し時のボールスピードが上がれば、飛距離が伸びそうなことは子供でも感覚的に理解しやすいと思います。

 そのため、ボールスピードを上げるために、端的にヘッドスピードを上げようと試みるわけですが、なかなか上手くはいきません。

 ヘッドスピードを上げること自体が工夫と根気がいることも理由のひとつですが、実際にヘッドスピードが上がったとしても、思っていたほど飛距離に反映してくれないというのも実感を得られずに諦めてしまう主な原因となっています。

 ヘッドスピードが上がっても、ミート率が上がらなければ、ボールスピードが上がらないということはよく知られていますが、なぜミート率が上がらないのかの説明は聞く機会は少ないのではないでしょうか?

 これはスイングテンポとスイングリズムの関係で説明することができます。

 スイングテンポとは、スイングを開始して終了するまでに要する時間の長さ のことです。

 バックスイングとフォーワードスイングのすべてに要する時間の長さなので、ある意味、スイングの速さとも言えますが、一般的にイメージするインパクト時におけるヘッドスピードの速さとは別物です。

 バックスイング側が速い・遅いなどの違いもありますし、ダウンスイング側が速い・遅いなどの違いありますし、フォロースルー側が速い・遅いなどの違いもありますが、そうした違いは抜きにして全体の所要時間を表しているのがスイングテンポです。

 加えて、スイングは等速で進むわけではなく、バックスイングとダウンスイングの切り返しではスイング運動の方向転換もあり、ダウンスイングでは重力の影響下で加速する動きが主体となります。

 意図せずに減速してしまうスイングになってしまう人もいますが、こうしたスイングの速さの変化であったり、力感の強弱の変化などは、スイングリズムという部類に該当 します。

 スイングリズムは自由度が高いために、個性が現れやすい部分でもあります。

 同じ曲を歌っても、人によって微妙に違って聞こえるのと同じように、スイングリズムも千差万別です。

 ここで、なぜミート率が上がらないのかの話に戻ります。

 飛ばしたいという意識を強く持ってスイングした場合、それこそ満振り(まんぶり)と表現されるがごとく、満身の力を振り絞ってゴルフクラブを振り回してやろうとする動作になりがちです。

 満振りでは、自分のスイングの中で遅いと感じる部分、ゆっくりと余裕を持って振っていた部分をスピードアップさせて時間の短縮を試みようとするために、スイングの速い部分と遅い部分の差が縮まり、どちらかというと全体を通して均質な等速に近いような動きに変わってしまいます。

 切り返しの間が無い一本調子のスイングに対して、スイングのテンポが速すぎると表現されることがありますが、これは自分独自のスイングリズムを刻む余裕が無くなってしまうほど、自分が持つポテンシャル以上にスイングテンポを上げてしまった状態を意味しています。

 実はここにポイントがあります。

 ナイスショットするためには自分が心地良いと感じるスイングリズムを刻む必要があること自体はよく知られているにもかかわらず、飛ばそうという欲に惑わされて無視されてしまっているというわけです。

 ローリー・マキロイにしろ、タイガー・ウッズにしろ、一般のアマチュアからすると、ものすごいスイングテンポでスイングしていると感じるかもしれませんが、スイング中に自身のスイングリズムを失うほどはスピードアップしておらず、余裕を残したスピードでもあの猛スピードなのが実態です。

 スイングテンポやヘッドスピードよりも、スイングリズムがより優先事項となっています。

 しかも、正確性も高い飛ばし屋の特徴としては、このスイングリズムの中にスイング全体を通して徐々に加速する領域をできるだけ長く取っています。

 切り返しの初動時にいきなり急加速したのではインパクトまで加速状態を保てなくなってしまいます。

 どんなに速く見えるスイングであっても、ツアープロが切り返しからいきなりトップギアに入れてしまうような選手はおらず、初動時はスピードを伴わないがトルクが最大で始動し、運動自体の質が軽くなってくるに従って、スピードを上げて加速させていく方法に移行していくのがエネルギー効率の高いスイングになります。

 この加速のスイングリズムを維持しながら、スイングテンポを速めていくのは、ご想像の通り、なかなか困難な作業です。

 トレーニング等によって基礎体力の底上げをせずに、スイングテンポやヘッドスピードだけ上げても、加速のリズムを失ったまぐれ当たりしか望めません。

 また、トレーニングするにしても、スイングリズムを忘れてしまわないように絶えずリズムを維持する運動を挟みながら、体力アップを図ることが大切になってきます。

 ゴルフでのフルスイングとは、その人がスイングリズムを損なわない範囲の上限のスピードで行われるスイングであることを肝に銘じて、根気よくがんばりましょうね。


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バックスイングがその機能を発揮するためには?

2015年12月24日 10:02

 テニスのラケットでのスイングにしろ、野球のバットスイングにしろ、ボールを打つ動作の直前には必ずバックスイングの動作が行われています。

 野球のスイングでは特にバットを予め担いで構えているので、一見するとバックスイング無しに振り始めているように感じるかもしれませんが、速球や変化球などに対応するために最小限の動作ではありますが、小さいながらもバックスイングは確かに存在しています。

 ゴルフではテイクバック以降、トップポジションに至るまで比較的長いバックスイング動作になっています。

 さて、このバックスイングにはどういう意味があるのでしょうか?

 多くのスポーツ競技では、より大きな力を得るために反動動作というものを使っています。

 バックスイングもそのひとつ。

 何か動作を行うときには、筋肉が収縮する動きによって運動が生じることは一般的に知られていますが、こうした筋肉の長さが短くなる状態の動作のことをコンセントリック筋活動と呼びます。

 これとは別に、スピードを緩めたり、止めたりする動作のときなどに、筋肉が縮もうとしているにもかかわらず、筋肉が引き伸ばされながら働く状態はエキセントリック筋活動と呼ばれています。

 バックスイングなどの反動動作では、コンセントリック筋活動によって筋肉が縮んで働くのに先立って、その直前にはエキセントリック筋活動を通して同じ筋肉が引き伸ばされながら働いています。

 こうした状態はストレッチ・ショートニング・サイクルと呼ばれ、コンセントリック筋活動だけをした場合に比べて、大きな力を出すことができます。

 これは筋肉や骨との接続部である腱には、ゴムやバネと同じように引き伸ばされることによって弾性エネルギーを蓄える性質があり、エキセントリック筋活動で引き伸ばされた後、コンセントリック筋活動によって、一気に力を開放させる原理を利用しています。

 また、筋肉の中には筋紡錘と呼ばれる筋肉の状態を把握する感覚器官があり、筋肉がこれ以上伸びると危険とされるところまで引き伸ばされると、反射的に筋肉を強く収縮させるような命令を出す性質があります。

 この反射は伸張反射と呼ばれていますが、反動動作のエキセントリック筋活動では、この伸張反射を引き起こして、更に強い筋収縮を促すこともその目的のひとつとなっています。

 更にもうひとつ理由があります。

 筋肉には持久力に優れる遅筋(赤筋、タイプⅠ)と瞬発力に優れる速筋(白筋、タイプⅡ)に分類できるということを聞いたことがある人もいるとは思いますが、更に細かく、タイプⅠ、Ⅰc、Ⅱc、Ⅱac、Ⅱa、Ⅱax、Ⅱxの7種類に区分することができます。

 力やスピードの観点では、タイプⅠの出力が一番小さく、タイプⅡxの出力が最も大きいといった具合に、例示した右側にいくに従って出力が大きくなる性質があります。

 稼働のしやすさの観点では、タイプⅠが一番先に稼働し、次にⅠc、その次にⅡcといった具合に稼働する順番が決まっており、右側にいくほど稼働しにくいという性質があります。

 こうした性質上、筋肉を使って大きな力を得るにはそれなりの時間がかかる仕組みになっています。

 反動動作ではコンセントリック筋活動の動作が主な目的となりますが、この筋肉が縮んで機能する前から筋肉が引き伸ばされるエキセントリック筋活動を通じて、同じ筋肉に出力命令を出し続ける時間を長く取れるため、コンセントリック筋活動の初動からより大きな出力を得られるタイプの筋肉から稼働させることができ、更に大きな力を得られるタイプの筋肉まで到達できるというわけです。

 こうした3つの仕組みを巧みに利用して大きな力を得ているのが反動動作の正体です。

 ゴルフでのバックスイングはどうでしょうか?

 スイング軌道の安定の観点からは、テイクバックの始動時は比較的ゆっくりと動き出すことがポイントとされています。

 しかし、反動動作の観点から考えれば、弾性エネルギー・伸張反射・筋肉のサイズの原理の3つを利用するためにはかなり素早い動きが必要となります。

 少なくともトップポジションに至る直前では、反射を引き起こすほど筋肉を引き伸ばすことが欠かせません。

 ゴルフスイングでもバックスイングがトップポジションに至る前に下半身を左へ回転させ始めることで捻転差を高めるのがセオリーとなっているのはこうした理由からです。

 身体が柔らか過ぎれば、適切なトップポジションでこうした伸張反射を引き起こすことは難しくなりますし、単にトップポジションまで身体を回しただけではバックスイングとして機能しないことも明らかです。

 形だけに捕らわれず、反動動作としてのバックスイングの機能に着目してスイングづくりを試みることが大切ですね。

 ただし、すべてのチェックポイントに共通したことですが、練習で反動動作が機能しているかどうかを確認するのは意義のあることではありますが、ラウンドでスコアを競う折にどんなチェックポイントであれ、害以外の何ものにもなりませんから、そのことだけは忘れずに。


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中指と薬指中心でグリップしなさいと言われる理由とは?

