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捻転差の大きさよりも飛距離アップに貢献してくれるものとは?

2017年03月01日 09:19

 飛ばし屋のスイング解説をする場合、必ずと言っていいほど取り上げられるのが下半身と上半身の捻転差。

 実際のところ、捻転差がゴルフスイングにとって大事であろうことは、誰しも漠然と認めるところでしょう。

 でも、捻転差に関しては誤解が多いものです。

 そのひとつが下半身と上半身の捻転差が大きいほど飛ぶと勘違いされている点。

 一般的に捻転差と云った場合、トップポジションで、ヒップターンによって腰が右に約45度回転した状態とソラックスターンによって肩が右に約90度回転した状態との約45度の角度差のことを思い浮かべることでしょう。

 これはこれで意味のあることなのですが、飛ばし屋に共通する捻転差とは別物です。

 もし、捻転差を大きくして飛ばそうとする意図で、ショットをする前にストレッチを行っているとしたら、大問題です。

 運動する1時間以内に可動域を広げる静的ストレッチをしてしまうと、一般的にスピードに関するパフォーマンスは低下してしまうことが、運動生理学の分野では常識となっています。

 こういう急性的な可動域の拡大は、飛距離アップには貢献してくれないばかりか、害にすらなります。

 それでは飛ばしに貢献してくれる捻転差とは何なのか?

 そもそも下半身と上半身の捻転差とは、下半身が上半身よりも先行する下半身リードによって生じるものです。

 ただし、スイング軌道の再現性を目的とするものとスイング加速のためのものとでは、下半身リードの性質も異なります。

 どちらも『引く』ことのメリットを主眼としたものですが、スイング軌道の再現性のための下半身リードでは、スイング中終始、捻転差が維持され続けるのに対し、スイング加速のための下半身リードでは、一時的に捻転差に小さな変化が生じます。

 この変化する捻転差は、左腕から左広背筋にかけての部分の伸びによるものです。

 模範的とされる切り返しの動作では、トップに至る前、クラブがバックスイング側に動いている最中に、下半身はクラブの運動方向とは反対側に先行して動き出します。

 この時、バックスイング側にまだ慣性移動しているクラブとは反対方向へ動きを下半身が導くことによって、主に身体の左腕と左広背筋の部分が両方向へ引き伸ばされることになります。

 これがいわゆる切り返しの『間(ま)』というものです。

 『間』と言うと、トップポジションで1拍待ってから打ちに行くイメージを持つかもしれませんが、仮に1拍待てば、その間もクラブは慣性で進み続けるので、トップポジションを通り越してクロスオーバーしてしまいます。

 『間』と云うのは、待つ際にできるものではなく、はたまた同時に動くどころか、バックスイングの最中に下半身が動き出す際にできるものとイメージし直してくださいね。

 クラブがまだバックスイング中に下半身が動きだしても、身体が引き伸ばされるので、傍から見ると、一瞬止まったように見える『間』が生じるだけです。

 とはいえ、引き伸ばされる伸び代部分は腱の部位だけですから、捻転差と呼ぶには余りにも小さな変化ではあります。

 それでも、上半身と下半身を同時に切り返した場合とは比べ物にならないくらいの威力を発揮してくれます。

 以前にストレッチ・ショートニング・サイクルとして紹介したとおり、筋肉は単に収縮するよりも、引き伸ばされた後に収縮した方が大きな筋力を発揮できます。

 それは筋出力と発動レベルが反比例する7つの筋肉の種類に着目し、遅筋よりも発動しにくいが、収縮速度の速い速筋を稼働させるための方策でした。

 ここで重要なのは筋出力の違いだけでなく、力の働く方向も大事です。

 単に下半身と上半身の捻転差を大きくしようとして、無理やり身体の力で捻りあげても、それが戻る際に、その力は飛球線とは正反対の方向に向い、遠回りの軌道を描き過ぎるため、ダウンスイング側へ加速させることは方向的に難しくなります。

 これに対して、慣性移動しているクラブの運動を利用すれば、クラブの慣性エネルギーが消費された瞬間に、左広背筋に引かれて、身体の近くを腕が内回り軌道で下りてくるため、ダウンスイング側へ加速させることが方向的にも容易になります。

 下半身リードの感覚を掴むのには、上下で引っ張り合いをするイメージで動作を開始することが大切です。

 上半身と下半身が同時に動いてしまっている人は、開始のタイミングが遅過ぎます。

 クラブが真上に上昇しているイメージの時に、膝から力を抜いて身体全体が落ちる自然落下するイメージで、身体が上下に引っ張られる感覚を掴むくらいで丁度良いかもしれません。

 これができると、次の行程のクラブが自然落下させることもできるようになり、ハーフウェイダウンのポジションまで上半身が打ちにいかずに済むため、そこまでタメを深く維持することができるメリットもあります。

 もし、飛距離を伸ばしたいと考えているのなら、捻転差を大きくしようとするよりも、クラブの慣性力を利用した下半身リードを身につけてみてくださいね。


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スイングの美味しいところを利用しないのは損!?

2017年03月25日 15:07

 ゴルフクラブの進化とともに、その道具に合わせてスイングも変化していると言われています。

 確かに、ヘッドの素材はパーシモンからメタル、現在はチタンへと変わり、軽量化によって、様々な形状で、ヘッド容量も大きくなってきました。

 シャフトの素材にしても、ヒッコリーからスチール、現在はカーボンへと変遷し、工業製品の安定性というだけでなく、剛性・弾性などの性能もアップし、こちらも軽量化が図られ、目まぐるしく変化し続けています。

 ただし、ゴルフクラブの性能が向上しているとは言っても、刀が斧や槍へと変わったわけではなく、ゴルフクラブとしての基本的な形状・性質は保たれたままです。

 ゴルフには伝統を重んじる規制がゴルフ規則の中には折り込まれていますから、これは当然のことです。

 道具の進化によって、いままでのスイング理論はまったく意味を成さないなどということはありません。

 中にはキャッチコピー的に従来の理論を一新するような文言が使われるケースもありますが、その中身も従来あるものの延長線上にあるものにすぎないか、まったく論拠に乏しい独り善がりな解釈であったりします。

 ゴルフは長い歴史の中、いろいろと方法論が試されてきました。

 その中で今まで消えずに残った技術に関しては、何らかの有意義な部分があるとみた方が賢明だと言えます。

 タメを作るスイングにしても同様です。

 プロゴルファーの間では、タメの比重は年々低くなってきています。

 最近では体幹の動きを主体としたスイングがスイングの安定性の面から重視されていますが、これはトレーニング方法が発達した結果、スイングのエネルギー効率を無視しても、この非効率さを体力面で補う方法があるからです。

 それでも、タメが必要無くなったわけではなく、そのマイナス点の部分を排除した形で利用され続けています。

 アマチュアの場合、プロアスリートのようなトレーニングはなかなか望めないわけですから、タメのプラス部分を利用しないのは損にしかならないとも言えるくらいです。

 それではタメのプラス部分とはなんでしょうか?

 それはゴルフをしている人であれば誰でも聞いたことがあるくらい有名なことです。

 そう、ヘッドスピードが上がるということです。

 ただし、タメを作れば、即飛距離が伸びるわけではありません。

 でも、一度作ることができれば、リリースする瞬間だけはヘッドスピードは劇的に上がってしまいます。

 これはアーリーリリースの人でも一緒です。

 リリースのタイミングが早い人では肩口、平均的なアベレージであれば、腰の高さでくらいまでにはタメのリリースが済んでしまいますが、この瞬間だけはクラブヘッドの動きが速くなっています。

 シャッタースピードを速くした高速連写やハイスピード動画撮影できるカメラで撮影して、一コマずつ送って確認してみれば、一目瞭然。

 それまでなかなか先に進まないヘッドの動きが、急激に大きく動くコマを見つけることができるはずです。

 それこそ、「ワープしたの?」と訝しむほどの激変ぶりです。

 それは手首のコックを解いた瞬間と右肘のタメを解いた瞬間の二箇所。

 この二箇所の加速域をインパクト領域に持ってくるのがプロの技というわけです。

 ただし、余りにも劇的に加速するためにデメリットもあります。

 少しでもタイミングが狂えば、入射角が安定しないという点が第1の欠点。

 急加速によって、スピン量も増えてしまうのが第2の欠点です。

 プロのスイングが、タメを抑えて体幹スイングでパワーを補う方向に移っていったのはこうした理由からでもあります。

 例えば、30歳後半のセルヒオ・ガルシアが今でもヘッドスピード55m/s程度を保っていられるのも、このタメのお陰様ですし、そのデメリットのため、同程度のヘッドスピードを出せる体幹を鍛えた若い選手に比べて、幾分かは平均飛距離で負けてしまうのも、致し方ないことです。

 プロにとっては若干のデメリットはあるものの、アマチュアが見逃してしまうには余りに惜しい部分です。

 ただし、アマチュアのほとんどができないことを考えると、確かに難しい技術であることには違いありません。

 自力で左肩を動かした瞬間にタメはリリースしてしまいますから、プロは幾つかの技術でこれを防いでいます。

 バックスイングではコックを入れないで、関節を柔らかく保ったまま、下半身リードの切り返しで、遅めにタメを作ることもそのひとつ。

 バックスイングでは右膝の位置を保ったままにして、その反動で静かに下半身を戻すのも、左肩の力で肩を戻さず、下半身の動きでタメをリリースさせない方策のひとつ。

 切り返しの後、腕を真下に落とすのも、タメをリリースさせずに、インパクトのできるだけ近くまでクラブを進める技術のひとつです。

 腕を落として、ハーフウェイダウンの位置になって初めて、方向転換して振り出すことによって、タメのリリースをインパクト付近まで遅らせているというわけです。

 ヘッドスピードの遅い人がこのスイングの美味しい所を利用しないのは勿体ない話です。

 スイングの再現性では劣るため、自分が指向するゴルフの好みによっては邪魔になる部分もあるかもしれませんが、飛距離を望む上では避けては通れない大切な技術というわけです。


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飛ばし要素となる前傾姿勢とは?!