2015年12月28日 13:38

 ゴルフを習い始めると、まず初めに基本中の基本であるゴルフクラブの握り方から教わることが多いはず。

 その際、オーバーラッピンググリップやインターロッキンググリップなど、ゴルフ特有の変な形をした握り方を教わり、少し戸惑ってしまった人もいるのでは?

 また、親指と人差し指ではなく、「中指と薬指中心で握りなさい!」と言われるものだから、更に混乱してゴルフは他のスポーツとは違う何か特別なものと勘違いしてしまうことも多いことでしょう。

 でも、この一見変わったゴルフの握り方は、ゴルフというスポーツにより適応するために考え出された方法ですが、ある意味、他のスポーツでも使えるちゃんとした理由があるんですよ。

 『グリップ』という言葉は『握る』という意味ですから、初心者の人は特にゴルフクラブが滑って飛んでいってしまわないかと心配で、どうしてもぎゅっと握り締めるイメージを持ってしまいます。

 「中指と薬指中心で握りなさい!」と教えられたとき、ゴルフでは中指と薬指で握った方が強く握れるのかなと思いませんでしたか?

 でも、違うんですよ。

 指で力強く握れるのは親指が他の四本の指と対面しているから。

 長年、ゴルフをして鍛えられた中指と薬指を持つベテランは別として、ゴルフをしていない人が普段からよく使用して発達しているのは一般的には人差し指です。

 この親指と人差し指を使用した方が、より力強く握ることができます。

 では、どうして「中指と薬指中心で握りなさい!」と言われるのか?

 それは速く振ることができるからです。

 使い慣れていない中指と薬指で握ると、ゴルフを始めたばかりの人は特に握りにくいと感じると思います。

 ここで握りにくいからと言って、ぎゅっと握らず、輪っかにした中指と薬指の形だけ保って、スイングしてみてください。

 そうすると手に力が入りにくいため、身体全体、特に体幹部の筋肉を利用したスイングが自然とできるようになります。

 右手の人差し指を拳銃の引き金を引く時のトリガー状にするのも、同様に手の力を封じて体幹の大きな力を使うためです。

 オーバーラッピンググリップで右手の小指を左手の人差し指の上にかぶせるのも。

 インターロッキンググリップで右手の小指と左手の人差し指を絡めて、グリップから浮かせるのも同様の効能があります。

 こうした理由を知らずに、ただ形だけを真似して力を込めて握ったのではゴルフのヘンテコなグリップを活かすことはできません。

 手や腕の筋肉の力だけではゴルフでの高速スイングは再現できないんですよ。

 スピードを必要とするスポーツ全般で共通することですが、スピードが求められる運動動作にはキネティックチェーンと呼ばれる運動連鎖が必要 とされます。

 運動連鎖とは身体の中心部が動かした後、次の瞬間には土台となり、身体の各部分がタイミングよく連鎖し続けて、身体の末端部に行くほど次第にスピードを増していく技術のことです。

 この運動連鎖では各筋肉の始動のタイミングを合わせるコツを掴む必要があるため、ある程度の熟練を要する高等技術に分類されます。

 初心者の方に対して、いきなり筋肉のタイミングを合わせて加速させなさいと言ってもなかなか無理な話しなので、まず、簡単なところから説明します。

 より高度な運動連鎖では、筋肉による段階的な加速の連鎖によってスピードを得ますが、基本的に運動連鎖の構造は力をその都度加えなくても加速を得られる構造になっています。

 それは、慣性モーメントの大きい部位から慣性モーメントの小さい部位へと力を移行させていくことで得られるスピードの構造 です。

 難しいことを言っているようですが大丈夫。

 人の身体自体生まれつきそういう造りになっているというだけのこと。

 体幹部のサイズの大きい部位は慣性モーメントが大きく、その部位を動かすにはより大きな力が必要とされますが、大きな部位が土台となって小さな部位に伝わると、同じ力でも小さな部位を加速させてくれる仕組みになっています。

 スピードの遅いけれども体幹部の大きい筋肉を関与させたいというのはこうした理由からです。

 ただし、ここで欠かせないポイントとなるのは、身体の末端部にある指の慣性モーメントを小さく保つことです。

 慣性モーメントを小さく保つのに一番理想的なのは指に力を込めずにクラブを落とさない範囲でぶらぶらな状態を保つことです。

 ですが、最初はそれがなかなか難しいので、中指と薬指で輪っかを作り、クラブのグリップを握る際にはその輪っかの大きさを変えないように引っ掛けるように握って、身体を回す感じだけでスイングしてみてください。

 最初はけっして手の指や手首、腕の力などで加速しようと思わないこと。

 肩から指先までぶらぶらな状態にして、大きな身体の部位から小さな身体の部位に力が伝わるだけでスピードアップできることを体験してみてくださいね。


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ゴルフではなぜ片手にしかグローブをしないのか?

2016年01月03日 13:48

 防寒用の手袋はもちろんのこと、競技用も含めて、手袋はどんなスポーツでも左右の両手にはめるのが一般的です。

 でも、ゴルフでは昔から片手だけにしか手袋をしないという習わしがあります。

 一部、日焼けを嫌う職業の女性が手の日焼け防止用に使用する以外は、利き手とは反対側の手だけに手袋を着用し、両手に手袋をすることはありません。

 市販されているグローブも片手ずつしか販売されていないのですが、片方しか入っていないとクレームをつけると恥をかいてしまいますよ。

 ゴルフをやったことがない人や初心者の人が一番不思議に思うことは、なぜ、ゴルフでは片方にしかグローブをしないのか?ということかもしれません。

 本来、ゴルフに限らず、打撃系のスポーツでは両手に手袋をはめた方が飛距離は伸びます。

 ただし、当然のことながら、これは両手の力が上手く活かせたときだけの話です。

 スイング中、ゴルフクラブのグリップを握っているために、右手と左手は同じスイング軌道面を通っているようにごまかせていますが、多くの人の場合、右手と左手はまちまちの動きをしています。

 試しにクラブを持たずに、腕だけで素振りをしてみてください。

 インターロッキンググリップのように右手の小指と左手の人差し指を絡めたりせず。

 オーバーラッピンググリップのように右手の小指を左手の人差し指の上に重ねたりせずにです。

 テンフィンガーグリップのように両手のげんこつを上下に並べただけの状態で素振りをした場合、スイング中に両手のげんこつがずれてしまう人は左右の手が別々の軌道を描いている証です。

 左右の手はスイングの局面々々でそれぞれ別の機能は果たしながら、スイング面を移動していきますが、左右の手が別々の軌道面を辿る場合には、それぞれ反対の手のブレーキとして機能してしまいます。

 両手にグローブをしても飛距離を伸ばす方向に力が機能してくれる人というのは、クラブを持たずに素振りをしても、左右のげんこつがずれずにスイングできるような人だけというわけです。

 では、プロゴルファーでもなぜ片手袋なのか?

 誰しも利き腕に比べて、利き腕ではない方の手は不器用で、力も弱いですよね。

 こうした左右の手のアンバランスを調整するために、不器用で力の弱い方の手に手袋をすることによって、滑って力が抜けるのを補っています。

 スイング軌道が安定している人であっても、更に利き手に手袋をすることは、せっかく調整可能な両手のバランスを崩すことになりかねません。

 ゴルフでは飛距離よりも方向性がより重視される競技なので、多少飛距離が伸びる程度では方向性が悪くなるリスクは冒せないと判断されているのがひとつ目の理由です。

 もうひとつの理由は、飛距離とも方向性とも言える側面があります。

 ゴルフスイングでは長いクラブの方が遠心力の関係で遠くに飛ばすことができます。

 グリップを握る場合でも、クラブの長さを邪魔しないようにグリップすることが大切です。

 右利きのゴルフスイングでは左肩の関節から左肘、左手首、左手の指と繋がる身体の部位とクラブがスイング弧を担っています。

 左手の手首が一つの支点として働くため、クラブとの接点はより支点に近い左手の指と掌を中心とした方が、両手とするよりも支点としての機能を邪魔せずに振ることができるという利点があります。

 点として機能するために、その接合部は短い方が好ましいのです。

 利き手で強くグリップしたときには、グリップ1つ分短いクラブを使用しているようなもので、それだけクラブの長さで損をしています。

 利き手もクラブと接していますが、支点としての役割よりも『第3種てこ』の力点の役割を担わせる方が合理的です。

 支点に近い分、大きな力を必要とするため、力では損をしていますが、その反面、力が伝わる時間が短く、作用点のスピードを上げるのに適しています。

 この利き手を力点として機能させてスイングの加速に利用する場合、スイングのキネティックチェーンの中でタイミングよく行う必要があるため、ある程度の器用さが必要とされます。

 そのため、パッティングのときにグローブを外して手の感覚を研ぎ澄ませるのと同じように、右手には手袋をせずに、素手のまま感性を活かす必要があるというわけです。

 ちなみに、左手は握らず、中指と薬指で輪を作り、グリップにひっかけるように形を保ったまま、不器用なパーツとして使った方が体幹の大きな筋肉の力を利用しやすくなります。

 左手は鈍感のままにするためにもグローブは必要となるといった具合なんですよ。


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バックスイングを活かすも殺すもダウンスイングの張り次第

2016年01月07日 14:36

 バックスイングがその機能を発揮するためには、反動動作として機能させることが重要だという話しを以前させていただきました。

 その際、誤解を招きそうな部分があったので、捕捉も兼ねて少し話を続けさせていただきます。

 反動動作では『弾性エネルギー・伸張反射・筋肉のサイズの原理』の3つを活用して大きな力を得るわけですが、バックスイング後の切り返しで開放される力は背中の大きな筋肉だけです。

 切り返しとともに、腕を含めた全体の筋肉を開放した場合にはアーリーリリースと呼ばれるタメのないスイングになってしまうので、腕を含めた全体の筋肉の開放と誤解していたら、以下の話にもお付き合いください。

 ゴルフでは対戦相手と直接向き合うわけではないので、スイング動作に時間的な余裕があり、自分の自由で如何様にも行うことができる特性があるのはご存じのとおりです。

 他の競技に比べて、ゴルフではバックスイング動作が長いのが特徴ですが、反動動作も相当長いものになっています。

 実は切り返しまでが反動動作としての終わりではなく、トップから切り返してコックをリリースする直前までが、一連の反動動作となって繋がっています。

 一番最初の反動動作の後、背中の筋肉が開放されると、そのコンセントリック筋活動による動きによって、肩の筋肉が引き伸ばされて、次の反動動作を引き起こします。

 肩の筋肉が開放されると、今度は腕の筋肉と言った具合に、連鎖的に次の反動動作を引き起こして、リリースまで途切れなく続けさせることで、ゴルフスイングの加速に役立てることができます。

 この連鎖をリリースまで途切れさせないためには、左肩を回し続けて、広背筋から左肩の三角筋を経由して左腕を伸ばした状態で左手首を引っ張り続ける必要があります。

 リリースまでここの部分の張りが解ければ、反動動作をインパクトでのスイングスピードを速めることができないばかりか、クラブヘッドが地面に向かって落下する方向に加速してしまうため、必ずダフります。

 あまりにも毎回ダフるので、ヘッドスピードを遅くするように手加減をしながら、手元を持ち上げてクラブの通過する高さを調節しようと試みるため、今度はやり過ぎてトップするといったミスを繰り返します。

 切り返しからリリースまで張りの動きを身につけなければ、ダフリやトップを防止するどんな方法も、根治療法とはならず、その場しのぎの対処療法にしかなりません。

 そのため、切り返しからリリースまで張りを保つ動作は、飛距離の向上だけでなく、飛距離の安定性の上でも、ゴルフには必須となっています。

 切り返しからリリースまでの張りを開放するポイントは、左ひざを引かずにできるだけアドレスの位置の膝の位置を維持しつつ、左の股関節を切り上げながら腰を左に回し切った状態で、左肩が回るところまで回し切るまで我慢すること。

 そんなところまでリリースをせずに引っ張ったら、クラブがボールの上を通過して空振りすると最初は感じてしまうほどの我慢が必要です。

 最初はボールを打たずに、左肩の張りにだけ気をつけてスイング動作を繰り返して、身体に動きを覚え込ませてあげてください。

 動作を身につけてボールを打つ段階になって、なかなかボールに当らずとも、すぐに諦めてしまわないこと。

 この方法は、スイング軌道に悪影響を与えないように考え出されたヘッドスピード上げるための数少ない方法を一つです。

 それを諦めるということは、ライバルに後塵を拝することを覚悟しなければなりません。

 ドライバーの飛距離で負けて、アイアンの距離の正確さでも負けるため、いくら方向性が良くてもニアピンすら取れる可能性は減ってしまいます。

 是非とも反動動作を最大限に利用する動きを身につけて、見た目にも格好の良いタメのあるスイングを身につけてくださいね。


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ヘッドスピードを上げようとする練習に伴う危険とは?

2016年01月15日 11:30

 ゴルフスイングでのヘッドスピードを上げる練習として代表的なものは、バットなどの重たい物とクラブヘッドの付いていないシャフトなどの軽い物を交互に振るトレーニングです。

 スポーツ動作全般に言えることですが、ゴルフなどのスイング動作においても、特定の姿勢や関節角度で筋肉がその能力をいかに発揮できるかが問題となります。

 フリーウエイトやマシンなどによる筋トレで筋力の総出力を高めたとしても、ゴルフスイングの姿勢で要求されるスピードや姿勢を保つ力を適切に発揮してくれなければ、宝の持ち腐れとなってしまいます。

 トレーニングマシンなどによる筋トレがゴルフには不要という話ではなく、適切な指導者の元で、ある程度の補助がないと、各筋肉の出力の方向性であったり、目的のスピードなどに合わせたトレーニングをすることは難しいという意味です。

 また、単体の筋力や全身の筋力を高めることができても、各筋肉が協調的な働きをさせることができなければ、そのスポーツ動作でのパワーを発揮することはできません。

 自分一人でゴルフに必要な筋力を鍛えるには、そのスポーツと共通した姿勢で行うトレーニングが有効であり、鍛えた筋力を協調的に発揮するトレーニングとしても有効となります。

 こうした理由から、素振りは重要になるわけです。

 重たい物を振るトレーニングでパワーを鍛え、極端に軽い物を振るトレーニングでいままで体感したことのないスピードの感覚を覚えこませることがその目的となります。

 このトレーニングの際、注意しなければならない点がいくつかあります。

 まず、単純に重たい物であればあるほどトレーニング効果が高いと思ってしまいがちな点です。

 この場合、重たい物と言っても、スイング中の協調動作を目的として使用するものですから、スイング動作中、姿勢が崩れない程度の重さに押さえることが大切です。

 スイング動作が崩れるくらい重い物では、必要のない筋肉を鍛えてしまうだけ。

 これは余分な筋肉の質量が増加することによって、動作スピードを低下させる弊害となります。

 また、変な姿勢でスイングすることによって、主導筋の動きを止める拮抗筋を鍛えてしまったりすれば、スピードにブレーキをかける筋肉を鍛えているだけということにもなりかねません。

 このため、各人の体力に合わせた適切な重さを使用するということは、スピードを上げるトレーニングでは重要な要素となっています。

 これと関連して、スピードトレーニングでは重い物振る場合にも、軽い物を振る場合にもできるだけ速く振ることが推奨されていますが、できるだけ速くとは言っても、あくまでも姿勢を崩さない範囲で行う注意する必要があります。

 ゴルフではスイングの再現性が最重要視されているのを理解しているにもかかわらず、飛距離アップの魅力が目の前にちらつくと、ついつい忘れたふりをして無視してしまうのはいけません。

 スピードトレーニング中に姿勢を崩すほど振り回すということは、飛ばそうと思ったときにミスショットが出るように練習をしているようなもの。

 緊張状態などでミスショットが出るのは、何も緊張して筋肉が上手く動かなかったという理由ばかりではありません。

 こうした間違った姿勢による練習によって、ミスショットの動きが正しく再現されている場合もあることを肝に銘じる必要があります。

 重ければ良い、速ければ良いということではなく、求める動作の中で筋肉が協調的な能力を発揮してくれるように、常に正しい姿勢を念頭に置いて、筋肉を鍛えて上げることがパフォーマンスの向上には不可欠ということですね。


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上半身だけ鍛えても飛距離が伸びない理由とは?

2016年01月27日 12:12

 ゴルフでは満身の力を込めてクラブを振ることをマン振りと言いますが、得てして思ったほどには飛距離は伸びてくれないものです。

 どうしてなのでしょうか?

 巷でもよく聞くことですし、考えてみてもすぐに思い浮かぶのは「大振りしたためにスイング軌道がずれてミート率が下がるから」というものですが、はたしてそれだけでしょうか?

 しっかりと理由を考え直してみないと、また同じ失敗を何度も繰り返す羽目にも。

 ゴルフに限らず、動作全般に共通する基本的な構造というものがあります。

 まずはそうしたものを理解することが力を効率良く活かすためには必要となってきます。

 中でも一番大切と思えるのは、『作用・反作用の法則』です。

 特に難しい話はしないので、少し話に付き合ってくださいね。

 『作用・反作用の法則』とは、何か物を押そうと力を入れた場合には必ず押し返されているということです。

 よく挙げられる例として、氷の上でスケート靴を履いた状態で、向かい合った二人が押し合うと、お互いに押した方向とは反対側に滑り出すことが作用・反作用を実感するのに好都合です。

 スケートリンクの壁を一人で押した場合も同様に、押した方向とは反対側に滑り出します。

 加えた力とは反対向きで、加えた力と同じ大きさの力が自分に戻ってくるというわけです。

 なかなか日常生活では実感しづらいことかもしれませんが、それは地球上では常に重力が働き続けているからです。

 背後霊のように常に支え続けてくれているのが重力ですが、過保護に支え続けてくれるために反って反作用の部分を覆い隠してしまい、そのありがたみを感じづらくなっています。

 ゴルフの話題に話を戻すと、当然のごとく、スイング動作においても、『作用・反作用の法則』に従うことになります。

 どんなに上半身の筋力を発達させたとしても、何か支えになるものがなければ、暖簾に腕押し状態で、力の方向が安定しないだけでなく、力そのものの能力も発揮されることはありません。

 その支えの主要な役割を担ってくれているのが重力であり、体重と言えます。

 飛ばし屋と呼ばれる女子プロの何人かは、子供時代に足の怪我をした際、椅子の上に座ったままの球打ち練習を経験して、飛距離のアップのコツを掴んだと言われています。

 足が使えないので、ある意味、上半身だけの力で飛ばす方法と考えがちですが、これは体重を活かした身体の使い方を覚えるドリルになっています。

 座った状態では足の踏ん張りがないため、その人の体重だけがスイングの支えとして働きます。

 座ったまま打つ場合、体重1kgに対して4ヤードの飛距離が目安として、50kgの体重の方なら200ヤード、60kgの体重の方なら240ヤード、70kgの体重の方なら280ヤードくらいが限界でしょうか。