2017年03月29日 13:37

 ゴルフレッスンを受けたり、ゴルフスクールに通ったりしたことがある人は、必ずと言っていいほど、前傾姿勢の大切さを教え込まれます。

 レッスン本から独学でゴルフを学んだ人にしても、その重要性に気づかずに読み飛ばしていたとしても、読んだ本の中のどこかには、前傾姿勢の大切さが語られていたはずです。

 これほどまでに重要視されてきた前傾姿勢ですが、その内容はスイングの再現性に関するものがほとんどしょう。

 その内容というのは、スイングは楕円軌道となるため、スイングプレーンに対して直角な軸を用意してあげること。

 クラブ設計通りのライ角に沿ったスイングプレーンを作るには、そのスイングプレーンの面に対して直角になる角度まで、上体を前傾させることが必要とされます。

 これをもって、スイングが歪まず、プレーン上を滑らかに振ることができるというものです。

 これまではゴルフをしてきた者なら、誰でも聞いたり、読んだりしてきた内容なので、改めて詳しく説明する必要はないでしょう。

 ここで問題とするのは、スイング中にプロがこの前傾姿勢を保っているかという点です。

 その週に調子の良い選手のスイングを取り上げて、スロー再生を見ながら、解説者が「前傾姿勢が崩れず、頭の位置が変わりませんね。」なんてコメントをすることを目にする機会が多いと思います。

 実際、アマチュアと比べれば、相対的に前傾姿勢が保たれ、頭の位置も激しく変化しないのですが、「あれ?結構、変わっているよね?」と疑問に思った方も多いはず。

 そうなのです。

 プロの中には前傾姿勢をかなり変化させるタイプの選手がいるのです。

 特に最近の選手は幼少期からゴルフに親しんだボーンゴルファーであることに加え、プロツアーで活躍する年齢も若年化していることもあって、そのジュニア時代のスイングが色濃く残る傾向が強まっています。

 体重も少なく、身長も低い子供達が一生懸命に飛ばそうとして、本能的に編み出すジャンプアップスイング。

 膝の曲げ伸ばしによって、スイングの回転軸の一つである左肩を上下にタイミング良く引っ張って、回転するクラブを加速させています。

 無意識の沈み込みとジャンプによって、ストレッチ・ショートニング・サイクルの原理をスイングに取り込んで、加速に利用しているのにはただただ驚くばかりです。

 スイングの再現性が悪くなるからといって、大人が止めさせる傾向があるのは残念なところでもあります。

 このジャンプアップスイングが再現性に対して悪さをするのは、正しい前傾姿勢を取っていない人、もしくは身体の硬い人だけの話。

 仮に前傾が浅い棒立ち姿勢だと、沈み込みにしても、ジャンプの伸び上がりにしても、その上下動がそのままスイング面を上下に揺さぶってミスが出てしまうことは、周知のとおりです。

 ただし、スイングの再現性を高める前傾姿勢の役割は、何が何でも前傾角度を保つということではありません。

 通常、沈み込みと伸び上がりの相殺で、上下動の帳尻を合わせて、頭の位置が上がり過ぎるのを防ぎ、スイングの再現性を妨げないというだけの目的ですが、さらなる進化形が存在します。

 飛ばすためのエネルギーがスイングの再現性に対して悪さをするのを柔軟性で吸収してしまうのがその役割です。

 そのためには前傾姿勢を保つ意識ではなく、股関節を柔らかく保ち、膝を曲げて沈み込んだ後、膝を伸ばすと同時に腰全体を後ろに引くことによって、前傾角を大きくする動作が利用させています。


 腰全体を後ろに引くことによって、前傾角を大きくして、より積極的に頭の位置を更に下げて、最終段階のフォロースルーからフィニッシュまでのヘッドの加速にも利用しています。

 インパクトで頭を下げて、深くなった前傾角の分だけ、左肩の回転を上向きに働かせる余地を作って、重力加速度の方向と合わせて、更なるスイング加速に利用している選手がいる点も見逃せません。

 積極的に足を使った上下の動きは、柔軟性を失った人にとってはマイナスになることも確かです。

 ですが、柔軟な身体を持つ者にとっては、股関節を柔らかく保ち、前傾姿勢を変化させた重心コントロールによって、再現性でマイナスにならずに、飛距離の面でプラスになる動かし方もあるということを覚えておいてくださいね。

 身体の硬くなった中年男性では、まずはストレッチからになりますが・・・。


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素振りは実際に打つときよりもヘッドスピードが速いのが正解!

2017年05月27日 11:49

 一昔前とは違い、大型店のゴルフショップだけでなく、ゴルフ練習場であったり、廉価版のヘッドスピード測定器が販売されていたりと、自分のヘッドスピードを測れる環境には恵まれています。

 実際にヘッドスピードを測ってみると、測定値にかなり違いがみられる場合が多々あります。

 これは測定誤差が大きいということよりも、むしろ設定誤差が大きいということに起因しているようです。

 例えば、ゴルフクラブを売りつけたいと考えるショップは、ヘッドスピードが速いと煽てて気分良くするために、ヘッドスピードの測定値が高めに出るように設定された機械を使用する傾向があることは昔から噂されているところです。

 市販の廉価版ヘッドスピード測定器は、最初はシャフトの先端に取り付けるバネタイプの簡素なアナログ式のものでした。

 その後、磁気テープをヘッドに貼るデジタル式のプロギア『ヘッドスピードステスター』が発売されました。

 やっとデジタル化された測定値を気軽に測れる気分を味わえたものです。

 ただし、測定器の傍を磁気テープが通らないと、測定ができず、初心者にはかなり緊張を強いられるという弱点がありました。

 2007年に発売されたブリヂストン『サイエンスアイポータブル』もまた磁気テープタイプでした。

 2008年にはマグネットテープが必要とせず、レーダー測定の技術を利用したユピテル『ヘッドスピードテスター GST-1』が発売されたのは画期的な出来事でした。

 その後、アトラス『ゴルフスイングトレーナー(GST)』シリーズとして、廉価版ヘッドスピード測定器の主流になっていきます

 また、初期型のGST-1が発売された翌2009年には、ユピテル製でプロギアOEM製品のプロギア『レッドアイズポケット』が発売されています。

 以前、こうした廉価版のヘッドスピード測定器を同時に並べて測定したところ、

ヘッドスピードステスター > ゴルフスイングトレーナー > レッドアイズポケット

 の順で、2~3m/sずつ測定値が低く出たのを記憶しています。

 自分のヘッドスピードを測る機会は増えたにしても、本当のところは自分のヘッドスピードがどの程度なのかという疑問はまだまだ残るかもしれませんね。

 こうした各測定器による値の違いはあるものの、測定器毎の測定誤差はそれほど大きくないので、これから飛距離を伸ばそうとする場合には初期値として充分使用できます。

 飛距離はヘッドスピードだけで決まるものではないので、あくまでも目安として使用することにはなりますが、フィードバックするための手掛かりの一つになることは確かです。

 さて、お題の素振りと実際に球を打つ際のヘッドスピードの違いです。

 磁気テープタイプはインパクトゾーンのヘッドスピードを測るものでしたが、移動体を検知するレーダータイプで、素振りを測定した場合には測定範囲の中で最速の測定値を表示することになります。

 素振りでのスイング中、インパクト前が最速であっても、インパクトゾーンで最速になっていても、はたまたインパクト後に最速になっていたとしても、その最速値が同じであれば、その値がそのまま表示されます。

 素振りで出た高い値は、インパクト時のヘッドスピードを必ずしも示すものではないということです。

 実際に球を打つ場合、インパクトでボールとヘッドが衝突すると、ヘッドのエネルギーがボールの加速に消費されてしまうので、当然のことながら、インパクト後のヘッドスピードは減速してしまうわけです。

 このことから、実際に球を打った場合の測定値は、ダウンスイングして測定可能エリアにヘッドが侵入してからインパクトまでの間の最速値ということになります。

 素振りと実際に球を打った際の測定値にかなり違いが出て困惑する人もいるかと思いますが、違いが出て当たり前です。

 と言うか、素振りの測定値が実際に球を打つ際よりも速い場合には、インパクト以降までしっかり加速できているので、当たり負けしないエネルギー効率的に正しいスイングと言えます。

 かたや、素振りと実際に球を打った際の測定値が変わらない場合は、インパクトで丁度最速を向かえているか、もしくはインパクト前にヘッドスピードが最速になり、インパクトまでに減速している可能性すらあります。

 真っ直ぐ飛ぶにもかかわらず、ヘッドスピードの割には飛距離が出ない場合には、こういう減速スイングをしている方が多いものです。

 素振りで出た値を自身のヘッドスピードと捉えるのには誤解があるものの、スイングの覚え方としては素振りの値が高く出るように振ることが正解ということですね。


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プレーンを外さずに速度を上げる沈み込みと伸び上がりの方向とは?!