 どんなに上半身が強くても、体重を超えた力は理屈上発揮されることはありません。

 この座ったままの練習では、上半身の力で打つ意識ではなく、体重をスイングの反作用として、体重の範囲内で最大限に活かす身体感覚を身につける方向で練習を行うことが大切です。

 わかりやすいように体重と書いてしまいましたが、実は体重を変化させるプラスαの動作も含まれるので、荷重と考えた方が相応しいでしょう。

 ゴルフスイングは身体の正面で肩幅の範囲内でクラブをV字状に捌くと表現されます。

 腕を動かすにしても身体の周りを振り回すのではなく、肩幅の範囲内で腕をV字状に下げてから上げる動作は、体重を最大限に活かすためには欠かせないことです。

 更に、腕を下げる動作の反作用として体重が軽くなり、一瞬だけ荷重が抜けた後、荷重が戻る瞬間にタイミングよく腕を振り上げることによって、体重以上の地面反力を利用することができるという仕組みになっています。

 これは、高くジャンプする際には、膝を曲げて一度屈んだ直後に地面を蹴ってジャンプする原理の応用でもあります。

 ゴルフの場合、膝を曲げ伸ばし動作はスイング軌道を上下動させてコントロールしにくくなるため、極力、膝の動きが生じないアイソメトリック筋活動の範囲内に収めますが、その代わりに、腕の上げ下げで地面反力を補っているというわけです。

 腕力の乏しい女性であるはずの女子プロゴルファーが飛ばす秘訣として、『フィニッシュまで振り切る』ことをポイントとするのは、タイミングよく腕を振り上げる動作の結果でもあります。

 逆に、下げて終わりになってしまう手打ちスイングでは軽い球しか出ないのも、同様の理由からです。

 ただ単純に腕を下げたり、上げたりするだけでは意味をなさないので、重力を足掛かりとして、荷重を最大限に活かした動作を練習の中で工夫してみるといいかもしれませんね。


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フォローの風では思ったほど飛距離が出ない理由とは?

2016年02月12日 15:00

 走ったりするときや自転車に乗るときに前から強風が吹くと、なかなか前に進むのが大変ですよね。

 ゴルフボールが飛ぶ際には、こうした人の身体で風を受けるのとはちょっと違った影響を受けていることをご存知でしょうか?

 アゲンストの風ではショットの飛距離は抑えられ、フォローの風ではよく飛ぶことは知られていますが、これは何も前から押されたり、後ろから押されたりする力の方向や強さの影響だけではありません。

 ここでは順を追って、その理由を説明していきます。

 ショットで打ち出されたゴルフボールというのは、ボールの上面を叩いたとんでもないミスショットでない限り、ドライバーのようなロフト角の小さなクラブであっても、必ずバックスピンがかかっています。

 これはゴルフボールを遠くに飛ばす設計のひとつでもあります。

 遠くに飛ばすには、打ち出す際の角度だけでなく、バックスピンの揚力を利用して、落下を抑えて飛距離を伸ばす狙いがあります。

 物理学の観点からバックスピンで生じる揚力を少しだけ考えてみましょう。

 流体の中を回転している物体が前方へ移動していく場合、流体の粘性による働きにより、回転している面上を引きずられる形で、進行方向とは直角方向に力が働いてしまいます。

 これをマグヌス効果と呼びます。

 粘性が低いものの、空気も流体であり、ゴルフボールが飛ぶ際にはこのマグヌス効果が少なからず影響してきます。

 進行方向に対してバックスピン(逆回転)のボールでは、鉛直方向上向きに力が働き、これがボールを空気中で浮かす役割の揚力として働いています。

 そのため、どの番手のクラブであっても、必ずバックスピンが生じる設計になっているというわけです。

 スライスやフックなどでボールが曲がるのもまったく同じ原理です。

 このボールの回転軸が右に傾いているか、左に傾いている違いだけで、ひとえにマグヌス効果によるものです。

 ここで風による影響を考えてみましょう。

 アゲンストの風は進行方向とは反対の向きに吹いている風ですから、当然のこととして、ボールが前に進む勢いを殺してしまいます。

 それに加え、マグヌス効果では流体の密度が高いほど、力がより強く働きますから、進行方向とは反対向きに吹く風によって、ボール周辺にある空気の密度が上がり、揚力が増す方向に働きます。

 前に進むエネルギーが上向きに変えられて消費されてしまう結果、ボールが吹き上がって高く上がるだけで思ったほど飛ばないという現象が起こってしまうわけです。

 反対にフォローの風は進行方向と同じ向きに吹いている風ですから、こちらも当然のこととして、ボールが前に進む勢いを助けてくれます。

 ただし、ボールの進行方向と同じ向きのフォローの風では反対にボール周辺にある空気の密度が下がるため、マグヌス効果による揚力は減る方向に働きます。

 無風の状態であれば、打ち出し角に対して理想的なバックスピン量で打ち出されたはずのボールは、フォローの風の影響下では必要な揚力が得られずに落下してきてしまいます。

 フォローの風でボールが落とされたようにドロップしてしまうときがあるのはこうした理由からです。

 ただし、アマチュアの場合、球を掴まえる技術が乏しいため、フェースが開き過ぎる分だけ、常日頃から無駄に多くバックスピンがかかる傾向があります。

 こうした人の場合、フォローの風が余分な揚力を抑えてくれるので、理想的な打ち出し角とバックスピン量の状態に近づき、予想以上に飛ぶ現象も起こったりします。

 フォローの風の中でより遠くに飛ばすには、揚力が減ることを考慮して、理想的なバックスピン量よりも多めになるようにブロー角を調節してあげる必要があるというわけです。

 単純にドライバーでダウンブローにしてしまうと、バックスピン量は増えても、打ち出し角が低くなってしまいます。

 スプーンを使用してダウンブローに打てば、ドライバーの打ち出し角度を保ちながら、通常のドライバーショットよりもバックスピン量を多くすることができて、理想的な状態に近づけることができます。

 ただし、こうした調整は理想的な状況に近いスイングのプロや上級者での話です。

 普段の自分の状況を把握できていないアマチュアの場合は、フォローの風の中で実際にボールを打った結果を見て、逆算して通常のショットを理想的な状態に近づける方向に還元することの方が必要かもしれません。

 フォローの風はそうしたことにも使える貴重な機会ですから、いつもより遠くに飛んだ!と、はしゃぐばかりではなく、少しぐらいは上達にも役立ててみてくださいね。


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何かと誤解の多い『左の壁をつくる』とは?

2016年02月16日 13:13

 右打ちでゴルフする人は(左打ちの人であれば右)左サイドに『壁をつくれ』と言われたり、そういうことを耳にしたことがある人は多いと思います。

 この『壁をつくる』という言葉は非常に誤用されていることの多いゴルフ用語のひとつです。

 これは、一般的に『壁』と言えば、誰でも建築物の構造上の『壁』を思い浮かべるため、静止した状態で垂直に立つイメージを持ちやすいことに起因しています。

 実際には、少し異なるバイオメカニクス(生体力学)的な意味があるのですが、『壁をつくる』動作を生体力学の観点から理解していない人が伝えようとした場合、要旨の部分が抜け落ちて、伝言ゲームのように最終的には全く違うものとして伝わってしまう危険性を孕んでいます。

 ここでは『壁をつくる』動作の生体力学的な意味をいくつか説明していきます。

 スピードが要求される類のスポーツ競技では、身体の中心部の重くて力強い部位から、徐々により末端の軽い部位へと、力が効率良く伝わっていくことが肝要となります。

 スイング動作を回転運動として捉えた場合、身体の中心部の重い部位というのは回転しにくい慣性モーメントの大きい部位であり、反対に末端の軽い部位というのは回転しやすい慣性モーメントの小さい部位と考えることができます。

 関節の可動を妨げない程度に末端の筋肉を弛緩させた場合、慣性モーメントの大きい身体の中心部位から動き出すだけで、その後、末端の筋力を使わなくても、慣性モーメントの小さい末端の部位に力が伝わるだけで、基本的にはスピードが加速していく身体構造になっています。

 ただし、そのスピードの伝達効率を高めるには、『作用・反作用の法則』に則り、力が次の慣性モーメントの小さい部位に伝わる際に、その前の慣性モーメントの大きい部位が土台となってしっかりと支えてあげる必要があります。

 こうした意味合いから、見かけ上、身体が止まって見える瞬間が生まれるので、それを観察した人が身体を止める動作の必要性を強調して説いてしまう場合が多いというわけです。

 加速を支えることが大事なのに、止めることが目的になってしまうと、本来の目的を見失いかねないので、注意が必要ということです。

 ゴルフのスイングに限らず、野球のバットスイングでも、テニスのラケットスイングであっても、『壁をつくる』動作というのはある程度共通した動きになります。

 これにはボールを打とうとしている方向に近い足を踏み込む動作を伴います。

 「上体が流れないように」などと注意されますが、ここでもなぜ「上体が流れてはいけない」かの説明が抜け落ちていると、形だけを真似した意味のない動作になってしまうことにも。

 これを理解するにも少しだけ力学的な知識が必要となります。

 スイングをクラブヘッドの円運動として捉えた場合、ヘッドスピードを上げるということは、円軌道の接線方向の加速度を上げるということに他なりません。

 この円軌道の接線方向の加速度を上げるためには、力学的には求心加速度を上げる必要があります。

 簡単に言えば、ヘッドスピードを上げるには、回転軸のある中心方向に引っ張るという動作が必要ということです。

 高速で回転する物体には遠心力(回転中心から遠くに離れていく方向への力)がかかることはよく知られています。

 この遠心力に耐えるためには、遠心力がかかる方向とは反対向きに身体を斜めに傾けてあげると、地面反力を求心力成分として効率良く利用することができます。

 「上体が流れないように」斜めに踏み込むのは、こうした力を活用して、力強く引っ張るためというわけです。

 こうした理由から、『壁をつくる』動作はスイングを最終加速させるためには必須とされます。

 体重移動を重視するにせよ、ボディーターンを重視するにせよ、重力下でゴルフをする以上は、今後も必須とされ続ける部類の話になると思いますよ。


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ローリー・マキロイ選手に代表されるツイスト動作とは?