2018年01月01日 11:12

 ダフリやトップの原因とされる沈み込みや伸び上がりですが、飛距離が300ヤードを超えるような選手が利用している必須動作の一つでもあります。

 アマチュアとの沈み込み・伸び上がりと決定的に違うのは、方向とタイミングです。

 まず、ここではスイング加速に寄与する沈み込みと伸び上がりの方向について説明します。

 沈み込みと伸び上がりというと鉛直方向に上下動する動きをイメージするでしょうが、飛ばし屋が利用しているのはちょっと違い、クラブプレーン(クラブのライ角に沿った面)に対して、上下動しています。

 沈み込みはクラブプレーンに沿って斜め下方向へ、伸び上がりはクラブプレーンに沿って斜め上方向へ。

 クラブプレーンと平行に上下動させるのは、スイングプレーン上の円軌道をクランク機構のピストンのような直線的な往復運動を利用して、ヘッドスピードを加速させるためです。

 ここでタイミングとの兼ね合いが必須となるのですが、まずは沈み込みと伸び上がりの方向を揃えておくことが先決です。

 「体重移動は左足の母指球に向けて荷重をかける」と云われますが、母指球に対して真上から真下に荷重をかけるのではなく、クラブプレーンと平行な斜め下方向に母指球へ荷重をかけていきます。

 これが正しい沈み込み(腰掛け動作・スクワット動作)の方向になります。

 飛ばし屋に共通するのは、この沈み込みと切り返しを同時に行い、切り返しでストレッチショートニングサイクルを活用しているという点です。

 ストレッチショートニングサイクルを利用できると、トレーニングによる筋力アップ無しにそれだけで筋出力が2~3割増しで発揮できるため、劇的にヘッドスピードが加速してしまいます。

 余りにも劇的に加速してしまうので、ほんの少しの方向のズレで、スイングプレーンの軌道から簡単に外れてしまうほどです。

 ですから、ストレッチショートニングサイクルが働く方向と平行に沈み込みの方向を整えておく必要があるというわけです。

 ただし、これだけではまだ不十分です。

 それまでインサイドインのスイング軌道だった場合、切り返しからの急速な加速度アップによって、インサイドアウトの軌道が助長されて変形してしまいます。

 そのため、クラブパスの変化によって、フック回転が促進され、ストレートボールの持ち球の人でも常時チーピンが出るほどになります。

これを補正する方法として利用できるのが伸び上がり動作です。

 「体重移動は左足の踵方向に荷重をかける」と云うのは、この伸び上がりでの2段階目の荷重移動を示したものです。

 こちらも真上から真下にではなく、クラブプレーンに平行に荷重をかけていくことが大切です。

 これができているかどうかはインパクトでの左膝の伸びで判断できます。

 インパクトで左膝が伸びる動きもスイング軌道を外す悪い動きと考えられがちですが、こちらもクラブプレーンに沿って斜めに伸ばされることによって、スイングプレーンから外れること無しにスイングの最終加速に役立ってくれます。

 それと共に、ストレッチショートニングサイクルによって、インサイドアウト軌道を余儀なくされたものをアウトサイドイン側に補正する機能もあります。

 沈み込みと伸び上がり動作は、飛ばし屋にとっては2段階加速機構になっていると共に、2つがセットとなって初めてスイング軌道を整えることができるというわけです。

 単独では非常に使い勝手が悪く、ゴルフスイングにはとても利用できそうにない代物ですが、二つ揃うと強力な武器にもなってくれる不思議な関係です。


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体重移動のタイミングは見かけよりもずっと早い!?

2018年01月05日 12:37

 通常、レッスン本などのスイング解説では、スイングポジションの順にアドレス→ハーフウェイバック→スリークォータートップ→トップオブスイング→切り返し→・・・(省略)・・・→フィニッシュといった見た目の形で説明されていくことが多いものです。

 ただし、スイングに要する1・2秒程度という短い時間の中では、やりたいと思っていることと実際に結果として現れることは違ってきます。

 これは感覚器から情報をキャッチしてから運動器官が反応するまでには、神経伝達や情報処理に要する間にタイムラグが発生するからです。

 それゆえ、100m走のフライング判定では、人間の反応時間を考慮して、号砲から0.1秒以内にスタートを切った選手をフライングと判定しているわけです。

 ゴルフスイングをポジション毎に分析するのは有効な手段ではありますが、細分化された各シーンの中でそれを再現しようとする場合には、このタイムラグの影響を考慮してやらないと失敗してしまいます。

 ここで冒頭のスイングポジションの順番に話は戻ります。

 飛ばし屋と呼ばれる人は、ヘッドスピードが速いということは当然ですが、それ以上に切り返しのタイミングが想像以上に早いものです。

 『切り返し』とは、『トップオブスイング』を迎えた後に間を入れて行うものだと考えている人も多いでしょうが、飛ばし屋と呼ばれる人達がやっている事とはだいぶ違います。

 まず、一つは先ほどのタイムラグの問題です。

 『トップオブスイング』の後に切り返そうと命令しても、身体が反応するまでにオーバースイングになってしまうということ。

 そうならないように、『トップオブスイング』の前のバックスイングの最中に切り返す意識が必要です。

 これとは別にもう一つ、飛ばし屋と呼ばれる選手の中には、ストレッチショートニングサイクルを有効活用するために、意図的に『切り返し』のタイミングを早くしている人がいるということです。

 ストレッチショートニングサイクルは、筋肉が伸ばされた状態で筋収縮されることによって、通常の2~3割増しの筋力を発揮する方法です。

 左体側部に張りを持たせた状態で収縮をするために、それこそスリークォータートップのタイミングで左足の踏み込みを始めている選手もいるほどです。

 飛ばない人は、一部の飛ばし屋と比較すると2段階もタイミングが遅い可能性があるわけです。

 ただし、『切り返し』のタイミングが早いと言っても、俗に言うところの『切り返し』のタイミングが早いとはちょっと違います。

 一般的に『切り返し』が早すぎると指摘される場合には、腕の力でクラブを振り下ろしており、下半身よりも先に上半身が動き始めてしまっている状態を指します。

 正確には『切り返し』のタイミングが早いのではなく、左足の踏み込みをきっかけとした本来の意味での『切り返し』が全くできていない状態と言えます。

 もう一つタイミングが遅い部分として、左膝を伸ばすタイミングです。

 理想的なフィニッシュでは、左足1本でもバランスが崩れないように、左膝が伸びて左足に体重が載った状態になっているものです。

 ただし、こと飛距離を伸ばす上では、左膝が伸びるタイミングはもっとずっと手前のインパクトです。

 本人が左膝を伸ばす意識はタイムラグもあるので、インパクト以前に行われているということになります。

 等速円運動では常に中心に向かって加速度がかかっており、円軌道を維持していますが、ここでの左膝を伸ばす動作によって加えられる加速度はそれを超えたものになります。

 飛ばし屋の驚異的なヘッドスピードは、円運動から逸れるほどの加速をタイミング良く与えることによって、スイングの最終加速を実現できているからこそ。

 どんなスポーツにでも言えることですが、運動神経が良く、センスが良いと言われる人ほど、足捌き(足運び)を重視して、先に下半身の動きから身につけていくものです。

 競技、技ごとに足捌きは違いますから、そこでのタイミングによって、リズムが生まれ、様になってきます。

 沈み込みや伸び上がりの方向については前回説明しましたが、足捌き(体重移動)のタイミングも併せて覚えていくことが大切というわけです。


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逆フレイル構造ゆえ、ゴルフスイングの加速は難しい

2018年01月09日 13:41

 ゴルフのスイングが見た目ほど簡単ではないことは、ゴルフを経験したものであれば誰でも知るところです。

 これには扱う道具が大きく影響しています。

 ゴルフスイングの構造を道具に例える場合、フレイル(唐棹)が用いられることがあります。

 唐棹(からさお)とは、穀物の脱穀に古くから用いられていた農具の一種です。

 脱穀としては千歯扱き(せんばこき)などを用いる『梳き(すき)』とは違い、筵(むしろ)の上に広げた穀物を棒で叩いて脱穀する『打穀』に用いられます。

 長い竹竿(棹)の先端に回転する短い棒(打ち棒)を取り付けた形状になっています。

 唐棹は、唐竿、殻竿とも書き、連枷(れんか)、くるり棒、舞杵(まいきね)とも呼ばれ、まさにこの道具の動きや機能からこうした名が付けられたものです。

 西洋ではこの農具を元にフレイル(flail)という武器が開発されました。

 全身甲冑を身にまとった敵に対して、剣の攻撃では効果が薄いため、打撃による対抗手段として応用されたものです。

 沖縄のヌンチャクも同様に唐棹を元に開発されたとされています。

 唐棹には、打ち棒と棹の間を紐や鎖で繋いだものの他、打ち棒の運動方向を安定させるため、軸木で蝶番関節のように繋いだものまであります。

 ヌンチャクのように紐や鎖で繋いだものは、動きの自由度が高いため、正確に扱うには難しい道具ですが、振るだけで子供でも簡単に強い打撃を加えることができる構造ゆえに、武器に転用されたというわけです。

 このフレイル(唐棹)は、長い棹の先に回転する短い棒を取り付けた形状がみそです。

 長い棹を振るだけで、勝手に短い打ち棒の部分を加速してくれます。

 仮に、フレイル(唐棹)を逆さにして、打ち棒の部分を持ち、長い棹を振ろうとしてみてください。

 実際にやってみるとわかりますが、非常に扱いにくい道具となります。

 ゴルフのスイングは、このフレイル(唐棹)を逆さに持った状態に似ています。

 この場合、腕が短い打ち棒の部分、ゴルフクラブが長い棹の部分、手首の関節が紐・鎖・軸木などに該当するわけです。

 ただし、ゴルフクラブの場合にはシャフトに比べて、比較的重量のあるクラブヘッドが取り付けてあるので、クラブヘッドに遠心力を与える振り方ができさえすれば、方向を比較的安定させることができます。

 とはいえ、加速に向いた器具ではなく、誰でも簡単に加速させることができる道具とは言えません。

 ゴルフの初心者がゴルフクラブを振ろうとした場合、コックの解けたアーリーリリースになることがよく知られていますよね。

 これは扱いにくい逆さフレイル状態を解消するために、手首を真っ直ぐに伸ばして、クラブと腕を1本の棒状にしようと無意識に身体が反応した結果でしょう。

 スインガーのスイングも、常にヘッドに対して遠心力をかけ続けている点では同じです。

 シャフトの機能を紐と同義と捉えるのは、こうしたスイングタイプの人だったりします。

 ただ単に振っていれば、加速してくれるフレイル(唐棹)とは違い、ヘッドスピードを効率よく上げるためには、振り方を工夫してあげなければならないのです。

 それはシャフトを紐でなく、力を伝えるものとして、利用することになります。

 誰でも簡単には飛ばし屋になれないのは、身体能力の差もさることながら、シャフトにこうした機能を発揮されるためには、少し特殊な身体動作や道具の扱いを必要とすることも関係しているというわけです。


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ほとんどのアマチュアに勘違いされているプロのスイング動作

2018年02月10日 12:55

 アマチュアとプロゴルファーの顕著な違いの一つに、飛距離の違いを挙げても誰も異論のないところでしょう。

 飛びの3要素と呼ばれる『ボールスピード』・『打ち出し角』・『スピン量』が飛距離に影響することが知られるようになって、もう随分と年月が経ちました。

 打ち出し角とスピン量との関係などは、最近の用具開発にも多大な影響を与え、年々プロゴルファーの平均飛距離を押し上げる要因の一つにもなっています。

 もう一つの飛びの要素である『ボールスピード』に関しては、物理を苦手とする者であっても、飛距離に影響しそうだということは想像に難くないはずです。

 この『ボールスピード』の値を上げるためには、『ヘッドスピード』か、『ミート率』か、もしくはそのどちらの値をも上げる必要があることは、今ではもうよく知られているところです。

 プロの場合には、打点やスイング軌道が安定していることもあって、ミート率に大差が生まれる余地はあまり残されていません。

 そのため、『ヘッドスピード』の差がプロ同士の飛距離の差として表れやすいというわけです。

 こうしたこともあって、飛ばすためには『ヘッドスピード』を上げることが、アマチュアの間でも至上命題とされやすい傾向にあります。

 これ自体は別に間違ってはいないのですが、『ヘッドスピード』≒『ハンドスピード』という勘違いが、プロのスイングからかけ離れてしまう決定的な違いになっています。

 プロとアマチュアのスイングを見比べた場合、どこが違うのかはわからなくても、漠然とではあるけれども、そこに何か決定的な違いが存在していることには気づいているはずです。

 『ハンドスピード』とは聞きなれない言葉でしょうが、クラブを握っている手元の速さともいうべきものです。

 腕振りの指標として使っても差し支えないと思います。

 対して、『ヘッドスピード』とは、クラブヘッドの速さの指標となるものです。

 手でクラブを握っているのだから、腕を速く振りさえすれば、ゴルフクラブの先に取り付けられたクラブヘッドも速く動きそうだと思うのは至極当然のことかもしれません。

 確かに手首を固めたロボットのようなスイングをした場合であれば、腕の振りを速くすれば、それに応じて『ヘッドスピード』が上がるでしょう。

 しかし、人間の手首はそもそも関節の役割があるわけですから、そんなにしっかりと固定することには向いていませんし、プロもそんなスイングはしていません。

 以前、スイングの逆フレイル構造について書いたように、ゴルフクラブとスイングの関係はただ振るだけで先端が加速されるフレイルとは構造を異にします。

 人間の身体自体も、身体だけであれば、身体の末端に向かうほど、短く、軽くなる構造をしているため、動物本来の動きをするだけで、運動連鎖によって、先端である指先まで苦も無く加速していきます。

 ただし、ゴルフではその指の先に、ゴルフクラブを持っており、そのゴルフクラブが指よりも大きく、重いという問題を孕んでいます。

 このため、フレイル(唐棹)の繋ぎ手部分のように、手首を単に柔らかく使うだけではクラブヘッドを加速できないということです。

 手首を常に固めるのでもなく、手首を単に柔らかくするのでもないところが、ゴルフでの手首の使い方が難しいといったところです。

 普通に振ったら、逆フレイル構造になってしまうものを身体の使い方を工夫して、クラブと身体の関係がフレイル構造に働くように、いかに扱うことができるかがスイングのポイントになっています。

 これと大いに関係しているのが、腕の使い方です。

 その中でも、腕のスピード変化に対する誤解が一番の問題となっています。

 一般的にクラブヘッドはインパクトまで加速を続け、ボールとの衝突による減衰がなければ、インパクトゾーン以降も加速するようにスイングすることが大事とされています。

 このため、インパクト以降も腕を振り続けてしまうという間違いを犯しがちです。

 実際には腕の加速は切り返しだけといっても過言ではなく、ビジネスゾーンに入る前から腕のスピードは減速を始め、インパクトでは最小になることが大事です。

 でも、これは単なる現象にすぎません。

 身体の大きな筋肉で発生したエネルギーが腕に伝わり、最終的にクラブに伝達できた過程で、結果的に腕のスピードが減速しているわけです。

 腕を止めてヘッドが加速する感覚を学ぶことは大切ですが、本来的にはクラブが走る結果として、インパクトに近づくに連れて腕の動きが減速してしまう動作を模索することの方が大事というわけです。


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上体と腕の相対速度を0にすることが逆しなりを起こす手始め

2018年02月14日 11:47

 前回、多くの人が勘違いしやすい動作として、インパクトゾーンでも腕を振り続けて、腕を加速させてしまうという誤解を指摘しました。

 今回もその続きです。

 どうしたらクラブを加速させるために、インパクトゾーンで腕を減速させることができるか?