2016年02月20日 11:15

 前回、『壁をつくる』動作が円軌道であるスイング軌道を接線方向に加速させるためには必要だというお話しをさせていただきました。

 右打ちの方の場合、リリース直前に左足を踏み込むことで地面反力を求心力として利用するものでした。

 こうした話は昔から知られており、直線的に荷重移動を行う場合には特に強調される類の話です。

 他のスポーツ用具に比べて、ゴルフにおいては比較的小さなクラブフェース部分でボールを捉えることに加え、バックスピン量と打ち出し角のバランスでボールの揚力を得ている関係上、スイング中の上下動はミスヒットの原因のひとつとして忌み嫌われています。

 よく知られているとおり、インパクトの前後で膝の屈曲角度を保ちながらスイングすると、トップやダフリなどの上下ミスヒットを簡単に防ぐことができます。

 そのため、足を踏み込む動作においても、膝の屈曲角度が変化しないように保ちながら力をかけるアイソメトリック的な動作が好まれる傾向がありました。

 ただし、ここ20年間取り沙汰され続けて、今やスイング理論の中核を担うようになったボディターンスイングでも、『壁をつくる』動作は少し形を変えて利用され続けています。

 ボディターンスイングでは骨盤を股関節から前傾させた状態で、骨盤を回旋される動作が主体となります。

 こうした回旋系の動きは、臀部と大腿部の筋肉の連携によって行われています。

 ボディターンスイングでもリリース直前に左足を踏み込む動作は利用されますが、膝を曲げたままだと、骨盤の回旋を妨げてしまうので、踏み込む力をかけながら膝は伸展させていきます。

 膝を伸ばすと、上下動を起こしてしまいそうですが、骨盤の回旋に伴って、股関節が背中の方向に移動してくるタイミングで行えば、上体の高さに影響を与えずに膝を伸ばすことができます。

 というよりも、アドレスからインパクトまでは骨盤を股関節から前傾させた状態を保っているので、膝の伸展によって大腿部が押し上がってこないと、骨盤を滑らかに回旋させることができないはずです。

 ゴルフスイングで腰を回す際、「鼠蹊部に沿って股関節を切り上げる方向に腰を回す」と表現されるのはこのためです。

 アドレスのときだけ前傾姿勢に気をつけるだけではなく、リリースが終わるまでは前傾姿勢を保つ必要がここにもあるんですよ。

 ボディターンスイングの場合には、通常、『壁をつくる』動作がこうした骨盤の回旋を妨げない形で組み込まれているため、もう必要無い動作と思われがちです。

 ただし、リリース直前に左足を踏み込むことで地面反力を求心力として利用する『壁をつくる』動作がボディターンに内包されているだけで、円軌道であるスイング軌道を接線方向に加速させる機能面は失われていません。

 その証明となるのがローリー・マキロイ選手のツイスト動作です。

 ツイスト動作とは、ボディターンの最中にもかかわらず、インパクト付近で腰が一瞬だけ逆方向に回旋した後、本来の方向の回旋に戻ることを言います。

 マキロイの腰の回転の速さと柔らかさは言わずもがなですが、それにも増して速いのが踏み込み動作です。

 踏み込みによる膝と股関節の伸展が骨盤の回旋を追い越してしまうため、回り過ぎた骨盤の回旋が元の軌道タイミングに戻る際に、腰が逆方向に回旋した後、本来の回旋に戻ることが、ツイスト動作の現れる原因となっています。

 マキロイ選手はPGAツアー選手の中でも5本の指に入るほどの飛ばし屋ですが、その身長は175cmと小柄です。

 リリース時にジャンプするほどの踏み込み動作をするのは、幼少期という体重の軽い時期に、体重に比例する少ない地面反力を補うために、無意識にジャンプ動作をスイングに組み込んだことの表れです。

 マキロイも幼少期からゴルフを始めたボーンゴルファーでもあり、ボーンゴルファー特有の技能と言えます。

 大人になっても体躯に劣る選手がツアーで戦えるだけの飛距離を得るためにジャンプ動作を利用し続けているのは、幼少期に培った財産を活かした結果でもあるというわけです。

 レイトビギナーが真似をすると、身体的にもスコア的にも怪我をするのでご注意を!


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脇が締まったスイングとは?

2016年03月03日 10:51

 格闘技をしているようなマッチョな方がゴルフをしている時、「胸の筋肉が邪魔をしてゴルフスイングができない」というような発言をよく耳にしますが、これはゴルフスイングに対する誤解の表れと言えます。

 ゴルフスイングでは、腕が胸の前を移動しなければならない動作はひとつもありません。

 また、腕が身体の幅から大きく離れることもゴルフスイングでは必要とされていません。

 こうした動作が必要とされるのは『手打ちスイング』の場合だけに限られます。

 格闘技の技を繰り出すにしろ、ゴルフスイングと同様に、『脇の空いた』状態になることはタブーとされているはずです。

 これは身体の中心にある体幹部から発生する大きな力が、末端部に伝達される途中の脇で途切れてしまい、腕だけの力しか利用できないというエネルギー効率の悪さを嫌うからです。

 運動神経に長けた方でも、ことゴルフとなると、普段自然に行えている動作を忘れてしまうのは不思議ですよね。

 打撃系の動作においては、『腕を振る』という大きな動きに惑わされて、『脇の空いた』状態になりやすいので、ゴルフスイングをより難しくしています。

 では、この『脇の空いた』状態とはどんな状態なのでしょうか?

 「脇を締めろ」と注意されると、「体幹部から腕が離れてはいけないんだな」と思って、上腕部を肘まで身体にぴったりと貼り付けるように、脇に力を込めて絞めてしまう人がほとんどでしょうが、これも間違いです。

 こちらも『脇の空いた』状態と同様、身体の中心にある体幹部から発生した大きな力が慣性モーメントのより小さい部位に伝わっていくことで生じるスピード変換の流れを、力を込めた脇が遮断してしまうからです。

 『脇の空いた』状態とは、上腕部が脇の下から『前後に離れた』状態ではなく、『横に離れた』状態のことを指します。

 クラブを横に振るイメージを持つと、腕を胸の前を通過させたり、フライングエルボーになったりと、上腕部が脇の下から『横に離れた』状態になってしまいます。

 これは腕の力で無理やり腕を操作する『手打ちスイング』の典型でもあります。

 忌み嫌われるフライングエルボーでは、肘の関節が鉛直方向ではなく、水平方向に向いてしまいます。

 自分の腕の力で横には動きやすくなる代わりに、一番効率の良いとされる地球の重力をスイング加速に利用できなくなる分、かなり損をしています。

 地球と喧嘩して勝てる人はいませんよね。

 よくプロや上級者が口にする「自然に腕が落ちてくるのを待つ」ためには、肘の関節が下を向いている必要があるわけで、『手打ちスイング』ではいくら待っていても腕は落ちてきません。

 肘の関節の向きから考えても、腕が身体の幅から外れていく横方向の動きは、非常に効率の悪い動きというわけです。

 プロのゴルフスイングでも腕が横移動しているように見えるのは、身体の回転によるものですが、実際には腕は縦方向に移動しています。

 アドレスでは両方の手でゴルフクラブをグリップしている関係上、肘の関節は自然に下を向きます。

 その肘の関節の向きに素直な動きとは上下動であり、自然な動きを腕にさせてあげることがエネルギー効率の良いスイングと言えます。

 縦方向の動きに対して、多少斜めになるのは、方向転換の際に慣性が働いて、腕がその場に留まろうとして、横方向の動きが加わわるためです。

 手打ちの人が『ボディーターンスイング』を真似しようとすると、腕の動きに合わせて身体を回転させようとしてしまいがちですが、これは力学的には無意味です。

 これでは腕が主で、体幹が副であることがまったく変わっていません。

 『ボディーターンスイング』では、末端部に近い手や腕の力をできるだけ抜いて、でんでん太鼓のようにスイングするとよく表現されますが、腕を横方向にぶらぶらさせるイメージではなく、縦方向にぶらぶらさせるイメージが最も適しています。

 アドレスで正しい前傾姿勢を取って、バックスイングでは飛球線後方に振り回されて腕が自然と上がっていくように、体幹部を回転させてみてください。

 反対にフォワードスイングでは腕が飛球線前方に振り回されて自然と上がるように、体幹部を回転させます。

 こうした体幹部を主体とした動きが『ボディーターンスイング』のコツのひとつとなっています。

 この際には、腕や脇の下に力を込めず、組んだ手を身体の正面にぶら下げているだけであることに気付いてください。

 こうした腕を縦方向に使える準備をすることが『脇が締った』状態というわけです。



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スイングアークを大きくするとヘッドスピードは上がる?落ちる?