 その一つの答えがプロゴルファーのビジネスゾーンにあります。

 ビジネスゾーンの大切さが語られる際、注目されるのはスイングの再現性に関することほとんどです。

 でも、ボールの飛びに関する効能も大いにあります。

 その最大の利点が上腕を固定することができる点です。

 プロのスイングの場合、腕の位置が腰の高さよりも下にくるビジネスゾーンにあっては、胸の上に上腕を載せただけの状態になっています。

 アドレスの際にグリップしたまま、上段の構えのように両腕を上げ、ゆっくり降ろしてくると、胸の上に上腕が収まります。

 これが一般的に脇の締まった状態と言われるものです。

 この状態をビジネスゾーンの間、終始維持しています。

 もし仮に胸の上にあなたとは別の小さな観察者Xがいるとした場合、胸から上腕の相対速度を測れば、0になります。

 どんなに上体が速く回転していたとしても、土台としての胸の上に上腕が載っているだけで、観察者X(胸)には上腕自体が静止している状態に見えるわけです。

 こうした相対速度が0になる固定した状態になっていると、物をしっかりと支えることができるメリットがあります。

 加速に必要な運動連鎖を起こすためには、今まで運動していた部位が次の部位に運動エネルギーを伝達する際に、今度は土台となって動かないということが大切な要素になります。

 そうした意味で、ビジネスゾーンの外側では胸から見て上下に動いていた腕を、ビジネスゾーン内ではクラブに運動エネルギーを受け渡す土台となるために、胸の上に固定される必要があるのです。

 全体としての動きから、動いているように見えるにもかかわらず、エネルギーが伝達される段階では相対的に固定されなければならないというのが最初の課題になるわけです。

 とはいえ、ビジネスゾーンの間、腕の動きを止め、脇を締めた状態を保つことは比較的簡単です。

 ある程度スピードの乗った切り返しができていれば、これだけでもインパクトでのシャフトを逆しなり状態にもっていくことができるようになります。

 飛ばし屋の場合には更に一工夫して、腕を止めているのですが、それはもっと高度なテクニックなので、別の機会にします。

 まずは、腕を横に振るのを止める決意が必要です。

 腕の横移動をさせにくくするために、肘を横に向けず、両肘が下を向くようにしてからグリップすることをおすすめします。

 肘の関節の機能を上下の動きにだけ制限させるためですし、肘の関節が横方向に折れて、横向きに力が漏れるのを防ぐためでもあります。

 後は、ビジネスゾーン内では上腕を胸の上に載せて相対的に動かさず、上体を回すことだけに専念することです。

 ただし、下半身を止めて、胴体だけの力で上体を回すと、上体を回せる範囲は狭くなり、ビジネスゾーン全体では窮屈になるはずです。

 脚の曲げ伸ばしも使って、上体を回せば、上体を回せる範囲が広がり、腕を一切振らなくても、ビジネスゾーンを自然にカバーできるようになります。

 一般的な観察者から見ても、腕を止めることが大切ですが、腕の速度を減速させる第一段階として、まずはこの胸と腕の相対速度を0にすることから始めてみてくださいね。


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もたもたしていたら逃げてしまう!地面反力を活かすためには?

2018年03月29日 10:36

 最近はゴルフでも頻繁に『地面反力』というキーワードが使われるようになってきています。

 この地面反力とはどういったものでしょうか?

 まだまだ勘違いされている方も意外に多いようですから、イメージしやすいように少し例を挙げて説明してみましょう。

 机の上で手を滑らせて鉛筆を落としてしまった際、「コ、コン」というに硬い物が短い間隔の間に数回弾んだ音がするのを聞いたことがあると思います。

 物が落ちる際、重力によって地面へ加速していく力が地面によって跳ね返ってくるのが地面反力というわけです。

 『作用反作用の法則』に従う力であるため、理論的には押した力と全く同じ大きさで、向きが正反対の方向に働くもの。

 ただし、地面が柔らかいと跳ね返りが悪いのは勿論のこと、地球上で常に働いている重力の影響もあって、時間と共に消えて無くなるように感じられるはずです。

 ここで注目したいのが、重力によってあっという間に打ち消されてしまうということ。

 これがどの程度の時間なのかを感覚的に学ぶ方法を紹介しましょう。

 誰しも子供のときに遊んだ縄跳びを使います。

 すぐに足に引っかかって続かない人は除外するとして、長く飛び続けることができる人とある程度飛ぶと疲れて続けられなくなってしまう人に差はあります。

 それが地面反力を使えているか、使えていないかの違いです。

 縄跳びの場合、地面に対して垂直方向に何度も飛び上がる運動であるため、地面反力を活かすことで消費エネルギーをかなり抑えることができるというわけです。

 縄跳びのエネルギー効率を調べる研究では、120回/分くらいのペースで飛び続けるのが一番消費エネルギーを節約できるとされています。

 100回/分以下のペースでは、地面反力が逃げた後に自分の足の力だけで飛び上がらなければならず、疲れやすいとのことです

 ダイエット目的であれば、100回/分以下のペースの方が痩せる効果は高いかもしれませんが、ゴルフスイングに地面反力を効率よく利用したいのであれば、120回/分のペースで縄跳びをするのが良い練習になるというわけです。

 120回/分のペースとは、1秒間に2回のテンポ。

 縄跳びのペースとしてはけっして速くもないペースですが、まずはこの地面反力と跳躍力のバランスの取れたテンポに慣れてください。

 ゆっくりと地面を強く踏むイメージとは違って、テンポ良く飛び跳ねるイメージですよね。

 これは地面反力の発生している僅かな瞬間に合わせて、飛び跳ねているからこそです。

 ゴルフスイングでも同じ。

 もし地面反力を活かしたいのであれば、荷重を抜いて、重力によって身体を落下させることがまず必要です。

 抜重させずに踏み込もうとすると、重力は利用できず、足の筋力だけに頼った弱々しく、軽いスイングとなります。

 しっかりと抜重し、重力に上乗せして、地面を蹴ることによって、より大きな地面反力が発生します。

 体重が重いほど、強く蹴れるほど、その地面反力が大きくはなりますが、それは瞬間的に発生し、すぐに消えてしまいます。

 その僅かな瞬間を逃さず、タイミング良く次の動作に繋げることが必須です。

 飛び跳ねるように地面反力を伸び上がり方向への力に加算するにしても、また同時に発生する大きな摩擦力から別方向への力として利用するにしても、活用できるのはほんの一瞬。

 「ゴルフスイングはタイミングが命」と言われる所以は、地面反力が一瞬しか利用できないという難しさからも理解できるというわけです。


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筋肉は弛緩と緊張のギャップが大きいほど大きな飛距離を生む

2018年06月01日 08:39

 腕に力を込めて、力瘤の大きさや硬さを自慢したことありませんか?

 力を誇示する行為ですが、果たしてその人が本来備わっている力を使いこなせているかは甚だ疑問です。

 人間という生き物は、自然界の中で肉体的には弱い存在。

 大型肉食獣の襲撃から身を守るという身体的機能は、残念ながら頭脳面以外では軽微なものしか備えていません。

 危機的状況に際して、アドレナリンが分泌されると、逃げる動作に必要な筋肉や心臓・肺への血流が促進されます。

 緊張時にお腹を下す人が多いのは、食べ物を消化するよりも逃げることが優先した結果だからです。

 また、出血を防ぐため皮膚への血流も制限され、痛覚を麻痺させる効果もあります。

 こうした緊急時の対応自体は生きていく上で必要不可欠なものですが、人間の場合、社会生活の中でも、精神的な要因から同様の緊張状態が強いられることが問題となります。

 社会的なストレスが直ちに死に直面するほどの強さではなくとも、常態的にストレスに晒されることによって、長い間、緊張状態が続くことによって、弊害が生まれるのです。

 リラックス状態に戻る暇がないくらい筋肉が燃焼を繰り返すと、筋肉への血流が悪くなって、筋肉の硬化が進み、筋肉同士も癒着を起こして動きが鈍くなります。

 動物は動作に際して、主導筋と拮抗筋が対を成して、アクセルとブレーキの役割を果たすように機能的な筋肉の配置になっています。

 ある動作ではアクセルとして、主導筋の役割を担っていた筋肉が、別の動作ではブレーキとして、拮抗筋の役割を担うこともあります。

 よく言われることですが、「筋肉が硬化・癒着した状態はブレーキを踏んだまま、アクセルを踏むようなもの」と表現され、その効率性の悪さが引き合いに出されます。

 皆さんもご存知の通り、筋肉は力を発揮しようとすれば、収縮して硬くなりますよね。

 全身の筋肉が緊張状態で常態的に硬く、10段階評価の8の状態にあるとすると、仮に筋肉の最大出力が10であったとしても、拮抗筋の硬さが8のブレーキとして働くため、動作としては2程度の評価しか得られないわけです。

 筋トレしても、スポーツとしての結果が出ないという場合には、筋力を高めている以上に、こうした緊張による筋肉の硬化を招いていないかに注意しなければなりません。

 しかも問題なのは、筋肉が硬化・癒着していること自体に本人が全く気づいていないケースが多い点です。

 筋肉が骨と見紛うほど硬くて、酷い状態であることも少なくありません。

 本来、筋肉は力を抜いた弛緩状態であれば、脂肪と区別できないほど柔らかいものです。

 筋肉が働く必要のない姿勢で、力を抜いた筋肉に触れた場合、筋肉だと認識できるようであれば、まだ力が完全に抜き切れていないと判断します。

 就寝前などベッドに横たわったリラックスした状態で、セルフマッサージで筋肉の凝りを揉みほぐしていくというよりも、むしろ触れた筋肉から力が完全に抜けていくようなイメージで、力を抜いてみてください。

 力を抜く訓練を続けていく内に、次第に筋肉を弛緩させることがやさしくなってきます。

 筋肉越しに骨を触って、骨の形状がはっきりと認識できるくらいまで柔らかさを目指しましょう。

 たとえ筋力が10段階評価の5であっても、筋肉の硬さが0に限りなく近くなれば、5に近い評価の動きができます。

 軽く振っている様に見えて、飛距離が出るという人は、こうした身体の準備が整っているからです。

 ゴルファーはカッチカチの筋肉ではなく、トロトロの筋肉を目指しましょうね。


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口呼吸では足を使っても下半身の力がヘッドスピードに変換されない

2018年06月17日 12:18

 口呼吸をしている人は、喉が乾きやすく、喉の粘膜を傷つけるため、様々な感染症のリスクが上がるとされています。

 これに対して、鼻呼吸の場合には、口呼吸に比べて、1.5倍程長い経路を辿る間に、冷たく乾燥した外気も温められ、加湿もされるため、感染症のリスクが下がります。

 そればかりでなく、鼻呼吸すると、気管支や血管を広げる効果のある一酸化窒素が放出されるため、呼吸器ばかりか、循環器系の負担も和らげる効果もあります。

 ただし、口呼吸が習慣になってしまっている人がいざ鼻呼吸に変えようとしても、気を抜くとすぐに普段から慣れ親しんだ口呼吸に戻ってしまうものです。

 これは普段の呼吸の仕方が浅いことが影響しています。

 口で呼吸してしまうのは、鼻づまりなどの理由から、鼻からの呼吸量だけでは息苦しく感じるからでしょうが、本来なら、暫くの間、鼻で呼吸をしていれば、一酸化窒素の効果で鼻づまりは解消されて、呼吸が楽になるものです。

 鼻づまりが解消されても、息苦しく感じてしまうのは、呼吸の仕方に問題があると言わざるをえません。

 古くから呼吸法には様々なものがありますが、以前に紹介した踵呼吸は、紀元前から伝わる『荘子』に書かれた歴史的にも古いものでありながら、解剖学的にも全身呼吸として有効であると思われる優れた知見です。

 こうした先人の知恵に倣い、少なくとも、鼻呼吸でも息苦しくない程度には呼吸の仕方を身につけたいものです。

 ゴルフというスポーツ競技では、心肺能力の限界を競い合うということはないことから、パフォーマンスに関しては、即座にスコアや勝敗に影響するものではありません。

 ただし、たかが呼吸と侮ることなかれ。

 呼吸の深さは疲れと大いに関係してきます。

 ゴルフツアーでは年間を通じて、3~4日間の試合が毎週のように続く中、練習ラウンドやプロアマ戦も含めると長丁場の戦いになります。

 ほんの僅かな呼吸や血液循環の差が疲労の蓄積となって、ツアー終盤戦の優勝争いやシード権争いに影響を及ぼすことも少なくありません。

 アマチュアゴルファーの場合、そんな長丁場とは無関係ですが、ラウンドの後半で疲れて大叩きしているような人には関係ない話とは言え切れませんよね。

 もっとゴルファーの興味を引く内容の話もあります。

 喉から踵まで通ずる呼吸に関する筋・筋膜経線であるDFL(ディープフロントライン)には、下半身の力を胴体に伝える役割があります。

 ゴルフスイングで、どんなに足を踏んばって力を加えたりしても、下半身リードを意識しても、ヘッドスピードがさほど変わらないという人は、このDFL(ディープフロントライン)が凝り固まっていて、機能不全に陥っているのかもしれません。

 このDFLに属する筋肉は、インナーマッスル(深層筋)です。

 アウターマッスル(表層筋)のように鍛える類の筋肉ではありませんが、呼吸などのごく小さな動きを通じて、繰り返し刺激されたり、姿勢制御などを通じて、活性化される類の筋肉です。

 姿勢が悪かったり、呼吸が浅い人が使えていない筋肉とも言えます。

 スポーツにおいては、インナーマッスル(深層筋)の重要性が認識されているはずですが、それは運動連鎖におけるエネルギーの伝播に影響するという理由からです。

 日頃、重力に抵抗することによって鍛えられた下肢(足)で発生した大きな力を、胴体に伝え、胴体から上肢(手)へと効率よく力を伝えるのがインナーマッスル(深層筋)の役割でもあります。

 インナーマッスル(深層筋)が機能していないと、たとえ大きな力が発生していても、複雑な姿勢で行うゴルフにおいては、力の伝播に減衰、もしくは断絶が起こり、最終的なヘッドスピードの加速に反映されません。

 まずは口呼吸から鼻呼吸に直すことが飛距離・スコアを伸ばすための第一歩になるというわけです。


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外見からでは見分けにくい手打ちと体幹スイングの差

2018年06月25日 12:01

 ゴルフでは手打ちという表現がよく使われます。

 もちろん、この場合の手打ちは、『手打ち蕎麦』のことでも、『和解が成立する』ことでも、『武士に切り殺される』ことでもありません。

 そのものずばり、手や腕の力を主体としたスイングのことを言います。

 良い意味で使われることは無く、ショットの不安定性や飛距離が出ない原因とされているものです。

 ゴルフを長年してきた人は、「手打ちは悪い」と言われ続けているため、悪いとは知っているものの、なぜ悪いのかということまでははっきりと認識していないものです。

 ゴルフスイングは、手でクラブを握り、腕を振り回して、ボールを打つわけですから、なぜ手や腕の力に頼ってはいけないのかと初心者が疑念を抱くことは当然と言えます。

 もちろん、手や腕の力を全く使わずにスイングしている人は皆無です。

 そうしたことから、手や腕の力をどの程度使ったら、『手打ち』と呼ばれてしまうのかという線引きすら曖昧だと感じている方もいることでしょう。

 ただし、ここで問題となるのは、どの程度ではなく、どのように使うかという点が大事です。

 ゴルフスイングでは、ボールを遠くへ飛ばすという目的もあるだけに、クラブを大きく速く動かす必要があります。

 クラブの軌道が円運動に近いため、初心の頃は腕もこうした円軌道に追従して、丸く振る傾向に陥りやすいものです。

 初心者の人ほど、腕を速く振れば、それだけでクラブがどこまでも速く振れると思っているため、手や腕の筋肉を動力としたスイングになりがちです。

 これだと、例えどこまで腕の力を抜いたとしても、程度の問題でしかなく、『手打ち』から脱することはできません。

 クラブヘッドを速く振るには、スイングの慣性モーメントを下げる動作を取り入れたり、運動連鎖やストレッチショートニングサイクルを利用したりと様々な要素が絡むのでそちらを参照してもらうとして、ここでは特に手や腕の筋肉の用途に的を絞って説明します。

 スイングの慣性モーメントを下げるのには、手や腕の関節を適切に折り畳むことが重要であり、その際にはある程度の身体の柔軟性が必要とされます。

 また、運動連鎖を引き起こすのにも、より大きな筋肉の力が足掛かりになって、より小さな筋肉へと伝わっていく際には、アウターマッスル(表層筋)の弛緩と緊張のタイミングも重要となります。

 ここでポイントとなるのがアウターマッスル(表層筋)とインナーマッスル(深層筋)の役割です。

 動力の主体となるのは、アウターマッスル(表層筋)の役目ですが、出番が回ってくるまでは、できるだけ弛緩している状態を保ち、出番の時に必要な分だけ緊張して、力を発揮してくれることが求められます。

 こうした出番までの待機中に弛緩した状態を保つのには、インナーマッスル(深層筋)の助けが必要になります。

 インナーマッスル(深層筋)の役目は、弛緩した状態のアウターマッスル(表層筋)を登場する場所まで誘導し、その場を維持することです。

 『手打ち』と言われる状態は、インナーマッスル(深層筋)の役目を無視して、アウターマッスル(表層筋)が自らの力を使って移動してしまうことにあります。

 当然、自分が本来の役割を担った場所ではないところで、アウターマッスル(表層筋)が余分な力を使って、少なからず緊張してその場所を維持しているため、個々の筋出力が落ちてしまいます。

 姿勢維持の役割を担う細かなインナーマッスル(深層筋)と違って、アウターマッスル(表層筋)は筋出力が大きい分だけ、動きも大雑把です。

 それゆえ、アウターマッスル(表層筋)による姿勢制御では、スイング軌道の再現性を保つことも困難です。

 運動連鎖で力が伝わるのには、筋肉が出力した後に、次の筋肉の土台となるために、適正な位置にあることも必須条件となります。

 『手打ち』から脱却するためには、手や腕の位置をいかにインナーマッスル(深層筋)によって制御できるかがポイントとなるわけです。


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骨の役割を奪う!力を分散させてしまう凝り固まった筋肉

2018年06月29日 11:00

 出しゃばりなアウターマッスル(表層筋)は、インナーマッスル(深層筋)の黒衣的な役割も侵した挙句、自分の役割も満足に発揮できないことを前回話しました。

 今回は出しゃばった挙句、燃焼して凝り固まったアウターマッスル(表層筋)が骨の役割をも阻害することを説明してみたいと思います。

 人間の身体は、「皮袋に覆われた水」と表現しても差し支えないほど、全体の75%(新生児)~50%(高齢者)を占める多くの水分からできています。

 こうしたクラゲのような身体を陸上で効率よく動かすためには、身体の中に『心棒』となるものが必要です。

 それが硬くても、しなやかな『骨』です。

 もちろん、骨自体には動くという機能がないので、骨を動かしてくれるものが必要となり、それが筋肉の役割です。

 こうした骨と筋肉の関係性から、動くという身体の運動を考える場合、動力となる筋肉の働きばかりに目が向きがちですが、今一度、骨の役割を見直してみてください。

 骨の役割は、身体を動かす際の『心棒』となること、つまり、筋肉で発生したエネルギーを伝えているのは骨という存在であり、『エネルギーを伝える伝達路』になっているということです。