2016年03月13日 10:00

 ゴルフのテレビ中継の際にゴルフ解説者がよく口にする「スイングアークが大きくて素晴らしいスイングですね!」というフレーズ。

 これはいったいどういうスイングのことを言っているのでしょうか?

 ゴルフのプロや上級者の場合、まず基本的に振り幅が大きくなるほど、バックスイングとダウンスイングの軌道とでは同じ軌道を辿らず、乖離してきます。

 バックスイングはほぼ円軌道を辿ってトップポジションまで上げられますが、これに比べてダウンスイングではバックスイングの内側の軌道を通ってクラブが降りてきます。

 遠くに飛ばす必要のあるときほど、この傾向は強まります。

 なぜこうした軌道の違いが生じるのかを考える上で、前回も話題に挙げた回転運動の概念である『慣性モーメント』という考え方が有効。

 『慣性モーメント』という概念は、何もゴルフクラブの性能を示すだけではなく、スイング効率を大まかに考える上でも大いに役立つんですよ。

 慣性モーメントとは『回転運動における重さ(質量)』、もしくは『回転運動のしにくさ』を示す物理量
でした。

 ヘッドスピードを上げるには『回転運動のしにくさ』を下げてあげる必要があります。

 つまり、慣性モーメントの小さいスイングをするということです。

 慣性モーメントは以下のように定義されることから、

 慣性モーメント(I) = 質量(m)×〔回転半径(K)〕²

 スイングの慣性モーメントを下げるには、いくつかのポイントがあることがわかります。

 まず、質量に関してですが、肩・上腕・前腕・手といった身体の重さであったり、ゴルフクラブ・グローブ・ウェアといった用具の重さも、当然のことながらスイング中には変えることはできません。

 スイングの慣性モーメントを下げるためにスイング時にできることと言えば、こうした重量のあるものをできるだけ回転軸に近いところを通して上げるということだけです。

 簡単に言えば、フィギュアスケートのスピン時と同様、腕を身体に寄せることで回転スピードを速めることになります。

 ただし、ゴルフでは身体の回転スピードが上がったとしても、ヘッドスピードが上がらなければ意味はないので、完全に腕やクラブなどを身体に張り付くほど寄せることはありません。

 肘や手首を上手に畳んで、腕とクラブが全体として回転軸を中心にバランス良く配置される形が理想とされます。


 こうして得た身体の回転スピードをリリースによって、最終的にはクラブヘッドの加速に変換していくわけです。

 リリース後には遠心力が働き、その結果としてフォロー側のスイングアークが大きくなります。

 従って、スイングアークは意識的に大きくするものではなく、回転スピードが速くなった結果でしかないということです。

 こうしたスイングの構造を理解した上で、フォロー側のスイングアークを大きくするイメージを持てればいいのですが、バックスイングやダウンスイングをいたずらに大きくしても効果は期待できません。

 ヘッドスピードを上げようとして、スイングアークを大きくしようと意識すると、かえって逆効果になるのはこうした場合です。

 重量物が身体の遠くを通る分だけ、回転半径が大きくなり、慣性モーメントの大きいスイングになってしまいますからね。

 特にダウンスイングではスイングアークを大きくするイメージは厳禁というわけです。

 とはいえ、ダウンスイングのスイングアークを小さくするにしても、力ずくで肘や手首の関節を折り畳むのもだめです。

 次の運動連鎖(鞭動作)に移行しやすいように、腕や手には力を抜いた状態で、体幹部の左サイドが先行して回転することによって、自然に腕や手の関節が折れるようになることを目指してくださいね。


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ゴルフでの臍下丹田の使い方

2016年09月06日 11:15

 東洋医学・武術では臍下丹田に意識を集中されることが身体を上手に扱う上でのコツとされます。

 へそした三寸とも云われ、おへそから約9cm下に位置し、骨盤で覆われている部分の中心でもあります。

 元々、臍下丹田には身体の重心があるとされています。

 実はゴルフでもこの臍下丹田と大いに関わっている部分があります。

 それはグリップの位置です。


 ゴルフクラブの構造に従って、クラブのライ角通りにグリップした場合、グリップエンドは臍下丹田を指します。

 アドレスでは大抵は誰でもできていることですが、ここから差が出るところです。

 現在のゴルフスイングは身体の大きな部位や筋肉を動力源としたボディターンスイングが主流。

 このボディターンスイングの利点のひとつはビジネスゾーンの動きが安定する点です。

 そして、ビジネスゾーンのコツのひとつがグリップを臍下丹田の前に保つことなのです。

 ゴルフは手でゴルフクラブを握って振りまわすイメージがありますから、どうしても初心者の頃は腕の力を使ってスイングしてしまいがちなのは仕方のないこと。

 だからといって、いつまで経っても手打ちではいけません。

 第一、飛ばないし、正確性を保つのにも、それ相応の練習量をいつまでも必要とするからです。

 ビジネスゾーンの間はできるだけ臍下丹田の前でグリップを保つことを覚えると、腕の力を抜いた状態でも、飛距離が伸び、スイングの再現性も高まるだけでなく、それを維持するための練習量も節約できます。

 では、なぜ、臍下丹田の前にグリップを保つと、ショットが安定するのでしょうか?

 東洋医学・武術的には臍下丹田は『気』が集まる場所とされますが、『気』を扱うことができなくても、その位置に意識を向けるだけで、重力を効率良く扱えるようになります。

 ここで云う重力は、腕やクラブの落下エネルギーではなく、身体の重さのことです。

 身体の重心となっている場所なので、意識を集中させるだけでも、前後左右の重量配分を整えることができるというわけです。

 重量配分が整った状態は、地面反力を利用しやすいニュートラルな状態ですし、グリップを身体の重心に近づけることで、手に力を込めなくても安定して力が伝わるため、ゴルフクラブのような長い道具も扱いやすくなります。

 アドレスでのグリップと身体の間隔は、通常、グリップ1個分から1個半くらいが適正と言われています。

 正しく前傾したアドレスの状態で、懐にクラブの通り道を確保する関係上、この程度の間隔を最低限必要としています。

 それでもグリップ2個分以上空いている場合には重力を活かしきれていない可能性が。

 俗に手打ちと呼ばれる状態も、スイング中のグリップ位置が常に臍下丹田の正面から外れた状態 とも言えます。

 この場合、クラブに安定した力が伝わらないため、それを補おうと必要以上に腕や手に力が入った状態になりがちです。

 実は、プロや上級者のインパクトがハンドファーストの形になるのも臍下丹田の位置に関係しています。

 トップからの切り返し以降、上半身と比較して、下半身を先行回転させることがセオリーとなっています。

 インパクトでも、ターゲットラインに平行になっている上半身よりも下半身が先行して回転し、左を向いているために、骨盤の中心に位置する臍下丹田も左を向きます。

 左に向きを変えた臍下丹田に合わせて、その前にグリップ位置を置くと、ボールよりも手元が先行したハンドファーストの形になるというわけです。

 そうしようと意識しようがしまいが、自然とこの状態が最も力が伝わりやすいグリップ位置であることを感じ取っているのはさすがにプロというところ。

 もうひとつヒントとなる例え話をするなら・・・

 惑星間飛行を行う宇宙探査船の制御方法のひとつとして、スイングバイ(もしくはフライバイ)というものがあります。

 一つ目の惑星に近づき観測を行いつつ、その近くを通過する際、惑星の重力や公転運動量を利用して、宇宙探査船の速度を上げたり、方向を変えたりして、燃料を消費せずに飛行する制御方式のことです。

 臍下丹田とグリップの関係は、この惑星と宇宙探査船の関係に似ています。

 臍下丹田から遠く離れた位置であるトップポジションから、臍下丹田の勢力圏であるビジネスゾーンに入り、最も臍下丹田に近づいた位置でインパクトを迎え、加速しながら再び遠く離れて、フィニッシュへと向かうイメージです。

 臍下丹田の勢力圏とは、臍下丹田(骨盤)の向きと合わせて、グリップの位置が身体の幅の範囲内に収まった状態です。

 骨盤を回転されると、その向いた方向に力の及ぶ勢力範囲が移動します。

 また、両手でグリップしたときに肘の関節の向きが地面を向き、腕を上下にだけ動かしやすい状態であれば、臍下丹田からグリップ位置が上下に離れていても問題ありません。

 身体を回転させる目的と言えば、捻転だけに目が奪われがちですが、骨盤を回すことも大事な要素です。

 併せて腕を上下に扱うことができれば、臍下丹田に向けて、グリップをスイングバイさせることができるというわけです。

 プロとアマのスイングの決定的な違いはここですね。


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『舌を出すと手が伸びる』裏技でスイングスピードが速くなる!

2016年12月09日 09:34

 日本テレビ『DON!』やテレビ東京『ソレダメ!あなたの常識は非常識』など、何度かテレビ番組で取り上げられた医学博士の土田隆先生が紹介する『舌を出すと手が伸びる』という裏技。

 その概要とは?・・・。

 人間の細い首の周辺には、中枢神経である脳から伸びる神経や血管など、細くて重要な器官が集中しています。

 また、そうした大切なものを守るために、首から肩にかけて数多くの筋肉が複雑に配置されてもいます。

 手を伸ばすという動作する場合、身体全体が不安定な状態になるため、こうした筋肉群が緊張して硬くなることによって、首を安定させ、神経等の大切な器官が傷つかないように保護する仕組みが働きます。

 こうした首・肩が緊張している場合、筋肉自体が収縮して短くなるわけですから、肩の筋肉が腕を引っ張っている状態でもあります。

 手を伸ばす動作は、その意図に反して、手が伸びにくい状態になっているわけです。

 動物は疲れてくると、舌を出して大きく息をつく動作を無意識に取ることがありますが、これは単に呼吸を助けるために気道を確保するだけでなく、首の筋肉の緊張状態を緩め、脳への血行を良くするためでもあります。

 こうした『舌を出す』ことによって、首・肩の筋肉の緊張をほぐすことができる機構を応用して、腕を伸ばして手を遠くに届かせたいときに利用したものがこの裏技です。

 ゴルフでも、タイガー・ウッズが舌を出したまま、スイングするシーンが取り上げられたことがあります。

 これも筋肉の緊張をほぐして、滑らかなスイングを促すための予防策のひとつとされています。

 スイング軸が安定している人では効果を発揮しますが、同時に首の保護も解いているわけですから、軸の安定していない人にとっては注意が必要です。

 舌を出す行為によって、力みを抑える効果もありますが、だからといって、それでも無理やり強く振ろうとすると、同時に首の保護も解いているだけに、首の神経や頸椎などを損傷する身体的な危険を伴います。

 粗忽な人では舌を出していることを忘れて、食いしばって舌を噛んだりする危険もあります。

 腕に力を込めて強く振るのは、上腕・前腕・手・指の筋肉の収縮を伴うわけですから、スイングアークが小さくなるととともに、スイングスピードにブレーキをかける行為となります。

 また、腕を伸ばしてスイングアークを大きくしようとすればするほど、無意識に大事な首を守ろうとして、首・肩が硬直し、同時に腕が引っ張られて、スイングアークが小さくなってしまうということです。

 スイングの慣性モーメントを小さく保つために、スイングアークを小さくする必要のある『切り返し直後のダウンスイング初期』には腕に力が入っても悪影響は少ないのですが、スイングアークを大きくする必要のある『インパクトからフォロースルー』に近づくほど、腕の力みがスイングスピードの低下を引き起こします。

 というのは、現代の主流となっているゴルフスイングでは、下肢・体幹の大きな筋肉を動力とし、力が慣性モーメントの大きな部位から小さい部位へと伝わる行程でスピードに変換されていく仕組みを利用しているため。
 
 こうした加速を損なわないためには、あくまでも、上肢がリラックスした状態がゴルフスイングには必須となります。

 首を痛めない程度に軽くスイングする前提の話ですが、こうした腕がリラックスした状態をサポートする目的で、ダウンスイング中盤以降に舌を出すと、スイングスピードの加速を体感できる裏技となってくれるかもしれません。


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ヘッドスピードアップには腕の運動量を下げること

2017年01月21日 12:31

 ゴルフショットでの飛距離は、ボールスピード・打ち出し角・スピン量の飛びの三要素のバランスで決まるとされています。

 打ち出し角やスピン量は、重力が働く地球上で放物線運動であったり、空気との摩擦や圧力差などの空気抵抗や揚力であったりと、なかなか難しいことを考えなければなりません。

 それに比べて、ボールの初速が速ければ、遠くへ飛びそうだというのは、感覚的にも理解されやすいため、まずはボールスピードを上げることに取り組んでみようと思うことが多いのではないでしょうか?

 ボールスピードを上げるためには、ヘッドスピードとミート率を上げることが必要となります。

 現在、ミート率の指標とされるスマッシュファクターは、ボールスピードの数値をヘッドスピードの数値で割っただけのもの。

 ボールスピードを上げるという観点にだけ着目すれば、単純な要素のようですが、打ち出し角やスピン量とも関連して飛距離に反映してくるので、本質的な中身はなかなかに複雑です。

 結局のところ、ヘッドスピードを上げることが一番手っ取り早いと感じるかもしれません。

 それでは、速度を上げるべきヘッドスピードとは何でしょう?

 インパクト付近のクラブヘッドの速度ですよね。

 クラブのエネルギーをボールとのインパクトでボールに移動させて、ボールスピードを上げるわけですから。

 言うまでもなく、バックスイングのヘッドスピードが速くても、インパクト前のダウンスイングでヘッドスピードが最高速に到っても、インパクト付近でヘッドスピードが遅いのでは意味がありません。

 それではインパクト付近のクラブヘッドの速度を上げるには?

 ヘッドスピードを上げようと意識すると、人は漠然と腕を速く振ろうとする傾向にあります。

 『ヘッドスピード ≒ ハンドスピード』とイメージするようです。

 実際にヘッドスピードが速い人は、腕の振りであるハンドスピードが特別速いわけではありません。

 むしろ、ヘッドスピードが遅い人の方がハンドスピードは速かったりもします。

 プロのスイング動画をスロー再生して観察してみればわかりますが、腕はしっかりと写っていますが、クラブシャフトはヘッドに近づくほどぼやけて写りにくくなります。

 最近のゴルフ雑誌の連続写真では、カメラは性能が良くなり、1秒間の撮影コマ数も増えたため、クラブヘッドまでしっかり写った写真が載ることが多くなりましたが、一昔前の連続写真でもコマ数の少ない動画のスロー再生のようになっていました。

 これは腕の振りに比べて、クラブヘッドの振りが極端に速くなっていることを示しています。

 ここで注目したいのは、ヘッドスピードの速さではなく、腕の振りの遅さ・小ささです。

 最近のプロゴルファーは体幹の力を主体とし、体幹と腕の回転を同調させているため、特に横方向への腕の運動量が少ない傾向にあります。

 体幹スイングのスキーマ(構造的な枠組み)は、慣性モーメントの差を利用したエネルギーのスピード変換にあることは以前にも書きました。

 重い部位からより軽い部位に伝わる際に勝手にスピードが増す仕組みと簡単に考えても差し支えありません。

 ただし、これはあくまでも部位間の繋ぎ目である関節が滑らかな場合だけ。

 主に足首、膝関節、股関節、肩関節、肘関節、手首の関節などが関わりますが、可動域が狭いと、そこでエネルギーの伝達効率が落ちて、スピードは増しません。

 男性のヘッドスピードが遅い人は、筋力不足というよりも関節がぎちぎちに硬い場合が多く、筋力を増す意図で行った筋トレのせいで、ますます関節の動きが硬化してしまうケースも。

 全体的に部位間のエネルギー伝達が悪いことからこそ、一番クラブに近い部位である腕だけを速く振って、本能的に関節の数を減らそうとしているかもしれませんね。

 ただそれでも、肘・手首の関節が柔らかくないと、腕の加速させることだけにエネルギーを浪費してしまって、ヘッドスピードは上がりません。

 また、腕を速く振ろうとするのは、助走を取らない幅跳びのようなもので、クラブの一番近い部位である腕の小さなエネルギーしか使えないため、非効率的です。

 体幹スイングで大きく飛ばすためには、重力と地面反力を足の先から蓄えつつ、各部位で生じたストレット・ショートニング・サイクルのエネルギーを関節でロスすることなく伝え続け、一番軽いクラブヘッドまでリレーしていくことです。

 そのためには、最後のヘッドスピードが増すように関節の滑らかさを意識する方が大切で、むしろ腕の運動量を下げるくらいの意識が必要というわけです。


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ヘッドスピードの裏に隠れる±α的要素

2017年01月31日 14:53

 ヘッドスピードを測定できる場所は、以前にはゴルフクラブの量販店くらいでしたが・・・。

今では個人用の簡易型ヘッドスピード測定器が市販されており、練習場やゴルフ場で自由に測定したりできます。

こうした測定器を購入しなくても、一部の練習場にはスイング動画を撮影できる機械が打席に設置され、その機能の一つとして、ヘッドスピードの測定結果を利用する機会も増えています。

 さて、このヘッドスピード、単純な数値でありながら、なかなかの曲者です。

 測定する速度が直線運動であれば、話は比較的簡単なのですが、ゴルフのスイングでは基本的に円軌道を描いています。

 技術的な工夫などにより、直線に近い部分を増やした楕円軌道になっても、直進する部分はありません。

 一般的にヘッドスピードはインパクト時のクラブヘッドのスピードを測っているわけですが、ヘッドスピード測定器の測り方によっても、違いが出てしまうのはこの円軌道が一因でもあります。

 スイングの細部に目をやると、右足軸・左足軸・背骨軸の回転、肩・肘・手首の関節の角度変化などといった身体的運動に加え、シャフトのしなりやクラブヘッドの回転などの道具の運動の相互作用であるだけに、話は3次元的に複雑です。

 最も単純化した場合に、シャフトの回転スピードに着目し、その先端に取り付けてあるクラブヘッドのスピードを取り出したものが、一般に言われるところの『ヘッドスピード』というわけです。

 ただし、シャフトの先端にヘッドが取り付けられているといっても、ゴルフクラブはシャフト軸線上にヘッドの重心が重ならない構造をしているために、シャフトの回転運動によって、クラブヘッド自体も独自の回転運動をしてしまいます。

 このヘッドの回転運動がヘッドスピードの裏に隠れている要素になります。

 慣性力の影響によって、その場に留まろうとする力が働くため、基本的にはフェースが開く方向にヘッドは回転してしまいます。

 シャフトの回転と同調してくれずに、留まろうとするために、ヘッドスピードに対しては減速させる方向に働くというわけです。

 重心距離が短いクラブほどヘッドは返りやすく、重心距離が長いクラブほどヘッドは返りにくくなるという性質はあるのですが、相対的な話であって、どちらも基本的には返りにくい性質です。