 ここで本題に話を戻します。

 筋肉、特にアウターマッスル(表層筋)は、動力としての非常に優秀な能力を発揮してくれます。

 それゆえ、我々はアウターマッスル(表層筋)を鍛えることでパワーを得ようとすることが主体となってしまいがちなわけですが、筋肉は使うだけ使って放っておくと、硬く凝り固まったり、他の筋肉と筋膜が癒着してしまったりもします。

 こうした凝り固まった筋肉は、硬いがゆえに、骨と似た役割を演じることになります。

 その筋肉が働く必要がない場合であっても、他の筋肉で発生したエネルギーがその凝り固まった筋肉を通じて伝わってしまうため、エネルギーの分散という由々しき問題を招きます。

 エネルギー伝達の指向性が悪くなるということは、発生した力が無駄になって、本来の力を発揮できないということばかりでなく、動作の質も同時に劣化することを意味します。

 骨が硬いのには意味があり、それはそこに力を収束させるためです。

 さて、ここでなぜ筋肉は硬くなってしまうのかも考えてみる必要があります。

 これはひとえに骨を助けるためだったりもします。

 身体のバランスが悪いと、あらぬ方向から骨に対する余分な負荷がかかります。

 正当な方向からの負荷であれば、骨細胞に伝わる衝撃によって、骨の強さが保たれるわけですが、本来、その骨が想定していない方向から負荷に対しては案外脆いものです。

 その不当な力から骨折を防ぐために、筋肉が硬くなって、力の大きさや方向を分散しているとも考えることができます。

 ここで見直さなければならないのは、筋肉の硬さだけでなく、併せて身体バランスの悪さ方も見直す必要があるというわけです。

 例えば、足のアウターマッスル(表層筋)の凝りをほぐしたばかりの人が歩き出すと、骨に衝撃を感じ、最初の内は骨膜に痛みすら感じることもあるほどです。

 これはそれまで硬くなった筋肉に分散していた力が伝わる経路を失って、本来の伝達路である骨に力が集中するためです。

 また、身体バランスが悪いため、骨に余分な衝撃や痛みを感じているわけですが、凝りをほぐした筋肉の状態で、骨に痛みの出ない歩き方を模索することによって、重心に乗って動くことを身体が覚え、身体バランスも改善されてくるという好循環も生まれてきます。

 これは足に限った話ではなく、身体全体に共通した話です。

 アウターマッスル(表層筋)の凝りをほぐし、骨をエネルギーの伝道体として扱う。

 これがゴルフのショットで効率よく飛ばし、目標方向に打ち出して、望んだ位置までボールを運ぶためにも、大切な準備と言えるわけです。


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体幹のパワーを手に伝えるには腕の起点をどこに置くかで決まる

2018年07月03日 12:27

 ゴルフでの手打ちは、それこそ飛ばない・曲がる・どこへ叩くかわからないといった様々なミスを引き起こします。

 手打ちを脱したいと願い、脇を締め、体幹に腕を固定したような状態でスイングするだけでも、体幹から伝わる大きなエネルギーの一端を感じることはできます。

 ただし、体幹から発生したパワーや足で発生したパワーが体幹を通して、腕に効率よく伝わるためには、力が伝わる経路というものが大切になります。

 これが前回お話しした『力の伝達路』としての骨の役割ですが、腕に体幹からの力を伝える際、重要となるのが腕をどのようなものとして捉えるかということです。

 これは腕がどこから始まっているか、腕はどの部分かという視点が大切ということです。

 腕とは、一般的には肩の関節から先の部分と認識されているはずです。

 これは見た目上の区分で、腕を胴体部分と区別するための見方です。

 あくまでも見た目の上での区分であり、機能的な区分とは少し異なります。

 腕を動かす筋肉が腕だけに付いているわけではなく、胴体にもはみ出して付いているということからでも、少しは理解できることだと思います。

 そういう意味では、上腕(肘から肩までの部分)を動かしてさえいれば、それだけで胴体に付着した筋肉を動かすことになるので、厳密には『手打ち』ではないわけですが・・・。

 ただし、『肩から先を腕』と認識して動かしている場合には、腕を動かす主体はあくまでも手・腕ということになり、『手打ち』と呼ばれます。

 ここで腕の始点の認識を変えてみましょう。

 腕を腕だけで独立して動くものという認識から、胴体と繋がり、胴体と共に動き、力を伝えるために動かすものという認識で捉え直してみます。

 こうした視点でみれば、腕と胴体は互いに独立したものではなく、互いに重複した部分を有し、連携して機能すると考える方が自然です。

 こうした胴体との一般的な意味での腕を繋いでいるものが、鎖骨や肩甲骨とその周辺の筋肉の部分です。

 鎖骨・肩甲骨は胴体でありながら、体幹と上肢(腕)を結びつけている役割をもつことから、上肢帯とも呼ばれています。

 鎖骨は胸の前側中央部にある胸骨のところから始まっていますから、胸骨と鎖骨の付着部を腕の起点として、鎖骨を含めた部分を腕と認識する必要があります。

 また、肩甲骨は主に胴体の背中側と腕を繋げています。

 この肩甲骨には腕を動かすための筋肉だったり、体幹の力を腕に伝える際に重要な役割を担うとされる筋肉が多種多様に付着していたりします。

 バレエなどでは、身体美を演出するために、腕と一体となって鎖骨や肩甲骨を連携して動かすことが求められます。

 これは単なる見た目の美しさだけではなく、身体機能の高さを伴った動物としての本質的な機能美を見る側に印象付けるからだと感じます。

 空を羽ばたく翼を持つ鳥がそうであるように、大地を走り回るネコ科の動物がそうであるように、肩甲骨と鎖骨を大きく使って、上肢(翼・前脚)を動かしています。

 現代人の普段の生活では、この肩甲骨や鎖骨を大きく動かす機会が乏しいため、ほとんどの人の肩甲骨・鎖骨周辺の筋肉は凝り固まってしまっていて、機能していないのが現実です。

 これが、アマチュアゴルファーが『手打ち』になってしまう最たる原因です。

 ゴルフ雑誌のレッスンなどで、肩甲骨周りが大事というテーマで特集が組まれることが多いので、ゴルファーなら知識として知ってはいるはず。

 知ってはいても、長年ほったらかし状態の大人の場合、肩甲骨周りの筋肉をほぐすことは、なかなか根気がいる作業であるため、その重要性が体感できるまで続けられずに、挫折してしまうことも多いようです。

 目標はマグネットコーティングされたガンダムの関節のように、何の抵抗もなく、自由に可動させること、それを肩甲骨・鎖骨の動きで目指す。

 この上肢帯が体幹から自由になると、腕へのエネルギーの伝達効率が増すだけでなく、回転軸を揺らす悪影響も軽減され、ショットも安定してきます。

 腕を扱う上での起点の認識と、実際問題となる鎖骨・肩甲骨周りの柔軟性かつ強さが、本質的な意味で手打ちから脱却するためにはどうしても必要となるというわけです。


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ゴルフ技術は粗く削って、ゆっくりと時間をかけて丹念に仕上げていく

2018年10月31日 11:12

 ある意味、止まっている状態のボールを打つという競技上の性質が、ゴルフの難しさに関係してきます。

 止まっている状態のボールにクラブを当てることは簡単ですが、止まっている状態というのは位置エネルギーしか持ち合わせていないため、どこかに移動させようとした場合には自分自身がすべてのエネルギーを与えなければなりません。

 動いている状態のボールであれば、ボール自体の運動エネルギーを利用するように、運動エネルギーの働いている方向を変えてあげられると、自分自身が与えるエネルギーをある程度は節約できます。

 これが止まっている状態から始まるゴルフだと、すべてのエネルギーを自分自身で賄う必要があるわけですが、その際、必要な分だけで良いものを、余分で不要なものまで付随しやすいため、苦労させられます。