 ヘッドを返してボールを捕える技術が乏しい初心者には、重心距離が短いクラブが適していると言われるのはこのためです。

 逆に、ヘッドを返してボールを捕える技術さえあれば、シャフトの長さに加えて、重心距離の長さの分だけ、より長いシャフトを使用しているのと同じ効果が出るため、そういう意味で、「重心距離が長いクラブは飛距離性能が高い」とも言われています。

 そうは言っても、ヘッドを返してボールを捕える技術がないと、重心距離が長いクラブはヘッドが返りにくく、反って飛距離が落ちることになります。

 ヘッドスピードが同じであっても、飛距離に差が出る原因のひとつがこのヘッドを返す技術にあるというわけです。

 ここで誤解してはならないのは、何でもかんでもヘッドを返せば良いという話ではなくて、シャフトの回転に同調したフェースローテーションを維持するに足る程度に必要ということです。

 確かに、フック系の球筋では、クラブフェースが閉じることによって、ロフト角が立ち、ボールとの衝突が正面衝突に近くなることから、必然的にボールスピード自体は上がります。

 だからと言って、例えボールスピードが上がったとしても、スピン量や打ち出し角との関連で、必ずしも飛距離が伸びるわけではないわけですし、過度に行えば、方向性が悪くなることは今更言うまでもないことでしょう。

 初心者用のクローズフェースやライ角がアップライトなクラブは、スライサーにとっては特効薬となりますが、いつまでもこうしたクラブに頼り過ぎていると、このフェースを閉じる技術は身につきません。

 ある程度上達したと感じたら、重心距離が長めのクラブにも挑戦してみてくださいね。

 ヘッドスピードを無駄に浪費しないためにも。


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これが無いから飛ばない!?形よりも大事なグリップワーク

2017年02月08日 08:41

 プロゴルファーによるスイングの連続写真を見ると、フェースローテーションはあくまでもスイングなりの自然に映りますよね。

 だからといって、フェースローテーションは不要と早合点しないでください。

 ここで忘れてはならないのがゴルフクラブの構造。

 そもそも、ゴルフクラブはシャフト軸線上に重心がない構造になっているため、振れば振るほど、慣性によってクラブヘッドもその場に留まろうとするので、フェースは自ずと開きやすい構造にあります。

 スイングの連続写真でフェースが閉じているようには写らないのは、このクラブ構造によるフェースが開きやすい性質とフェースを閉じようとする身体的な動作が拮抗しているからと考えるべきです。

 スイングなりの自然にヘッドが返っているように見えても、ヘッドスピードが速いほど、フェースが開かないように維持するのに、フェースを閉じる方向により多くのエネルギーを消費しているということ。

 それに加えて、多くのアマチュアが最初は違和感を覚えるほど、ゴルフスイングでは強烈に左手が反時計回り(外旋)に反転する瞬間があります。

 ゴルフではスイングの再現性をより大切にすることから、「こんなに手首が回転していたら、インパクトで正確にボールを捉えることができるはずがない。」と感じ、これは間違いだなと曲解してしまうほどです。

 そのため、アマチュアゴルファーの多くがこれを教えられても、この手の動作の修得はおろか、練習にすら至らないというのが実態です。

 このことが上級者との間の決定的な差を生むことになります。

 これは教える側でも、このグリップワークを軽視し続けてきたのも問題かもしれませんが・・・。

 剣道・剣術でも『手の内』は明かせない極意と言われるほど、大事なことでありながら、グリップワークは人それぞれ違ってくるため、なかなか伝えるのが難しい領域でもあります。

 アームローテーション自体は比較的緩やかに行われますが、グリップワークは劇的です。

 米国のティーチングでは、グリップワークは『ミルキング(milking)』と呼ばれる『乳しぼりの動作』を例えとして、教えられています。

 乳しぼりでは、お乳が逆流しないように親指と人差し指で押さえながら、中指・薬指・小指の順に外側へしごいていきます。

 剣道では『手の内』のコツとして、茶道の『茶巾しぼり』に例えられます。

 「なぜ、剣道なのに茶道なの?」と訝しがるかもしれませんが、戦国時代以降の武士は嗜みとして、茶道を心得ていたため、武士にとって身近な茶道に例えられたのが現代でも伝承されているためです。

 それはさておき、こうした手順で左手のグリップを握ることによって、手がグリップを固定する役割だけでなく、『てこ』の支点と力点の役割を持たせることもできます。

 この場合の『てこ』は、大きな岩を棒で動かすような『力を得する』タイプのものではなく、力を損して、『速度を得する』タイプの『てこ』です。

 左手の親指・人差し指側が支点、左手の中指・薬指・小指側が力点となり、クラブヘッドが作用点となるので、『第1種てこ』に分類されます。

 てのひらの幅を差し引いたシャフトの長さ(40inch前後)に対して、てのひらの幅(4inch前後)というごく短い長さで『てこ』を動かすため、ヘッドスピードの加速倍率は約10倍と相当大きなものとなる反面、その分、相応の力を必要とします。

 元々、左手の親指や人差し指は支点として働くような性質を持ち合わせていないので、同時に右手の人差し指・中指・薬指・小指の基節(第二関節と第三関節の間)の部分を力点として、左手の回転を補佐する形を取ると、左手にかかる負荷が減ります。

 左手と右手の2つの力点を回転させながら、真ん中に支点を作りあげる要領です。

 その意味では、『第1種てこ』と『第3種てこ』の混合型とも言えます。

 あくまでも加速タイプの『てこ』ですから、原理的に大きな力が必要ですが、このグリップワークに慣れないうちは、特に力のベクトルが分散してしまうために、左のてのひらや右指にかなりの負荷がかかります。

 両手の2つの力点が支点を中心に、身体の左前方向に三次元的な円を滑らかに描けるようになるに連れて、次第に必要最低限の力で『てこ』を動かすことができるようになります。

 実は、シャフトのしなり戻り現象とはこの反時計回りのグリップワークから生まれます。

 傍から見ると、手元を止めているように見えるかもしれませんが、そうではなく、『加速てこ』を利用するのに手元を反転させて、なおかつシャフトを加速させているからこそ、進行方向とは逆方向にシャフトがしなるというわけです。

 ただし、切り返し後に腕を自然落下させた後、この回転を始める関係上、回転の方向はスイングプレーンに沿ったものとはかなり外れます。

 この回転方向のズレが感覚的にはなかなか受け入れられない方向であるからこそ、プロのように効率良く飛ばすことができる人は限られてくるのかもしれませんね。


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最初から丸く振ろうとしてはいけない理由とは?

2017年02月24日 11:55

 武術の達人を始め、スポーツにしても最上級者の動きは、流麗さで万人を魅了します。

 その所作は、千変万化する水の流れや無数の円運動の組み合わせなどを連想させますよね。

 それと比べると、それ以外の大多数の人の動きは、どこか直線的で、その継ぎ目の淀みがどうしても目に付いてしまうものです。

 ただし、熟達した円運動にも見える動きは、直線的な動きの角を取っていく過程で出来上がったものではありません。

 それとは反対に直線的な動きを無数に増やした結果、多角形の角が増えていく過程を経て、より円に近づいたものと言えます。

 ゴルフスイングの例えとして、糸の先におもりを付けた振り子がよく用いられます。

 振り子を加速しようとした場合、糸を摘まんだ手元を回転させるのではなく、直線的な往復運動をさせるというやつです。

 実際にやってみるとわかりますが、最初は左右に揺らしてあげる意識が必要となります。

 次第に遠心力がかかって円弧を描きだすと、往復運動のタイミングを合わせるだけで、振り子の円運動が加速されることが実感できます。

 この振り子と手元の動きの関係は、そのままゴルフスイングにおけるクラブヘッドと手元の動きを表しているものです。

 人の身体の構造上、動力源となる筋肉の収縮は直線的な動きです。

 初心者にとっても直線的なイメージで動いた方がより簡単に動けますから、直線的な動きが基本となります。

 直線的な往復運動だけでも2度加速することはできますしね。

 上級者の加速は基本的には4箇所で四角形になりますが、これも直線的な動きの延長線上にあります。

 振り子に等速円運動をさせようとする場合、向心力(求心力)の向きは振り子の運動方向とは90度の差が必要です。

 円運動からやや崩れる形になりますが、この向心力とほぼ同じ方向に手元を引くことで、滑らかに加速させることができます。

 理屈の上では、切り返しのようにクラブヘッドの位置が左方向へ向かうときには、手元を下方向へ引いて加速します。

 ダウンスイングのようにクラブヘッドの位置が下方向へ向かうときには手元は左方向へ。

 インパクトのようにクラブヘッドの位置が右方向へ向かうときには手元は上方向へ。

 フォロースルーのようにクラブヘッドの位置が上方向へ向かうときには手元は右方向へといった具合です。


 ただし、ここで注意が必要なのは、手元の動きも受動的な部分を含むということです。

 ゴルフスイングでは、腕自体も振られる関係にあるため、手元自体も引くと云った能動的な動きを意識するよりも、左肩や頭の運動の影響を受けて、受動的に動かされる意識が必要となります。

 手元も多軸回転の一つの軸にすぎず、直線的に動かす意識が必要なのは、大本である主軸の方になります。

 タイミングが難しいのは、主軸となる左肩や頭の運動と手元の運動との間にタイムラグが生じることに加え、終始コックの角度が変化してしまうためです。

 それでも、上級者のスイング加速は、基本的には回転軸の直線的な動きで行われ、四角形がそのスタート地点となります。

 上級者ほどこの直線の動きひとつひとつを大切にしていますし、その数を増やすことによって、より円に近い多角形へと高みにのぼっていくというわけです。

 飛距離を欲する人ほど、四角形を意識しましょうね。


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