 こうした無駄を削ぎ落とす過程が技を磨くということになるわけですが。

 さて、無駄のない洗練された動きを完成した状態の方から模索してしまうと、ゴルフには大きな動きは必要ないという結論に至ってしまうことがあります。

 やもすると、運動エネルギー0の状態のボールを動かすために、大きなエネルギーを与える必要があったことを忘れてしまいがちなのです。

 遠くに飛ばす、大きく曲げるが先にあって、精度を上げるのは後の話。

 粗く削り出したものを、時間をかけて丹念に仕上げていく方向がゴルフには向いています。

 最初から小さくても精密なものを作るのも一つの手ですが、それに満足できない場合にはスイングを改造することはできず、1から別のものを作り直す覚悟が必要となります。

 小さな完成品にパーツを付け足していっても、大きくしていくのには限度があります。

 また、小さいながらも完成品に付け足していく作業は、一時的であっても完成品から遠ざける矛盾した行為のため、なかなか上手くはいきません。

 かと言って、人にとっての時間は限られていますから、あまりにもご自分の手に余るような大きさにしてしまうと、粗削りだけで終わってしまうことも。

 ご自分の時間や能力でも完成形が想像できる程度でほどほどに抑えた方が、いろいろな作業行程の楽しみを味わうことができるかもしれません。

 最初の内は、曲がりを気にせず、大いに飛距離を欲張ってください。

 ただし、いつまでも欲張っているばかりだと、次の段階に進めません。

 どのような方向へ仕上げていくかもあなたの自由。

 ですが、誰しも得意不得意がありますから、なかなか思い描いたようには進まないかもしれません。

 まずは得意なことを優先して楽しみ、苦手なことも焦らず、ゆっくりと時間をかけて楽しめる程度にじっくりと腰を落ちつけて取り組んでみてください。

 おそらく、ゴルフには正解はありません。

 シャンクのように、とんでもない方向に飛び出してしまう現象であっても、もしそれを意図的に再現できるのであれば、それも立派な武器となります。

 どんな道具や技術も使い方次第。

 仕上げ方次第です。

 ただし、最初は大きく粗く削っておかないと、楽しめることも少なくなってしまいます。

 まずは身体を大きく激しく動かすことから始めてみてくださいね。


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背が高く、体重の重い人ほど、ゴルフでは有利!?

2018年11月08日 09:30

 ゴルフは止まっているボールを遠くに移動させるという性質上、身長の低い人や痩せている人には不利な競技となります。

 少し前にも話しましたが、止まっているボールには運動エネルギーを持っていないため、ボールを移動させるのには、運動に必要なエネルギーをあなたが与えてあげなければなりません。

 ゴルフのスイングでは、槍投げの投擲やラグビーのプレースキックのように、助走をつけて、後ろから走り込んで行う方法は用いず、より正確に飛ばす必要から、その場に踏み留まって行われます。

 その分、飛距離を多少なりとも犠牲にすることになるのですが、それを補うために、重力を最大限利用しているのが現代のゴルフスイングの実態です。

 高く持ち上げられたゴルフクラブは、位置エネルギーを得ます。

 それが重力によって落下する際に、運動エネルギーに変換され、加速したクラブをボールに衝突させて、その運動エネルギーをボールに伝えて、ボールを飛ばすことができます。

 そのため、位置エネルギーの公式mghからもわかるとおり、基本的には高い位置(h)まで持ち上げるほど、また、クラブ重量(m)が重いほど、大きな位置エネルギーを利用することができるというわけです。

 まず、トップポジションの高さというのは、スイングの振り方に影響されます。

 スイングプレーンの傾きがより縦振りに近いタイプをアップライトスイング、より横振りに近いタイプをフラットスイングとも呼びますが。

 身長の高さが同じ場合、よりアップライトなスイングの方がより高いトップポジションにクラブが収まるため、飛距離的に有利となります。

 同じスイングフォームだとしても、背の高い人の方が自然に高いトップポジションとなるため、より大きなエネルギーが得られるのは自明のこと。

 また、ゴルフ規則のクラブアライメントの規定にも、ライ角は80度以下という制限があるように、ターゲットラインに対してより緩やかに進入する軌道を辿るアップライトスイングは方向性の面でも有利と考えられています。

 ただし、あくまでもそのスイングと使用クラブのライ角が合致していることが前提とはなりますが・・・。

 同じ長さのクラブの場合、グリップする高さとボールとの距離の関係から、背の高い人に対してライ角調整すると、自然とアップライトなライ角になり、背の低い人に対してライ角調整すると、フラットなライ角になる傾向があります。

 こうした意味で、身長の高さがゴルフ競技では有利に働きます。

 もう一つの有利となる要素であるクラブ重量(m)について考えてみましょう。

 重量挙げにも階級制が設定されているように、より体重の重い選手の方がより重い物を持ち上げるのに有利とされています。

 ゴルフクラブ自体は数百g程度の重さしかないので、トップポジションまでクラブを持ち上げるという動作に対して、体重差はさして意味があるものではありません。

 ただし、ゴルフスイングは単にクラブを落下させて運動エネルギーに変換するだけでは不充分であり、落下するクラブに対して追加のエネルギーを加えて加速させる必要があります。

 この追加のエネルギーを加える技術にはいろいろな方法が考えられますが、最も効率的なのは、地球上で常に働いている重力加速度(g)を利用する方法です。

 切り返し時に、重力加速度が働く方向に沈み込む腰掛け動作によって、クラブ重量(m)に自分の体重(m)を上乗せした力を利用することができます。

 こうした鉛直方向の力は、スイングでクラブが180度移動した時点で、今度は地面反力や伸び上がり動作によって、再利用することもできます。

 こうした意味で、体重が重い方が飛距離的に有利というわけです。

 ただし、あくまでもクラブポジションと動作のタイミングを合わせる技術であったり、スイングのクランク機構を利用して、鉛直方向への直線的な往復運動の力を回転運動に変換する技術が前提とはなるわけですが・・・。


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スイング局面の全てに関わる体重移動!目的・用途に応じた種類とは?!

2018年11月12日 11:02

 『体重移動』というキーワードは、ゴルフスイングに関する記事ではよく取り上げられるテーマの一つです。

 比較的人気のある話題であるため、その中にはゴルフスイングに体重移動は不要という意見すらもあるくらいです。

 体重移動も何かと誤解が付きものですが、これは体重移動の定義の仕方が曖昧で、議論が噛み合っていない印象を受けます。

 体重移動不要論の云うところの体重移動とは、何か動作を起こした結果、足裏にかかる荷重の変化のことを指したものがほとんどです。

 地球上という重力下において、質量のあるものが姿勢・形を変えれば、足裏のある一点にかかる荷重は変化します。

 確かに、体重移動を意識せずとも、身体を動かせば、こうした変化はスイング中には自然に発生するものです。

 ですが、このことをもって、体重移動が不要と考えてしまうのはあまりにも早計。

 同じ刃物であっても、よく切れる物とあまり切れない物との間に質の違いが存在するように、また、切る対象物によっても形状・機能が違うように、体重移動の中にもそれぞれの意義があり、その違いを少し考えてみるべきです。

 動けば、必ず荷重に変化があるということは、つまり、ゴルフスイングの動作の全てに体重移動が関わっているということになります。

 少し消極的なものにはなりますが、これが広義の意味での体重移動と言えます。

 ただ何の考えなしに動作をすると、その結果の荷重の変化によって、身体の重心バランスが崩れますが、ある程度の経験を積むことによって、カウンター動作を充て、自然とバランスを崩さないようになってくるものです。

 このカウンター動作によるバランス調整が、受動的な意味での体重移動です。

 次に挙げるのが、積極的な意味での体重移動となります。

 より遠くに飛ばそうとした時がそれで。

 遠くに飛ばすために必要なエネルギーを得るのに、重力下では自重を抜いた後に地面を蹴るときの反動であったり、地面との摩擦による支えであったりと、何らかの形で重力を上手に利用します。

 カウンター動作によるバランス調整と、質的には同じなのですが、量的な程度が変わると共に、より能動的な意味合いが増した体重移動と言えます。

 体重移動の動作自体がスイング加速の原動力となる意図で行われている点が少し様変わりしています。

 とはいえ、ゴルフは飛距離を争う競技ではありません。

 ゴルフでも飛距離能力の高さが大きなアドバンテージとはなりますが、距離の打ち分けという飛距離の正確性が問われると共に、方向の正確性も問われることは周知の通りです。

 積極的な意味合いでの体重移動には、重力の利用が欠かせないのですが、方向の正確性を求める上でも、重力の利用が欠かせません。

 遠くへ飛ばすエネルギーを得るための体重移動が重力をアクセルとして利用するとすれば、方向の正確性を高めるための体重移動は重力をブレーキとして利用します。

 沈み込み時には地面自体の存在が行き過ぎの制限をかけてくれますし、伸び上がり時にも常に働いている重力加速度がブレーキの役割を担ってくれています。

 これはアクセルの踏み過ぎを抑制した上で、ブレーキを踏むタイミングも掴みやすいという利点になっています。

 体重移動は上下動を基礎とするのが効率的と言えます。

 ただし、クラブの軌道というものは、ライ角の傾きがあるスイングプレーン上をほぼ円軌道に描かれます。

 クランク機構の直線的な往復運動をクラブの円軌道に変換するイメージになりますが、人間は左右の2本の足で立っているという点で、局面毎にタイミングによるバリエーションの余地が生じます。

 また、ライ角の傾きに対して加える力の向きを考慮する必要がある点でも、身体の各関節の使い方にもバリエーションの余地が残ります。

 体重移動はこうしたそれぞれの目的に応じて、強さ・方向・タイミングをどのようにするのが最適かを検討した上で行わなければ、意味がないことを忘れないでくださいね。


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